過去9年間の自公政権により、政治・政策が不公正にゆがめられました。また、情報公開機能や多様な議論の機能も失われました。その回復のためだけでも、現政権から別の政権に代わる価値があると思っています。
また、原発事故を受けたエネルギー政策の転換、新自由主義的な過度な経済政策によって悪化した生活や福祉のセーフティネットの再構築も必要になっています。
その点で、野党第一党のあり方には当然関心が高まります。
そうしたなかで、立憲民主党が、農業政策の方針として、稲作農家への戸別所得補償、コメの減反政策の復活、在庫の買い増しなどを打ち出しました。
これは、大きな愚策です。
いま、野党が政権交代にあたって訴えるべきは、「政策の大転換」よりまえに、政治の「公正さ」「情報公開」の回復であり、その上での政策の見直しの「議論」です。
その点で、立憲民主党が最初にかかげた「政策転換や法整備をしなくてもすぐにできること」は正しい戦略だと考えました。「まずこれをやります」はOKです。でも「次に」のところが急ぎすぎです。議論ではなく「やる」と言っている。待って下さい。
「課題」に対して「課題として認識し、議論する」ことをやってほしいのであって、議論をすっとばして、「こうします」では、自公政権とあまり変わらないではないですか。
票が欲しいのは分かりますが、「こうします」の農業政策がこれでは、先が思いやられます。
●コメの消費は減っている
コメの消費は減り続けています。理由はふたつ。
ひとつは、食生活の変化です。日本人はコメを食べなくなりました。過去50年ほどでひとりあたりの摂取カロリーに対するコメの割合は半分程度に落ち込みました。
もうひとつは、少子高齢化と人口減少です。高齢化は消費量を減らします。必要摂取カロリーも減っていきます。さらに、人口が減れば必要な量も少なくなります。
このふたつから、日本のコメは日本人がコメを食べないことによって必要量が少なくなっています。この流れは簡単には変わりません。
つまり、主食用のコメはどうやっても余る構造です。
長期的に食育などによって、肉食や食用油脂の摂取を減らしたり、小麦食を減らすことができても、コメの必要量を増やすのはとても難しいと言えます。
●農家は減少する
個人経営の農家数は減少し続けています。販売を主体とする個人経営者の基幹的農業従事者の約7割が65歳以上です。農水省の統計はかつて年齢階級の調査で他の産業などと同じく65歳以上をひとくくりにしていましたが、現在は85歳以上まで5歳刻みにしています。7割の農業従事者が「年金生活者」となっている実態があります。これを急速に若返らせるすべはありません。
それに対して、農水省は、大規模化、集団化(法人化)を推し進めています。政策としてひとつの整合性はありますが、農業は中小規模の家族経営体が地域インフラを含めて維持している側面もあり、一方的に大規模化する政策はいくつかの問題を起こしています。
さて、個人経営体の農業者のうちもっとも数が多いのは稲作です。さらに、農業を主としていないが販売もしている農家もいます。
●稲作農業の問題
稲作は、第二次世界大戦中に管理作物となり、政府が全量買い取りをしていました。戦後もそのしくみは変わらず、食糧管理法のもとで政府が価格(米価)を決め、全量を買っていましたが、高度成長期に入るころから生産量は増加するのに消費量は減少に転じます。つまり、コメが余りました。コメが余れば政府は在庫と赤字を抱えることになります。
そこで、減反政策が導入されました。コメを作らない代わりに、費用補償をするというものです。食管法によって自由にコメに値段をつけたり、消費者に直接売ることも難しかった時代に、さらに、自由に作ることも許されなくなったのです。
そもそも、食管法は農協などの中間組織を肥大化させました。農家はコメをつくるだけ。あとはすべて農協を含む他の組織や政府がやってくれる。つまり、稲作の農家は農業経営者とはとても言えない状況に無理矢理置かれたのです。
そこに生産調整という政策的な強権が行なわれました。それは国と地方自治体それに農協などの組織、さらには集落単位での強力なしばりを生みました。あたかも戦時中の隣組のようなもので、減反政策に反対し、自由な作付けを求める人達は「ヤミ米」「国賊」とまで言われたのです。
しかし、少数でも、有機農家など一部の農家が自分で品種、栽培方法を選び、自分で消費者に売るという取り組みを続けました。これら農家の存在が、長い時間をかけて、現在のような自由にコメをつくる状況を作ってきたのです。
減反政策は、形の上ではなくなりました。しかし、地域によっては従来の生産調整のようなしくみは残っています。また、政策に従わない農家は、その政策とは関係ない農業経営上の支援策も受けにくい「いじめ」のような状況も残っています。とくに、農業経営者として自主自立の精神で農業を続けようという意欲のある人達にとっては、減反政策は百害あって一利なしなのです。
●稲作に関する政策の大きな方向性
いまの政府、農水省は、主食用の需要が増えないことや、国際的な食料・飼料の需給が厳しくなっていくことをふまえて、コメを主食用として輸出する、冷凍米飯や米菓などの加工用に契約栽培される米は多収穫を支援する、畜産飼料(牛、豚、鶏のエサ)用の作付面積を増やすという誘導策をとっています。とはいえ、これらの現状は主食用に比べればわずかな量です。
この政策にもいろいろ課題はあります。
たとえば、加工米は冷凍米飯のように実質的に主食用となっているものもあります。また、加工米は品種としては主食用と変わらないのですが、その補助金の出し方に問題があり、予定量以上に収穫したものの取り扱いは自由になっていて、当然それは主食用として販売されます。つまり加工米契約で栽培し、農薬化学肥料を多投して面積当たりの収穫量(反収)を増やすと儲かる仕組みになっています。それにより、農薬化学肥料の多投や食味の劣化などの問題も地域によっては起きています。
また、稲作関連の補助金は多岐にわたっており、その使い方や配分のあり方など、課題として検討すべき点はたくさんあります。
もうひとつ、新たな政策的視点として急浮上してきたのが「みどりの戦略」です。有機農業の推進がようやく政策課題として現実味を帯びてきました。もちろん、これは気候変動対策からの必要ですが、環境保全、食の安全といった面で期待されます。日本で有機農業を増やしていく一番の近道は稲作です。いま、日本の有機農業がなかなか増えないのは、生産や認証、流通にコストがかかり、それを消費者が吸収できない(高くて買えない)という課題があります。農業への新規参入者の多くが有機農業を希望しているようですが、この課題の解決なしは目標は果たせません。現在の政策のあり方からどう転換するのか、大きなテーマです。
●減反政策復活&戸別所得補償、備蓄米増加は、愚策です
さて、話を本題に戻すと、「コメの消費が減っており、減り続ける」でも、「生産量は多い」。しかも、需給が引き締まって価格が急上昇局面を迎えそうならば政府が主食用として販売するための在庫も持っている。というのが今の状況です。コメ以外の商品ならば、価格が暴落して当たり前の状況です。
また、いまコメが余っているからと政府が緊急に買い上げすれば、それは仮に政府が「市場に放出しない」と確約しても、将来の価格低下圧力につながります。
実際、今年のコメの価格は暴落しています。稲作中心で経営しているとりわけ大規模な農家は大打撃を受けています。小規模の農家も実入りが少なく「怒って」います。でも、小規模な農家は来年作付けを止めるかといえば、止めない人が多いと思います。なぜなら、稲作がその農家の主たる収入源ではないからです。年金、そのほかの仕事等の収入が中心だからです。稲作は採算割れでも簡単には止めません。止めるときはたいていが、お金の問題よりも、高齢などで体が思うように動かなくなったというものです。
つまり、コメの価格が暴落するのは基礎生産量が経済の動向とは関係なくある程度あるからです。でも、これらもやがて減っていくことでしょう。すでに超高齢化しているからです。
問題は、稲作中心で経営しているこれから将来にわたって日本のコメを支える人達です。コメ価格はこの農家・農業経営体を苦しめています。
さて、現在の政府は「価格が急減したら補填する保険制度をつくったから入りたい人は入って」「需給の状況は逐一発表するから、何をどうつくるか、自分で決めて」という政策をとっています。前者は減反政策を止めてからの急激な状況変化に対する緩和措置、後者は稲作以外では「普通のこと」です。
コメは日本列島における主要な穀物であり主食です。コメさえあれば「飢えさせる」ことはありません。だから、ほぼ100%の自給ができています。生産量だけをみれば過剰です。それをうまく他用途に振り向けられれば言うことないですし、輸出国のようになれば、コメ自給率200%とか、カロリーベースの食料自給率60%も夢ではないでしょう。でも、本気で輸出国になる気配はまだありません。
この状況で減反政策を復活させたらどうなるでしょうか。減反政策は、その性質上、農家一律に課せられます。大規模農家は、大規模だから経営が成り立つのです。仮に30%の減反面積が課せられたら、小規模農家はその補償金で残り70%の稲作を続けるでしょう。でも、大規模農家は、果たして生き残っていけるでしょうか?それは生産性と作業効率を落とすことにもなるのですから。結果的に日本の稲作の構造転換を遅らせるだけになるのではないでしょうか。
仮に、どうしても減反政策的なものをやりたければ、有機農業化補助制度をすればいいのです。有機稲作の場合、慣行の農薬化学肥料前提の稲作に対して、だいたい7割ぐらいの収量を想定すると安定してできるとされています。つまり有機農業に転換するだけで、生産調整に相当することは達成可能です。
また、加工米で政府が行なっている「多収穫コンテスト」や多収穫である方が儲かる補助制度も止めてしまえばいいのです。
そのような未来に向けての構造転換ではなく、従来の古い非民主的な仕組みである減反政策を復活させようと考える政治組織があるとすれば、それは極めて現実を知らない非民主的な組織と言わざるを得ません。
最後に、旧民主党政権が行なった稲作農家への戸別所得補償政策について。この政策は、いくつかの補助金を止めてそれを稲作農家への一律の所得補償とするものでした。この政策のもっとも優れたところは、農協経由の支払いではなく、農協以外のどの口座であっても直接政府が補償金を振り込むという点です。それ以外は、最低でした。
なぜ、稲作農家だけ、生活支援金のようなものが支払われたのでしょうか? 稲作はそもそも産業として成り立たないというお墨付きなのでしょうか? 経営者としての稲作農家を馬鹿にしているのでしょうか? コメが余り、消費者がコメを買わない中で、その結果として生産者に金を支払う意味が分かりません。
食料安全保障の意味ならば、コメを「作らせる」ことになり、価格は暴落します。実際に戸別所得補償政策はコメの価格低下圧力となりました。もっとも、東日本大震災があったことにより、一時的にコメは高くなりましたが、これは別の理由です。
農村社会を守るため? 農村の自然環境を守るため? それが戸別所得補償である理由にはなりません。他の政策補助金などはいくらでもありました。
高齢化という形で構造転換が起きるなかで、それを単に遅らせるという目的が不明確な政策だったのです。
稲作農家への戸別所得補償政策は、天下の愚策です。
それならば、むしろ、消費増と生活安定のためのベーシックインカム制度を本気で検討した方がいいのではないか?
