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都合により、公開講座を延期します。
提携米研究会の次の公開イベントは11月予定の新米食べくらべ会となります。
来年になりますが、あらためて藤原辰史さんの公開講座を開催いたしますのでご了承ください。

提携米公開学習会 「日本の農業と食を考える」 2019年6月23日(日)

 昨年、水田稲作の「減反政策」は終了しました。しかし、現実には各種補助金や制度などによって「減反」が行われており、主食用米から飼料用米や他作物への転換はすすみ、政策により多収穫米が推奨されています。それにより、全国的には、質より量の転換、環境保全型農業へ転換から農薬・化学肥料多投型の農業への後退も見られます。しかし、消費者はそういった現実を知らず、生産者も語る言葉を持ちません。世界的には広がりを見せる有機農業も日本では消費が伸びていません。農薬問題、遺伝子組み換えやバイオ編集といった技術のリスクなど社会的な課題もあります。米の消費が減少する中で、これからも自立的経営、有機農業などを軸にした環境に配慮し、質の高いおいしい米づくりができる道はどこにあるのか、それぞれが自らの生業・暮らしに取り組みながら、考え続けています。
 そこで今回、提携米研究会の公開学習会として、京都大学人文科学研究所准教授(農業史)の藤原辰史さんを講師にして、「日本の農業と食を考える」と題し、現在の日本の稲作、有機農業、食のあり方と農のあり方について思うところを話していただきたいと考えています。
 藤原さんは、農業と食のあり方を歴史的な視点から研究し、その成果を市民向けに分かりやすく語ることのできる研究者です。お話しとともに、提携米研究会の稲作生産者との意見交換も行いたいと考えています。

藤原辰史さん著書
「食べるとはどういうことか: 世界の見方が変わる三つの質問」 (農文協2019)/「給食の歴史」 (岩波新書2018)
「トラクターの世界史-人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち」 (中公新書2017)/「戦争と農業」 (インターナショナル新書2017)/「食べること考えること」 (共和国2014)/「ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」」(2012)/「稲の大東亜共栄圏―帝国日本の「緑の革命」 」(歴史文化ライブラリー 2012)
「カブラの冬―第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆」 (レクチャー第一次世界大戦を考える 2011)