第3回 新米を食べくらべるつどい報告

おいしいと、楽しくなります

第3回 新米を食べくらべるつどい

DP1Q0321 2016年12月18日(日)、目白の古民家ギャラリーゆうどにて、今年も7品種のお米を生産者と一緒に食べくらべしました。年末近くだったので、昨年よりも参加者は少なかったのですが、ネットでの告知を見て、当日「これからいいですか?」という方がいらっしゃったり、お米が好きだからと、探して来て下さったり、新しい出会いがありました。また、3回連続で楽しみに来ていただける方や、生産者と話がしたくて再訪していただいた方もいました。そのせいか、師走の喧噪を忘れ、ゆったりと談笑する時間がとれたようです。
終了後のアンケートでは、「味の優劣はつけられない」といった声や「お米が品種ごとに味の違い、特徴があることを知った」といった声をいただきました。
例年通り、アンケートでは、好きな品種を1~3まで書き込んでもらいますが、今年は7品種に票が分かれました。「どれもおいしい」というのは、作柄もよかったし、炊き方も、品種ごとにほどよく炊けたと思います。
実際にたくさんの品種を一度に食べる機会は、一般の消費者ではそうそうないものです。あらためて、食べくらべのつどいのおもしろさに気付かされました。

DSC_0005今回の品種は、
1 あきたこまち…黒瀬正さん作。秋田県大潟村のライスロッヂ大潟黒瀬農舎。農薬不使用の有機栽培で、カモ除草です。あきたこまちは秋田県を代表する品種で、全国でも栽培されている人気品種のひとつです。品種の特徴として水をゆっくり吸うため、少し長めに浸水することと、やや多めの水を入れることでよりおいしく炊きあがります。食べくらべでも、あきたこまちだけ他の品種よりも長く浸水し、一番多く水を入れます。

2 淡雪こまち…土橋敏郎さん作。秋田県三種町の山本開拓農場。農薬不使用の有機栽培で、紙マルチを使って草の発生を抑えています。淡雪こまちは、「こまち」の名前はついていますが、あきたこまちとはまったく異なるお米で、低アミロース米として最近登場した秋田県の品種です。見た目は、その名の通り真っ白なお米で、一見もち米のようですが、うるち米です。あきたこまちと逆に、水を吸いやすい特徴があり、米を研いだ後、30分ぐらい水に浸ければ十分です。水の量はふつうです。

DSC_00373 ゆめおばこ…土橋敏郎さん作。秋田県三種町の山本開拓農場。無農薬・有機栽培(紙マルチ)こちらも秋田県の品種です。低タンパク系でふっくら炊きあがります。

4 コシヒカリ…横田正稔さん他作。新潟県加茂市の加茂有機米生産組合。有機認証米、無施肥栽培。最近、新潟では病気に強いコシヒカリBLという品種が主流ですが、こちらは元のコシヒカリです。

5 ひとめぼれ…野口吉男さん作。山形県鶴岡市の庄内協同ファーム。減農薬(除1)の有機栽培です。ひとめぼれは、山形県をはじめ、全国で栽培されている人気品種のひとつです。コシヒカリ系の品種ですが、日本の米の標準的な味わいとも言えるお米です。

6 つや姫…小DSC_0078野寺喜作さん作。山形県鶴岡市の庄内協同ファーム。有機認証米。つや姫は、2010年に登場した山形県一押しの新品種です。名前の通り、炊きあがりにつやがあります。

7 いのちのいち…佐藤和則さん作。山形県余目町の庄内協同ファーム。自然栽培、自然乾燥米。コシヒカリから生まれた品種。別名「龍の瞳」でも知られています。粒が大きいのが特徴です。

ゆめおばこ、コシヒカリ、ひとめぼれ、つや姫、いのちのいちは、標準的な炊き方でおいしく炊けます。
玄米は、あきたこまち、淡雪こまち、コシヒカリ、いのちのいちの4品種を食べくらべました。

炊飯は、例年同様、7品種を同じ炊飯土鍋、カセットコンロに用意し、15分火入れ、17~18分を蒸らし、それを小さく取り分けてひとつの容器に並べて食べていただきます。
DSC_0003 味噌汁は、土橋敏郎さんが提供した土橋さんの大豆と米でつくった味噌を使い、国産大豆の豆腐、葱のもの。お惣菜として、生産者が手作りの漬物を用意、そのほか、事務局のはますかむすびがふだんおむすび用の具として使用している秋鮭(時鮭)の焼きほぐしや鶏そぼろなどが並びました。

食べくらべは、まず、生産者の黒瀬さん、土橋さん、佐藤さん、横田さんから、それぞれの米生産や品種についての紹介があり、それから玄米、白米と食べくらべます。
第一部、第二部とも各3合ずつ炊きますので、各回白米だけで2升1合のごはんが炊きあがります。2回で4升にもなります。試食分のあとは、好きなごはんを食べてもらいますが、それでも余りますので、希望者に持ち帰ってもらいました。みな喜んで持ち帰っていただいています。

今回のイベントを振り返って、生産者が「ここに希望がある」と笑顔を見せました。とてもごはんが大好きで、ごはんをおいしく食べることに真剣な若い人たちが何人も来てくれたからです。試食後、次々におかわりして、味を楽しんでいました。また、炊き方やお米の栽培方法などを生産者に聞き、後日実際に注文をした方もいると報告を生産者からいただきました。
ちゃんと、おいしい米を食べる機会があれば、おいしい米を選んでくれる人は確実にいます。

DP1Q0403 提携米の生産者の米は、どれも、個性的で、どれも、まちがいなく「おいしい」米です。ぜひ一度食べてみてください。

ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、あきたこまち)
http://www.kurose.com/
山本開拓農場(秋田県三種町、あきたこまち、浅雪こまち)
http://yknojo.exblog.jp/
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫ほか)
http://shonaifarm.com/
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
http://www.okome.com/