あわてず、議論して下さい。
]]>新型コロナウイルスによる疾病の影響を考え、中止とさせていただきます。
度重なる中止、申し訳ありません。
2018年に水田稲作の「減反政策」は終わりました。でも実際には各種補助金や制度などによって「減反」が行われており、主食用米から飼料用米や他作物への転換がすすみ、政策により多収穫米が推奨されています。全国的には、質より量への転換、環境保全型農業から農薬・化学肥料多投型の農業への後退も見られます。消費者はそういった現実を知らず、生産者も語る言葉を持ちません。世界的に広がる有機農業も日本では消費が伸びていません。農薬問題、遺伝子組み換えやバイオ編集といった技術のリスクなど社会的な課題もあります。米の消費が減少する中で、これからも自立的経営、環境に配慮し、質の高いおいしい米づくりができる道はどこにあるのか、それぞれの農家が自らの生業・暮らしに取り組みながら、考え続けています。
そこで今回、提携米研究会の公開学習会として、京都大学人文科学研究所准教授(農業史) の藤原辰史さんを講師にして、「日本の農業と食を考える」と題し、現在の日本の稲作、有機農業、食のあり方と農のあり方について思うところを話していただきたいと考えています。
かつて減反政策に対し、農家や農村の自立性を失わせると、敢然と立ち向かった専業稲作農家の黒瀬正が、日本の農政の問題を、自らの経験を通じて語り、その上で藤原さんのお話しと対話を行う予定です。
講師
藤原辰史さん 京都大学人文科学研究所准教授(農業歴史学)
黒瀬正 秋田県大潟村専業米農家 提携米研究会共同代表
藤原辰史さん著書
「分解の哲学―腐敗と発酵をめぐる思考」(青土社 2019)
「食べるとはどういうことか: 世界の見方が変わる三つの質問」 (かんがえるタネ 2019)
「給食の歴史」 (岩波新書 2018)
「トラクターの世界史 - 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち」 (中公新書 2017)
「戦争と農業」 (インターナショナル新書 2017)
「食べること考えること」 (共和国 2014)
「ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」」(2012)
「稲の大東亜共栄圏―帝国日本の「緑の革命」 」(歴史文化ライブラリー 2012)
「カブラの冬―第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆」 (レクチャー第一次世界大戦を考える 2011)
日時 2020年3月8日(日) 13:30~16:30
場所 宮島ビル3F遠忠食品会議室(東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目30-10宮島ビル)
半蔵門線「水天宮前」6番出口より徒歩2分
日比谷線「人形町」A2出口より徒歩5分
都営浅草線「人形町」A3・A5出口より徒歩7分
東西線「茅場町」4-a出口より徒歩10分
会費 提携米研究会会員 無料 一般1000円
一般参加最大 30人(先着順)
申し込みサイト
https://kokucheese.com/event/index/588563/
からも申込みできます。(こくちーず)
問い合わせ
0308@teikeimai.net
電話では受け付けません。メールの場合、お名前、連絡先(電話かメール)、人数をお知らせください。
お問い合わせ 0467-27-1886(事務局はますかむすび)
スケジュール
13:00 開場
13:25 案内 挨拶
13:30 講演「減反政策とはなんだったのか」黒瀬正
14:15 講演「日本の農業と食を考える」藤原辰史
16:00 意見交換
16:30 終了
2019年11月17日(日)
じかん 1回目11:00~12:30 2回目13:00~14:30
ばしょ 蔵まえギャラリー2階
(神奈川県藤沢市 藤沢駅北口)
6回目の新米たべくらべ会です。新潟、山形、秋田の有機農家が自慢の米を持ち寄って、土鍋で炊き、今年のできばえを味くらべします。農家の話を聞きながら、お米の違いを体験してみませんか?
ご飯が好きな人の参加をお待ちしています。
募集人数 30名(申し込み制、各回15名上限)
参加費 500円
主催 提携米研究会 協力 やまゆり生協、はますかむすび
お申し込みはE-mail 1117@teikeimai.net
または fax 0467-27-1886まで、
お名前、人数、連絡先(メールまたは電話)をお知らせください。
https://kokucheese.com/event/index/578903/
からも申込みできます。(こくちーず)
お問い合わせ 0467-27-1886(事務局はますかむすび)
■参加予定生産者と予定品種(7品種)
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、あきたこまち)
山本開拓農場(秋田県三種町、淡雪こまち ほか)
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫 ほか)
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
■試食について
・米は、有機米、無農薬、減農薬(除草剤1回のみ)です。
・白米7種の炊きたてを用意します。
・お茶、味噌汁、漬物類なども用意します。
・当日の米の販売等はありません。
米希望の方は生産者に直接申込んでください。
・参加者には、試食のアンケートにご協力いただきます。
会場 蔵まえギャラリー 藤沢市藤沢630-1
http://kuramae.jimdo.com/
JR東海道線・小田急江ノ島線藤沢駅北口徒歩5分ぐらい。
駐車場はありませんので、近隣の有料パーキングをご利用ください。
提携米公開学習会 「日本の農業と食を考える」 2019年6月23日(日)
昨年、水田稲作の「減反政策」は終了しました。しかし、現実には各種補助金や制度などによって「減反」が行われており、主食用米から飼料用米や他作物への転換はすすみ、政策により多収穫米が推奨されています。それにより、全国的には、質より量の転換、環境保全型農業へ転換から農薬・化学肥料多投型の農業への後退も見られます。しかし、消費者はそういった現実を知らず、生産者も語る言葉を持ちません。世界的には広がりを見せる有機農業も日本では消費が伸びていません。農薬問題、遺伝子組み換えやバイオ編集といった技術のリスクなど社会的な課題もあります。米の消費が減少する中で、これからも自立的経営、有機農業などを軸にした環境に配慮し、質の高いおいしい米づくりができる道はどこにあるのか、それぞれが自らの生業・暮らしに取り組みながら、考え続けています。
そこで今回、提携米研究会の公開学習会として、京都大学人文科学研究所准教授(農業史)の藤原辰史さんを講師にして、「日本の農業と食を考える」と題し、現在の日本の稲作、有機農業、食のあり方と農のあり方について思うところを話していただきたいと考えています。
藤原さんは、農業と食のあり方を歴史的な視点から研究し、その成果を市民向けに分かりやすく語ることのできる研究者です。お話しとともに、提携米研究会の稲作生産者との意見交換も行いたいと考えています。
藤原辰史さん著書
「食べるとはどういうことか: 世界の見方が変わる三つの質問」 (農文協2019)/「給食の歴史」 (岩波新書2018)
「トラクターの世界史-人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち」 (中公新書2017)/「戦争と農業」 (インターナショナル新書2017)/「食べること考えること」 (共和国2014)/「ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」」(2012)/「稲の大東亜共栄圏―帝国日本の「緑の革命」 」(歴史文化ライブラリー 2012)
「カブラの冬―第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆」 (レクチャー第一次世界大戦を考える 2011)
2019年3月10日(日)
講師:印鑰智哉さん
フランスでラウンドアップ(グリホサートを含む商品名 モンサント・現バイエルの商品)の非農家向け販売禁止が報道されました。
アメリカではがん患者がラウンドアップに原因があったとして訴訟を起こし、勝訴しています。日本では主成分のグリホサートの残留基準が大幅緩和されており、輸入小麦の小麦粉などから基準値内ですがグリホサートが検出されています。
稲作においては、ラウンドアップは主に畦などで使われることがありますが、一般的に、様々な畑で使われ、また、家庭等ではホームセンターなどで雑品として売られるラウンドアップが使用されています。
水田用除草剤の成分としては使われませんが、春の田起こし前に草を枯らすために使われることもあると言われています。
一方、果樹園などでは、下草を生やす栽培方法を導入するところが増え、以前のような濫用は減りつつあります。
除草剤グリホサート(ラウンドアップ)をめぐる状況と問題、解決策について、印鑰さんの講演とともに考えたいと思います。
日時 2019年3月10日(日) 13:30~15:30(最大16:00まで)
講演1時間半、その後意見交換を予定しています。
受付は13:15より会場にて
会場
喫茶ルノアール新宿区役所横店貸会議室5号室(新宿区歌舞伎町1丁目3−5 相模ビル)
アクセスJR新宿駅東口徒歩7分 新宿区役所真裏
会費
一般参加者 会費1500円(ワンドリンク付き)
講師:印鑰智哉(いんやくともや)さん
日本の種子(たね)を守る会事務局アドバイザー
ドキュメンタリー映画「遺伝子組み換えルーレット」翻訳監修
申込み方法
メールにて
0310@teikeimai.net
宛てに、お名前、所属(または、生産者、消費者等)、参加人数を書いて申込み下さい。なお、携帯キャリアメールの場合、ドメイン@teikeimai.netからのメール受信を可能にしてください。
または、こくちーず(https://kokucheese.com/event/index/553192/)より申込み下さい。
先着順30名までとなります。
会費は当日お支払い下さい。
お問い合わせ
提携米研究会事務局 牧下
0467-27-1886(はますかむすび)
forum@teikeimai.net
第5回目の食べくらべ会は、はじめて都心を離れ、茅ヶ崎市で開催。
新潟、山形、秋田の有機農業生産者が自慢の米を持ち寄って、今年のできばえを味くらべします。
作り手と一緒に、いろんな炊きたて白米を食べくらべます。
ご飯が好きな人、生産者に有機農業の話を聞きたい人、ご参加をお待ちしています。
募集人数 20名(申し込み制)
参加費 500円
主催 提携米研究会 協力 はますかむすび
お申し込みは
E-mail
お申し込みはE-mail 1111@teikeimai.net または fax 0467-27-1886まで、
お名前、人数、連絡先(メールまたは電話)をお知らせください。
お問い合わせ 0467-27-1886(事務局はますかむすび)
http://teikeimai.net/forum/2016/12/post-35.html
(過去の会の様子がご覧になれます)
■参加予定生産者と予定品種
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、あきたこまち)
山本開拓農場(秋田県三種町、淡雪こまち ほか)
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫 ほか)
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
■試食について
・米は、有機米、無農薬、減農薬(除草剤1回のみ)です。
・白米7種の炊きたてを用意します。
・お茶、味噌汁、漬物類なども用意します。
・今年は、会場の規定で土鍋炊飯ではなく、電気炊飯器を使用します。
・マイ箸、マイ食器、マイおかず・ふりかけ等持ち込み可能です。
・炊いたご飯等の持ち帰りはご遠慮願います。
・当日の販売等はありません。
・参加者には、試食のアンケートにご協力いただきます。
ハマミーナまなびプラザ(ブランチ茅ヶ崎1の2階フロア)
住所 茅ヶ崎市浜見平11番1号
東海道線茅ヶ崎駅下車、南口バス乗り場 神奈中バス 茅33、35、37
「団地中央」下車すぐ(10分弱)
お車の場合、隣接のブランチ茅ヶ崎2の有料駐車場で4時間無料です。
講師:印鑰智哉さん
昨年突然政府が行った種子法廃止は、稲作にどのような影響があるのでしょうか? また、背景にはTPPや多国籍バイオ企業の動向があると考えられます。遺伝子組み換え作物、種子の独占、農薬政策など、農家の自立経営、有機農業や食の安全、健康にまで視点を持ちながら、現状の課題を把握し、整理したいと思います。
講師に印鑰智哉(いんやくともや)さんをお招きし、学習会の上、稲作農家や会場との意見交換の時間を持ちます。
日時 2月25日(日)13:30~15:30(最大16時まで)
講演1時間半、その後意見交換を予定しています。
受付は13:15より会場にて
会場
喫茶ルノアール新宿区役所横店貸会議室6号室(新宿区歌舞伎町1丁目3−5 相模ビル)
アクセスJR新宿駅東口徒歩7分 新宿区役所真裏
会費
一般参加者 会費1500円(ワンドリンク付き)
講師:印鑰智哉(いんやくともや)さん
日本の種子(たね)を守る会事務局アドバイザー
ドキュメンタリー映画「遺伝子組み換えルーレット」翻訳監修
申込み方法
メールにて
0225@teikeimai.net
宛てに、お名前、所属(または、生産者、消費者等)、参加人数を書いて申込み下さい。なお、携帯キャリアメールの場合、ドメイン@teikeimai.netからのメール受信を可能にしてください。
または、こくちーず(http://kokucheese.com/event/index/503643/)より申込み下さい。
先着順30名までとなります。
会費は当日お支払い下さい。
お問い合わせ
提携米研究会事務局 牧下
0467-27-1886(はますかむすび)
0225@teikeimai.net
毎年恒例新米の「食べくらべ」会です。
米どころ新潟、山形、秋田の有機農業生産者が、自慢の米を持ち寄って今年のできばえを味くらべします。作り手の生産者と一緒に、いろんな米の品種を炊きたて白米で食べくらべします。食のこと、農業のことなど、ざっくばらんに話をする会です。
各回募集人数 15名(事前申込み優先)
参加費 500円
主催 提携米研究会
お申し込みは
E-mail
1119@teikeimai.net
または、 fax 0467-27-1886まで
お名前、人数、連絡先(メールまたは電話)をお知らせください。
お問い合わせ 0467-27-1886(はますかむすび 牧下)
http://teikeimai.net/forum/2016/12/post-35.html
(昨年度の会の様子がご覧になれます)
■参加予定生産者と予定品種
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、あきたこまち)
山本開拓農場(秋田県三種町、ゆめおばこ、淡雪こまち)
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫、いのちのいち)
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
■試食について
・米は有機米、無農薬、減農薬(除草剤1回のみ)です。一部、自然栽培もあります。
・白米7種を炊きたてで用意します。
・お茶、味噌汁、漬物類なども用意してあります。
・マイ箸、マイ食器、マイおかず・ふりかけ等持ち込み可能です。
・当日の販売等はありません。
・米生産者の話を聞きたい、有機農業に関心のあるという方もぜひお越しください。
会場:ギャラリーゆうど
(新宿区下落合3-20-21
JR目白駅徒歩5分・駐車場なし)
http://blog.yu-do.noor.jp/
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr20171016/
]]>その中で、提携米研究会(当時は、提携米ネットワーク)でも、基準や認証のあり方について議論を繰り返し、提携米としては、第三者認証を前提にせず、生産者と消費者の関係性を大切にした形の基準や認証にしようということになり、二者認証という形で、栽培出荷の基準と流通の取り決めをしました。
実際には、生産者と個人の取引、生産者(団体)と流通団体、消費者団体との取引という形があります。また、それぞれの生産者や団体は、取引先の要望や自らの考え方で第三者認証(特別栽培やJAS有機)を受けることもあります。それとはべつに、有機農産物等の流通団体などでは独自の栽培基準もあり、その帳票も団体ごとにまちまちだっりしました。パソコンやインターネット環境がまだ普及期だったこともあり、手書きでの文書作成も多く、その文書管理は生産者にとっては煩雑な手間になっていました。そこで、提携米研究会でも栽培管理の書式を作った上で、その内容を満たしていれば、他の団体等の書式でも構わないという対応をすることにしました。
そして、産地を事務局、消費者とともに、できれば他の産地の生産者も参加して、産地の栽培状況、課題、取組み、工夫などを田んぼで話し合うことを重視することにしました。
2000年から毎年、産地を訪問しています。
この間には、2003年の不作や年々の異常気象などがあります。農政でも、減反政策廃止方針、戸別所得補償政策、有機農業推進法、米トレーサビリティ法など様々な変化がありました。政策の変化によって、ある時期は、周辺で大豆の栽培が増えたり、加工米需要で稲の栽培が増えたりと、田んぼの風景も変化しています。そのほか、慣行栽培でのネオニコチノイド系農薬の登場、ラジコンヘリの普及などによる、農薬飛散対策やイネミズゾウムシの多発、外来植物の新たな水田雑草化などもあります。目に見える変化、目に見えない変化の中で、確認会が20年近く続いていることは、貴重な記録となり、取組みではないでしょうか。
■2017年の概要
2017年は、春の長期予報では暑い夏が想定されていましたが、実際には不順な夏となりました。地方差が大きいですが、東日本では5月後半から6月初旬にかけて低温があり、6月から7月前半の梅雨時期は、関東で空梅雨となりましたが、全国各地で局所的な大雨などがありました。7月後半から8月にかけては、東日本で総じて気温が低く、ところによっては日照不足となりました。特に、東北から関東にかけての太平洋側では低温と日照不足の影響で、稲や野菜などの農作物に大きな影響が出ています。
東北日本海側は、太平洋側ほどの日照不足ではありませんでしたが、気温はやや低めで、局所的な集中豪雨などがありました。
産地確認会は、2017年8月28日から31日にかけて、例年通り、新潟県加茂市の加茂有機米生産組合、山形県鶴岡市・庄内町の庄内協同ファームの提携米研究会個人会員、秋田県大潟村のライスロッヂ大潟・黒瀬農舎、秋田県三種町の山本開拓農場を回りました。
■加茂有機米生産組合(新潟県加茂市)
8月28日(月)に、橋本明子共同代表、清水淳一さん(ネットワーク草の根)、牧下圭貴(事務局)で訪問しました。
田んぼは、横田正稔さん・大竹直人さんが栽培しているほ場と、浅川和夫さんのほ場を回りました。
●横田さん、大竹さん
加茂有機米生産組合では、新潟県が基本としているコシヒカリBLではなく、従来型のコシヒカリを栽培しています。栽培認証としては、JAS有機米、特別栽培米になります。特別栽培は、初期除草剤1回の減農薬栽培です。このほか、酒米などの生産もあります。
加茂市周辺は、春先の天気は良かったものの、6月ぐらいから天候がやや悪くなり低温気味に。7月前半に雨が多く、降水量はやや多めとのことです。8月に入ると、台風5号でのフェーン現象があり、一度暑くなったものの、その後はやや涼しく、暑い日は少なめで、朝晩は涼しく、日照はすこし不足気味です。例年よりは1週間ほど稲刈りが遅れるようですが、地域内ですでに稲刈りがはじまった早い品種の「こしじわせ」などでは品質がよいということです。朝夕寒くて日中との寒暖差があるので、作物にとってはおいしくなる条件があり、期待できます。
加茂有機米生産組合には、平場の田んぼと山手の田んぼがあり、山手の方では、すこしいもち病がでているとのこと。また、近年イナゴが少なめでしたが、今年は久しぶりにイナゴの多い年になりました。例年より早く、アカトンボも平場まで降りてきていました。
栽培としては、コシヒカリの無施肥栽培、冬期湛水、紙マルチ栽培など、いくつかの方法に取り組んでいます。紙マルチ以外の除草は、チェーン除草が主で、多いところでは10回入る田もあるとのことです。冬期湛水田では回数は少なめで、とろとろ層のでき具合、水のにごり、プランクトンなどの湧きなどをみながら考えています。冬期湛水は、土質や田の水保ちなどをみて、できるところ、できないところの判断をしているとのことでした。
チェーン除草の除草機は、毎年改良を加えていき、ほぼ安定した形状になったようです。
また、最近は植える株数を減らし、必要な苗箱を減らす方向にあります。株数を減らせば風通しは良くなりますのでイモチ対策にもなりますし、コスト削減にも繋がります。その分だけ、稲をしっかり育てるのと陽が入りやすくなるので除草対策は必要ですが、有機農業でもコスト削減への工夫が続いています。横田さんたちは45株植えとのことです。
加茂有機米生産組合では、地元や新潟市内の小学校の、田んぼの田植え、稲刈りなどの体験学習を受け入れています。体験田もしっかり管理され、秋の収穫の時を待っていました。
●浅川和夫さん
洋なしのル・レクチェや、桃、ブドウなど果樹を本業として、米はJAS有機栽培米、特別栽培米(除草剤1回)でコシヒカリを栽培しています。今回は、田んぼを見る前に果樹園も見せていただきました。洋なしや桃、ブドウなどは木なりもものくだものです。木が健康でなければ実は育たず、花が咲いて実になるまでの天候に異常があれば実は売り物にならなくなります。また、実は需要となる時期を想定して最盛期を迎えるようにしていますが、最近の異常気象(気候変動)で時期がずれたり、病気が発生したりと、果樹をとりまく状況は悪くなる一方です。品種改良なども進められていますが、栽培管理にかける時間と手間は増えているようです。それでも、特産のル・レクチェにはファンが多く、できるだけ続けたいとのことでした。
浅川さんは、果樹の時期と稲の除草の時期が重なることから、有機栽培米は20年間、紙マルチ栽培を続けています。紙マルチ田植機は開発初期のもので「これが壊れたらJAS有機の無農薬栽培はできなくなる」と修理を繰り返しながら使い続けています。紙マルチ栽培は、田植えの時に、紙を敷いて、稲が植わる場所以外は光を防いでいくことから、その後の草取り作業を行わずに済みます。しかし、20年も続けていると、紙と紙の継ぎ目などからヒエが出て、増えるため、どうしてもヒエは目立ってしまいます。それでも、収量は1反7.5俵くらいと安定しており、昨年はすこし肥料を減らしても豊作気味だったとのことです。今年は穂揃いが8月5日、6日ぐらいと昨年より数日遅めですが、近年早い年が続いているので、これでも以前の平年並みとのことでした。今年は、天候の読みが難しく効き目が遅い有機の穂肥を入れるタイミングと量が難しかったとのことでした。
浅川さんの田んぼを回っていると、キジが田んぼの奥に隠れていました。田んぼのそばにはキジやカモの巣があるとのことです。
■庄内協同ファーム(山形県鶴岡市ほか)
庄内協同ファームは提携米研究会の団体会員であり、このうち3名の方が提携米研究会の個人会員として毎年産地確認をしています。
2017年8月29日(火)、橋本明子共同代表、清水淳一さん(ネットワーク草の根)、飯島定幸さん(ネットワーク農縁)、横田正稔さん・大竹直人さん(加茂有機米生産組合)と牧下圭貴(事務局)で、小野寺喜作さん・紀允さん、野口吉男さん、佐藤和則さんのそれぞれの田んぼを確認し、意見交換しました。
●小野寺紀允さん(山形県鶴岡市)
小野寺家は、農家民宿・母家(おもや)、農家レストラン・菜ぁが全国的にも知られる人気の店です。この経営とともに、JAS有機米、JAS有機のだだちゃ豆をふたりの兄弟が分担しています。兄の紀允さんは、米と母家、菜ぁの担当。料理や接客などが得意で人当たりもよく、仕事を楽しんでいます。稲作は、店で使ったり直販するひとめぼれと、出荷するつや姫、もち米のでわのもちで、すべてJAS有機認証を受けています。豆はあまり連作に向かないため、豆と田んぼを豆2年、米4年で田畑転換して、草の発生や豆による肥料効果などをうまくできるようにという理想を持ちつつ、それぞれの栽培状況や農地ごとの土質、環境などをみて順次転換しています。
稲の栽培は、紙マルチ栽培と、機械除草の二通りで、ほぼ半々です。豆の後の田んぼは、秋起こしをせずに紙マルチ栽培をしています。機械除草の方は、とろとろ層をつくることでの抑草にも取り組んでいます。枝豆の豆がらと米ぬかでぼかし肥料をつくって、荒代後、ぼかしを入れ、その後代かきをして田にうまくとろとろ層をつくり土を濁らせることで草を抑草します。昨年から九州の生産者の技術を導入し、気候条件、地温、土質などの違いを考えながらぼかしの状態や内容を変えつつ、試行しています。年に1度の米づくり、新しい挑戦は大変ですが、春先の作業を少しでも軽減するために秋冬にできることを考えています。
天候としては、5月下旬から6月10日までが低温でその後は比較的天候良く推移したとのことで、やや遅れ気味ですが順調です。
カメムシは昨年多かったものの、今年はあまり目に付かないとのことでした。ただ、周辺で無人ヘリ防除が稲作、枝豆ともに増えており、JAS有機認証の確認のために、境界付近の防除時に立ち会う必要があり、その回数が増えているといいます。
加茂有機米生産組合のふたりとは、とろとろ層の作り方、機械除草の内容やタイミングについて具体的な意見交換をしていました。
●野口吉男さん(山形県鶴岡市)
除草剤1回のひとめぼれやJAS有機米を栽培する野口吉男さん、毎年、同じほ場を見せていただいています。庄内協同ファームでもいつも参考にされている田で、美しく揃った田んぼはまさに見事としか言いようがありません。田植えは例年通り5月15日、今年はその後低温が続きそれが影響して穂揃いは例年よりすこし遅い8月7日頃とのことです。また、庄内でも、新潟と同様に台風5号による風やフェーン現象の影響も少々あったとのこと。今年はすこしだけ稲刈りが遅めになると予想しています。
この地域は、今年も、8月1日から月末まで畦の草刈りなどを自主的に取りやめるようにしています。カメムシが田に移るのを防ぐためで、もう何年も続けられています。
周辺地域の動向として、やはり無人ヘリ防除が増えており、今後区画整備事業が進むと、さらに大規模化してヘリ防除が増えるのではと懸念されます。野口さんのほ場も、現在の基本2反から1町~1.5町の大規模化と、現在は用水を遠方から引いていますが、その用水の水路、排水路の整備をする整備事業がいよいよはじまります。
●佐藤和則さん(山形県庄内町)
JAS有機でコシヒカリ、ササニシキ、イノチの壱を栽培しています。無施肥でコシヒカリを7年ほど栽培してますが、無施肥の田んぼでは生産量が少しずつ減っており、今後の栽培方法、施肥など取組みを考えているとのことです。JAS有機の認証では、周辺が慣行栽培の場合、その別の田の水が入らないよう緩衝地帯が求められます。そこで佐藤さんは数年前に周辺の緩衝を目的にビオトープをつくっています。そこを環境学習の場として、子どもたちなどにも生きものの指導をしたりしています。メダカ、ドジョウ、ザリガニ、タニシ、カワニナなどが豊富です。ただ、ザリガニは、田んぼの畦に穴を開けるため、水の管理が難しくなります。
また、カモ、年を越す白鳥などが集まってきて、稲を痛めるといったこともあります。
近年、無人ヘリ防除のあとにメダカが減ると感じています。
佐藤さんは田植えを5月末から6月頭に行い、6月後半まで除草機を押しています。
除草は機械除草で、除草機を何度か押して草を抑えています。
JAS有機の緩衝地帯として、ビオトープ
■ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村)
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎での産地確認会は、毎年グループの産地確認、意見交換と合わせて行われます。
15人ほどの生産者が集まり、何人かの生産者の田んぼを周りながら、栽培の状況や技術的な意見交換を行っています。
今年の大潟村は、5月末から6月初旬、急な低温が続きました。有機栽培の生産者は全体に気温が上がる5月後半、田植えした苗が生長しやすいように、やや遅めに田植えをすることが多いのですが、この低温で、5月25日以降に田植えをした田んぼは初期の成長がずいぶんと遅れました。一方、5月20日までに田植えをした田んぼでは最初の数日、苗がしっかりと育つ時間がとれたため、初期の遅れをあまり感じなくて済みました。その後、全般に天候が回復し、稲もすくすくと育ち、いまでは生育が1週間前後遅れているぐらいで、全般には平年並みのきれいな田んぼが広がっています。
2017年8月30日(水)、橋本明子共同代表、清水淳一さん(ネットワーク草の根)、飯島定幸さん(ネットワーク農縁)、横田正稔さん・大竹直人さん(加茂有機米生産組合)と事務局の牧下圭貴で6世帯7カ所のほ場の確認会を行いました。
●黒瀬正さん、友基さん
JAS有機栽培のあきたこまちと、減農薬栽培(除草剤1回)のもち米キヌノハダを栽培しています。ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎の有機肥料はグループでいくつかの種類をまとめて希望をとり、冬の間に準備します。このほか、それぞれに、米ぬか、くず大豆、稲わらなどをそれぞれの考え方で入れたり、入れなかったりしています。共通する栽培方法はありませんが、購入する肥料などは品質や内容を検討し、JAS有機認証をとっても使えるものなど、グループとしてまとめています。それによる生産費用面での削減は貴重です。
栽培方法は、人それぞれに違います。自分の田んぼの状況、生産者としてのこだわり、好み、ライフスタイル、考え方、あるいは哲学が栽培方法にも反映されます。もちろん、それだけではなく、種子の温湯消毒、プール育苗、ばか苗病を防ぐために菌がいるもみ殻の管理など、他地区や大潟村で経験して汎用性がある有機農業技術は積極的に取り入れています。
黒瀬さんが2年ほどかけて取り組んで来たのが、ホウキ除草の広域改良版です(右写真)。竹ぼうきを使って田んぼの表面の土をひっかき、水を濁らせるのと、草の芽をかきだす効果があります。チェーン除草にも近い考え方です。ただ、ホウキ除草は軽いので誰でも作業がしやすいという特徴もあります。大潟村の田んぼは1枚が広いので、できるだけ幅広く、水を入れてあっても歩きやすく、引っ張りやすく、と考え、ポリタンクで浮きをつくり、固い樹脂製の棒を並べて横に伸ばし、5メートル以上を一度に掻いていくことができます。
黒瀬さんの無農薬栽培田は今年は天候に泣かされました。数年前から、アイガモを使った除草・抑草に取組み、成功していましたが、今年は、稲の育ちとアイガモの育ちのバランスが悪くなりました。田植えは6月1日に終えましたが、その頃の低温で6月中旬まで稲が育たず、カモを入れるタイミングが難しくなりました。カモを入れずにまとめて小屋に入れていたら、カモが集団化し、カモを入れた6月15日から7月13日頃までの間、期待通りの働きをしてくれなかったのです。
その分だけ、機械除草、手取り除草をすることになりますが、8月後半には雨も降って、田がぬかるみ、思い通りに草取りができないということになりました。
稲は、6月後半以降持ち直し、十分に実っています。秋の天候次第ですが、平年作になりそうです。カモのことは、異常気象に対しての今後の課題となりました。
カメムシ対策としては、畦の草を徹底して刈り続けるという方策をとっています。他の生産者も同様に畦の草刈りには力を入れています。
●桑原秀夫さん、康成さん
●鈴木隆二さん、隆司さん
あきたこまちを無農薬のJAS有機栽培と除草剤1回の減農薬栽培しています。鈴木さんは、ここ数年、作業小屋近くに苗作り専用のプール育苗ハウスを立てています。今年は早めにビニールをとり、露地育苗にしました。その方が根の張りがよいそうです。また、ばか苗病対策として、使用する資材のうち籾殻は完全に焼き、温湯消毒後は外気に触れないよう気をつけています。鈴木さんは、暗きょを毎年計画的に入れ、田んぼをできるだけ乾かせるようにすること、機械除草と手取り除草、畦畔は機械除草だけでなく畦畔の雑草を焼いてカメムシなどの侵入を防ぐなど徹底しています。今年は、8月後半になって雨でぬかるみやすく、田が乾かないためひえぬきに入れないのが困るとのことです。これは、他の生産者もみな困っていました。
ところで、たとえば、鈴木さんの栽培計画をみると田んぼの耕起・代かきについて「水を少なくして、泥水の排水を抑制し、藁くずなどごみを表面に浮き上がらないように注意して作業する」とあります。上流部の植林活動など、大潟村に流れる八郎潟残存湖の水質改善には、農薬を減らしたり、肥料分減らして富栄養化を防ぐだけでなく、このようなひとつひとつの作業でできることをするというのも含まれます。
●山本竜平さん
田植えの線がまっすぐ、畦の草刈りは美しく仕上がる。山本竜平さんと、先代となる平男さんの田んぼは、いつみてもぴっちりしています。あきたこまちを無農薬栽培、減農薬栽培(除草剤1回)しています。いつも稲を遅めに植えていますが、黒瀬さんと同様、5月28日~30日にかけて植えた苗は6月上旬までの低温で育たず、初期の除草に入れない状態が6月20日頃まで続きました。そこから歩行式の機械除草を3回、その後、黒瀬友基さんたちが開発したホウキ型の除草機で予防的に草の発芽を抑える作業をし、最後に手取り除草を2回繰り返しています。このホウキ型の除草機は、田の表面をひっかく形で土を攪拌していくので、種の発芽を抑えたり、発芽したばかりの草をひっかき出すという効果が期待されています。
●高野健吉さん
JAS有機認証をとってあきたこまちや大豆を作り続けている最年長の高野さん(85歳)。毎日車で田んぼを見回り、人に頼んで実際の作業はやってもらっています。
5月20日に田植えをした田んぼは、昨年は元肥だけで10俵近く収穫しています。大豆との輪作体系を確立し、無施肥や元肥だけで栽培するなど、先駆的な取組みを続けています。
●花塚昭さん
今回、短い時間でしたが花塚さんの田んぼも見に行きました。新しい品種を栽培しているということで、その作柄にみんな関心があります。多収穫系の品種であり、比較的栽培しやすく、食味もいいということで、今年の収穫が待たれます。
■山本開拓農場(秋田県三種町)
土橋敏郎さん、敏拓さんは、秋田県三種町の高台に田んぼ、畑があります。借りたり、引き受けした田んぼや畑もあって、これらは町内各地にあります。米は、あきたこまち、キヨニシキ、淡雪こまち、ゆめおばこ、もち米のキヌノハダをつくっています。無農薬は紙マルチ栽培、それに除草剤1回の減農薬栽培です。畑作は、大豆、小豆、黒大豆、緑大豆、じゃがいも、人参なども栽培。こちらも無農薬の有機栽培です。やや山寄りの土地柄、気候の変化には敏感で、異常気象の影響は海側の平野よりも受けやすくなります。今年は4月の中旬にかけて雨が多く、春先の田が柔らかくて畦がつけにくいなど作業も大変でした。5月末から6月頭の低温の影響を受け、田植えをぎりぎりまで遅らせるなど苦労しました。その後、7月には天候も回復して豊作型の天候になり、台風5号のフェーン現象で急に暑くなりましたが、その後は8月にかけて晴れて乾燥していましたが低温傾向が続きました。
稲は全体に田植えの時期や品種によって数日遅れから1週間以上の遅れの品種もあり、晩稲(おくて)のキヨニシキはまだ花が咲いている穂もありました。
しかし、天候不順ながらも、いもち病などの病気もなく、カメムシも目立たず、少し遅れたのを除くと、順調にすすんでいます。例年、たくさんの昆虫をみることができる里山の田んぼですが、今年は昆虫類は全体に少なめ。これは天候が影響しているようです。
近年、シカ、サル、アナグマなどによる農業被害が周辺でもみられるようになり、また、クマの目撃情報が相次いだり、イノシシがはじめてみられるようになるなど、野生動物の侵入が起きています。これまでも、キツネ、タヌキ、テン、イタチ、ウサギなどさまざまな動物が近くに住んでいます。
畑作の方は、全国的な傾向ですが、種まきなど雨が降るべきときに降らないといった、これまでの経験が役に立たない状況があります。それでも、豆類や人参など秋に向けて元気に育っています。
土橋さんの田は、田植えの株数を品種、田の状況ごとに細かく調整しています。基本的には45~65株植えの間で、モンガレ病対策としては風通しが良いように株数を減らしていきますが、分けつ数が少ない品種や田の状況で株数を増やします。農薬を使わず、病気を抑える工夫です。また、種もみの種子消毒は昨年から全量食酢を希釈して行っています。温湯消毒よりも安定しているとのことで、ばかなえ病などの対策に有効だといいます。
このほかにも、元肥の有機肥料の量を増やし、追肥の回数や量を減らすなど、健康な稲作りと作業性を考えた対策をとっています。
収穫した稲の保管、調整、精米施設も、今年、新たに拡張して、より品質の向上を図っています。
■確認会を終えて
産地確認会は、1999年夏に試行、2000年より産地を生産者、消費者とともに訪問してお互いに確認をとってきました。この間、冷夏、猛暑、台風による塩害等の被害、豊作の年など、1年として同じ年はなく、また、イネミズゾウムシの多発、カメムシ被害、これまでに見られなかった雑草の登場などもありました。
また、一般的な栽培方法の中では、水田除草剤の変遷、空中散布の有人ヘリから無人ヘリへの移り変わり、ネオニコチノイド系の浸透性殺虫剤の普及とカメムシ対策の重点化などがありました。減反政策も、新食糧法以降、いくつかの変化の中で、大豆やそばなどの栽培、加工米、新規用途米(飼料、米粉、エネルギー向け等)なども登場しています。
有機農業においても、JAS有機、有機農業推進法などの法制度等で起きた広がりの勢いは、リーマンショック以降の経済環境の変化、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故ののちに、その勢いに陰りが見えています。
一方、生産者の多くは後継者ができたり、厳しい中でも、自立的な経営を続けており、栽培技術は確実に向上しています。
とくに苗作りの面では、温湯消毒などの手法、プール育苗の手法の確立がありました。また、とろとろ層づくりや、機械除草の工夫など、初期の田んぼの抑草・除草手法も多様化し、より具体的になっています。無施肥・自然栽培についても、経験知が増えています。
そして、汎用的な技術論よりも、それぞれの技術を持ち寄り、それを生産者、田んぼ固有の条件に合わせて応用していくことが当たり前に語られるようになりました。以前は、「この方法で除草は確実」などいう情報と、それに対して、「うちではうまくいかないからあれはウソだ」といった形で情報共有と応用ができませんでしたが、有機農業では個別の技術が大切で、お互いの工夫の情報は役に立つということがようやく常識になった成果だと思います。
今年も、若い生産者が、他の産地を見て、そこでの意見交換を参考に帰っていきました。「百聞は一見にしかず」産地確認会は、生産者にとっても消費者にとっても、現実を知り、お互いを学び、新しい知恵を得るための貴重な場となっていると感じています。
第3回 新米を食べくらべるつどい
2016年12月18日(日)、目白の古民家ギャラリーゆうどにて、今年も7品種のお米を生産者と一緒に食べくらべしました。年末近くだったので、昨年よりも参加者は少なかったのですが、ネットでの告知を見て、当日「これからいいですか?」という方がいらっしゃったり、お米が好きだからと、探して来て下さったり、新しい出会いがありました。また、3回連続で楽しみに来ていただける方や、生産者と話がしたくて再訪していただいた方もいました。そのせいか、師走の喧噪を忘れ、ゆったりと談笑する時間がとれたようです。
終了後のアンケートでは、「味の優劣はつけられない」といった声や「お米が品種ごとに味の違い、特徴があることを知った」といった声をいただきました。
例年通り、アンケートでは、好きな品種を1~3まで書き込んでもらいますが、今年は7品種に票が分かれました。「どれもおいしい」というのは、作柄もよかったし、炊き方も、品種ごとにほどよく炊けたと思います。
実際にたくさんの品種を一度に食べる機会は、一般の消費者ではそうそうないものです。あらためて、食べくらべのつどいのおもしろさに気付かされました。
今回の品種は、
1 あきたこまち…黒瀬正さん作。秋田県大潟村のライスロッヂ大潟黒瀬農舎。農薬不使用の有機栽培で、カモ除草です。あきたこまちは秋田県を代表する品種で、全国でも栽培されている人気品種のひとつです。品種の特徴として水をゆっくり吸うため、少し長めに浸水することと、やや多めの水を入れることでよりおいしく炊きあがります。食べくらべでも、あきたこまちだけ他の品種よりも長く浸水し、一番多く水を入れます。
2 淡雪こまち…土橋敏郎さん作。秋田県三種町の山本開拓農場。農薬不使用の有機栽培で、紙マルチを使って草の発生を抑えています。淡雪こまちは、「こまち」の名前はついていますが、あきたこまちとはまったく異なるお米で、低アミロース米として最近登場した秋田県の品種です。見た目は、その名の通り真っ白なお米で、一見もち米のようですが、うるち米です。あきたこまちと逆に、水を吸いやすい特徴があり、米を研いだ後、30分ぐらい水に浸ければ十分です。水の量はふつうです。
3 ゆめおばこ…土橋敏郎さん作。秋田県三種町の山本開拓農場。無農薬・有機栽培(紙マルチ)こちらも秋田県の品種です。低タンパク系でふっくら炊きあがります。
4 コシヒカリ…横田正稔さん他作。新潟県加茂市の加茂有機米生産組合。有機認証米、無施肥栽培。最近、新潟では病気に強いコシヒカリBLという品種が主流ですが、こちらは元のコシヒカリです。
5 ひとめぼれ…野口吉男さん作。山形県鶴岡市の庄内協同ファーム。減農薬(除1)の有機栽培です。ひとめぼれは、山形県をはじめ、全国で栽培されている人気品種のひとつです。コシヒカリ系の品種ですが、日本の米の標準的な味わいとも言えるお米です。
6 つや姫…小野寺喜作さん作。山形県鶴岡市の庄内協同ファーム。有機認証米。つや姫は、2010年に登場した山形県一押しの新品種です。名前の通り、炊きあがりにつやがあります。
7 いのちのいち…佐藤和則さん作。山形県余目町の庄内協同ファーム。自然栽培、自然乾燥米。コシヒカリから生まれた品種。別名「龍の瞳」でも知られています。粒が大きいのが特徴です。
ゆめおばこ、コシヒカリ、ひとめぼれ、つや姫、いのちのいちは、標準的な炊き方でおいしく炊けます。
玄米は、あきたこまち、淡雪こまち、コシヒカリ、いのちのいちの4品種を食べくらべました。
炊飯は、例年同様、7品種を同じ炊飯土鍋、カセットコンロに用意し、15分火入れ、17~18分を蒸らし、それを小さく取り分けてひとつの容器に並べて食べていただきます。
味噌汁は、土橋敏郎さんが提供した土橋さんの大豆と米でつくった味噌を使い、国産大豆の豆腐、葱のもの。お惣菜として、生産者が手作りの漬物を用意、そのほか、事務局のはますかむすびがふだんおむすび用の具として使用している秋鮭(時鮭)の焼きほぐしや鶏そぼろなどが並びました。
食べくらべは、まず、生産者の黒瀬さん、土橋さん、佐藤さん、横田さんから、それぞれの米生産や品種についての紹介があり、それから玄米、白米と食べくらべます。
第一部、第二部とも各3合ずつ炊きますので、各回白米だけで2升1合のごはんが炊きあがります。2回で4升にもなります。試食分のあとは、好きなごはんを食べてもらいますが、それでも余りますので、希望者に持ち帰ってもらいました。みな喜んで持ち帰っていただいています。
今回のイベントを振り返って、生産者が「ここに希望がある」と笑顔を見せました。とてもごはんが大好きで、ごはんをおいしく食べることに真剣な若い人たちが何人も来てくれたからです。試食後、次々におかわりして、味を楽しんでいました。また、炊き方やお米の栽培方法などを生産者に聞き、後日実際に注文をした方もいると報告を生産者からいただきました。
ちゃんと、おいしい米を食べる機会があれば、おいしい米を選んでくれる人は確実にいます。
提携米の生産者の米は、どれも、個性的で、どれも、まちがいなく「おいしい」米です。ぜひ一度食べてみてください。
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、あきたこまち)
http://www.kurose.com/
山本開拓農場(秋田県三種町、あきたこまち、浅雪こまち)
http://yknojo.exblog.jp/
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫ほか)
http://shonaifarm.com/
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
http://www.okome.com/
2016年12月18日(日)
第1回 11:00~12:30
第2回 13:30~15:30
於 目白ギャラリーゆうど
新潟、山形、秋田の有機農業生産者が、
今年できたお米を持ち寄ります。
作り手と食べる人の出会いの場として、
食べに来ませんか?
炊きたてのごはんを用意して、
ご来場をお待ちします。
各回募集人数 15名(事前申し込み優先)
参加費 500円
主催 提携米研究会
お申し込みはE-mail 1218@teikeimai.net または fax 0467-27-1886まで、
お名前、人数、連絡先(メールまたは電話)、参加希望回(1回目11:00~、2回目13:30~)をお知らせください。
お問い合わせ 070-5070-9391(事務局 牧下)
http://teikeimai.net/forum
■参加予定生産者と予定品種
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、無農薬あきたこまち)
http://www.kurose.com/
山本開拓農場(秋田県三種町、無農薬ゆめおばこ、泡雪こまち)
http://yknojo.exblog.jp/
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫、いのちのいち)
http://shonaifarm.com/
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
http://www.okome.com/
■試食について
生産者のお話を聞いて、試食します。
・米は生産者ごとに異なりますが、有機米、無農薬、減農薬(除草剤1回のみ)です。
・白米全種と玄米4種を用意し、白米はその場で土鍋炊飯します。
・お茶、味噌汁程度は用意します。
・マイ箸、マイ食器、マイおかず・ふりかけ等持ち込み可能です。
・炊いたご飯等の持ち帰りはご遠慮願います。
・気に入ったお米があれば、予約注文もできます。
・米生産者のお話を聞きたい、有機農業に関心のあるという方もぜひお越しください。
会場:ギャラリーゆうど
(新宿区下落合3-20-21
JR目白駅徒歩5分・駐車場なし)
http://blog.yu-do.noor.jp/
2016年9月3日から7日まで、提携米研究会の産地確認会を行いました。毎年1回、稲の栽培期間中に生産者と消費者が一緒に田んぼを見ながら、その年の作付計画、栽培状況や周辺の環境、農業や食をめぐる動き、お互いの意見交換を行い、提携米研究会として生産者も消費者も納得できるお米を通したつきあいをするための恒例行事です。一般的には、JAS有機農産物や特別栽培農産物のように、専門の機関や検査員が申請に基づき検査を行い、栽培方法などが基準に合っているかどうかを判断する「第三者認証」が行われています。これは、信頼と公正を保つ上で必要なしくみです。提携米研究会の生産者にも、第三者認証を受けている方や認証されたほ場(田畑)があります。それはそれとして、生産者と消費者の直接交流とお互いが信頼関係で長くつきあっていく上では、直接顔を合わせて意見交換し、栽培技術や消費、食味などのことについても話し合い、相互に理解しながらすすめていくことも大切だと考えています。そこで、有機農業の「第三者認証」が社会的に検討された1990年代に、提携米研究会は「二者認証」も必要だと提起し、「提携米」という商標をとり、商標を使う生産者は二者認証に参加するという仕組みを20年近く続けています。二者認証ですから、提携米研究会の事務局だけでなく、提携米研究会に参加する消費者団体、消費者、生産者、関連する人たちも参加して行います。例年は8月の末頃を中心に行っていますが、今年は1週間ほど遅めの時期に行いました。(訪問は、加茂有機米生産組合、庄内協同ファーム、ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎、山本開拓農場です。また、しらたかノラの会の10周年行事にも参加しましたのでおまけのレポート)
レポート:提携米研究会事務局 牧下圭貴
■加茂有機米生産組合(新潟県加茂市)
2016年9月3日(土)、提携米研究会共同代表の橋本明子さん、遺伝子組み換え食品いらないキャンペーンの小野南海子さん、全国学校給食を考える会の荒木規子さん、事務局の牧下で訪問しました。
加茂有機米生産組合では、石附健一さん、横田正稔さん、大竹直人さん、浅川和夫さんと田んぼを回りました。
例年より1週間ほど遅く訪問したので、地域の田んぼは黄金に色づき、稲刈りもはじまっていました。加茂有機米生産組合は、「従来コシ」や「伝統コシ」と呼ばれるBLコシヒカリ以前のコシヒカリを栽培しています。このほか、酒米の五百万石や、もち米のこがねもちなども栽培しています。
そのBLコシヒカリは、種子の更新を行ったこと、あるいは、今年の天候や施肥状況によることか、新幹線の車窓から見る田んぼは、みごとに倒伏していました。雨が降る以前から倒れていたそうで、稲丈が高く、かつ登熟はやや遅れていて、倒れてもまだ枯れないといった状況にあるようです。
従来コシは、例年よりやや早めの登熟で、例年9月15日頃から刈り取りをはじめるのに対し、9月10日頃からは刈り取れるとみています。
今年、有機ほ場では、メイチュウやイナゴはやや多く、カメムシは目立たないとか。イネミズゾウムシは近年、田植え頃の気温が高くなったこともあってか出なくなったようです。また、今年は早い時期からアカトンボが多く飛んでいるそうで、訪問した日にもアカトンボの姿をよく見かけました。
草も今年は出やすく、畦草の出が2週間ほど早かったことから、田植え前に畦の草刈りが必要なほどでした。これまで、冬の雪があり、春先に草が生えそろうようなことはありませんでしたが、今年は春先から草が多く、草刈り回数も1、2回多く刈ったとのことでした。
地域全体としては、気温は高めに推移し、夜温はやや低めで、稲にとっては好条件でした。ただ、春先の風の向きがいつもと逆の東風で、その影響で田んぼの水の流れが変わり、稲が傷むことはあったようです。
横田さん、大竹さんが中心となって栽培している田んぼは、コシヒカリの無施肥栽培の有機、紙マルチの有機、初期除草剤を1回のみ使う特別栽培(減農薬)などです。
無施肥の田んぼは、4年、5年目となりました。生産量は昨年で6俵弱程度、草の管理が良ければ7俵程度となっています。収量は、コナギ、オモダカ、ホタルイといった田んぼの雑草の管理、抑草がうまくいくかどうかで決まるといった感じをだそうです。
無農薬栽培の紙マルチ栽培では、初期の除草作業をしなくてすむ代わりに、一般的にヒエが多く出る傾向にあります。通常の無農薬栽培では、初期の草を抑えるために、チェーン除草機を何度も引いているそうです。チェーン除草機は横田さんが手作りしており、年々、使い勝手や効果の高いチェーン除草機を開発しています。今年見せていただいたのは、横の棒を塩ビ管にして軽くし、チェーン部分に、チェーンを伸ばすためのプラヒモを短くリボンのように結びつけることで、縦の動きに横の動きを少し加え、より軽く、かつ、効果的に引けるように工夫されていました。チェーン除草は、田植え後3日から1週間以内に1回目を引きますが、1反で早いと15分ぐらいのスピードだとか。
このほか、光合成細菌を田んぼに流し込み、還元状態になりがちな田んぼの土を酸化状態にすることでヒエを抑える効果を狙っています。還元状態はコナギが増え、酸化状態はヒエが増えることから、そのバランスを考えるとのこと。
従来の草に加え、クサネムノキや、根茎で増える草などが増え、放っておくとコンバインにも影響があることから、これらの草の対策が課題です。抜いていくしかありません。
浅川和夫さんは、無農薬の紙マルチ栽培が19年目になりました。例年通りヒエは多いですが、収量は7.5俵くらいと例年安定しています。浅川さんは夏場は果樹栽培の作業があることから、このまま紙マルチ栽培を続けていくとのことです。ただ、名前の分からない根で増える草が増えており、茎が固くなると栽培に影響することからこれを抜く作業が増えています。
今年の状況としては、稲も穂が8月3、4日には出そろい、1週間ほど早くなっています。果樹も1週間は早くなっており、生育もよかったとのこと。
果樹については、冬に暖かいと根が動き水を吸ってしまい、その後の寒気で芽が枯れるようなこともあるため、冬の暖かさは困るようです。
紙マルチの資材の紙は少しずつ値段が上がっているのは、米の価格が上がらないことから悩みどころです。
そのほかの話題としては、地域内に飼料米のための集荷倉庫が建設されつつありました。多額の補助金が国から出ることから、全国でこのような動きがあるようです。ちなみに、加茂市周辺では食用米の販売先がそれぞれあることから、飼料米の栽培はほとんどなく、他の周辺地域の飼料米用ではないかと考えられます。
今年は1週間訪問が遅かったのですが、まだまだ30度を超える暑さの中で、秋を感じるさわやかな風景でした。
■庄内協同ファーム(山形県庄内地方)
2016年9月5日、庄内協同ファームで提携米研究会の個人会員3人の田んぼを回りました。今回は、ネットワーク農縁の消費者側世話人の飯島定幸さんがネットワーク農縁(山形県新庄)の代表・高橋保廣さんら3人の生産者とともに参加、生産者同士の交流もできました。提携米研究会からは、橋本さん、小野さん、牧下です。
小野寺紀允さんは、庄内協同ファーム代表の小野寺喜作さんの長男で、農家民宿「母家」・レストラン「菜ぁ」の経営と米生産を担当しています(鶴岡市)。もうひとつの主力の枝豆は弟の貴紀さんが担当しています。
小野寺さんの米は、すべてJAS有機認証です。品種は、ひとめぼれ、コシヒカリ、つや姫、もち米のでわのもちです。栽培方法は、紙マルチと機械除草が中心です。昨年まではアイガモ除草をやっていましたが、カラス、トンビ、動物(キツネ等)による被害が大きいため、電柵を張る、テグスを張るなどの手間がかかるようになり、それでも被害が止らないことから、今年は中止しました。
代わりに、とろとろ層をつくり抑草するための米ぬかぼかしを導入。熊本で行われている米ぬかと竹粉によるぼかし抑草技術を参考に、だだちゃ豆の豆がらを1年かけ堆肥化したものと、米ぬかを材料にぼかしをつくり、荒代かき後、散布し、代かきして田植えをします。それにより、田をわかせて発芽を抑えています。今年は、状況を検証するためにやや遅めに乗用除草機で3回作業したとのことです。そのため、機械除草としては遅れ、ほ場では、コナギが多く、ヒエは少なめとのこと。しかし、米ぬかぼかし除草と初期機械除草の組み合わせの効果には期待できそうだとのことです。ぼかしの種類は発酵・分解のバランスなどに今後工夫をしていくそうです。
アイガモ農法のときは、イネミズゾウムシの心配がありませんでしたが、今年はイネミズゾウムシの被害が少々でていました。食用廃油を点滴して抑制したとのことです。
紙マルチは、田植機を共同で利用しており、田植えには通常の3倍ほどの時間がかかります。レストラン等の仕事と農作業の作業バランスを考えると、できれば紙マルチを増やしたいとも思いますが、作業性なども考えると現状が限界かとのこと。
今年の気候は、雨が適度に降り、天候は平年並みで、全体には気温が高め。種まきは元々遅めですが、さらに5日ほど遅らせたそうです。田植えも5月20日から25日です。ゴールデンウィーク前後は、レストランが忙しいことが第一の理由ですが、近年気温が高いことから、遅めでも生育には問題ないようです。
ひとめぼれは例年より早く、9月15日頃からの刈り取りを予定しています。その後、もち米のでわのもち、コシヒカリ、つや姫の順になります。
作付体系としては、枝豆があることから、枝豆と米の田畑転換を状況を見ながら行っています。豆の後の田んぼは無施肥でも十分に生育がよいとのことです。
周辺の防除については、無人ヘリ防除が増えていて、飛散防止のために立ち会うことが多くなり、地域のヘリ防除の増加が懸念されます。
ネットワーク農縁の生産者とは紙マルチを中心に話が盛り上がっていました。
次に向かったのは、野口吉男さん(鶴岡市羽黒町)の田んぼです。庄内協同ファームの中で標準的な稲姿を作り続けています。除草剤1回で、毎年まったくヒエなどもなく、きれいに田面が揃っています。今年は出穂後はくもりがちですが、8月になると晴れが続き、夜温は低く、好条件でした。田植えは5月15日で例年通り。穂揃いは、8月6日頃で2日ぐらい遅め。収穫はやや早めですが近年と同じ9月15日頃からを予定しています。
カメムシ対策として例年8月1日から26日までは地域全体で草刈りをしないようにしています。数年以上経ちますが、「一定の効果は感じられる」とのこと。
無人航空防除については、地域の中ではあまり増えておらず、それは高齢でも自分でやっている人が多いからではないかとのことです。
イナゴは普通にいますが、カメムシは平地ではほとんどいないようでした。
最後に佐藤和則さん(庄内町余目)のほ場に行きました。栽培品種は、コシヒカリ、ササニシキといのちの壱が中心です。今年は田植えの時期に機械除草機が2台一度に盗難されたため、初期除草が遅れました。新たに機械を導入し、自分で改造をしてから田んぼに入り3から4回は入りましたが、結果的にコナギ、オモダカとヒエが多くなりました。いのちの壱は、元肥なしで追肥のみ、背が高く、収穫は10月半ば過ぎになりそうです。
無施肥のササニシキ、コシヒカリは5年以上になりました。生育は安定していますが、今年はホタルイが多めです。
無施肥の田んぼでは、JAS有機の緩衝帯をつくる目的で畦と田の一部をけずりビオトープにしています。今は、メダカ、ドジョウ、ハヤ、ザリガニ、ガムシ、フナ、コイ、タニシ、カワニナなどがいます。ふくしま庄内浜ツアーでの生きもの調査や地域の子どもの環境学習の場ともなっています。子どもたちが大好きな場所です。この田んぼは、白鳥とカモのねぐら兼えさ場となってしまい、田んぼに穴を開けるなどの被害もあります。
この地域でも、夏場は1カ月畦の草刈りを共同で中止し、カメムシ対策をしていますが、一方で、周辺では、無人ヘリ防除が増えており、そのせいなのか、全体にイナゴをはじめ、ホタルの姿も減り、影響があるのではないかと考えられます。
■ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村)
2016年9月6日、台風だった低気圧が通り過ぎる影響で、時折雨や強い風が吹いている中、生産者10数名とともに4人の生産者の田んぼを回りました。消費者側は、橋本さん、小野さん、清水さん、牧下です。
秋田県大潟村は、今年は全般に天候が良く、気温は高めでしたが、例年になく雨が少なめで、いつもは乾燥に苦労する大潟村の田んぼの土が乾きやすくなってしまいました。大潟村の主力はあきたこまちですが、どこも稲のそろいが良く、病虫害もみられない、稲にとっては上々の天候となっています。天候のせいなのか、イナゴの姿はほとんど見られず、カメムシやドロオイムシなどの昆虫類も例年になく少なかったとのこと。いもち、もんがれなどの病気もほとんど出ていません。
最初の田んぼは、高野健吉さんのJAS有機田んぼです。84歳でグループ最長老の高野さんは、農作業をするのはむつかしいですが、手伝ってくれる人に指示をしながら、あきたこまち、ササニシキ、大豆などを栽培しています。ササニシキは肥料をまったく入れない無施肥栽培を続けており、高野さんによると、養分は八郎潟の水だけで十分足りているとのことです。肥料を入れなくても、ササニシキの稲の姿は大きく、昨年は10俵とれたとのことで、他の生産者の驚きをかっていました。
あきたこまちは、背丈は例年より低めですが、茎数、穂の実のつきかたなどは充実していて、昨年の10俵と同じくらいはとれそうな勢いです。
除草は、大豆くずを入れて田んぼをわかし抑草するのと機械除草を繰り返すことで抑えており、最後のひえぬきの人手はいつもより少なく済んだとのこと。
あきたこまち、ササニシキとも、田んぼの姿は美しく、高野さんもうれしそうです。
稲刈りは、平年並みであきたこまちが10月上旬、ササニシキが10月10日頃からを予定しています。
次の田んぼは、昨年に続き桜木義忠さんの田んぼです。大潟村は、入植地であり、最初に割り当てられた面積はみな15ヘクタールです。同じように干拓された土地でも、場所により砂地で水はけが良かったり、水はけが悪い土地があります。そのこともあり、おおむね2カ所に田んぼが配分されています。昨年も訪れた桜木さんの田んぼは、砂地で水はけが良く、他の田んぼよりも早く稲刈りができます。今年も5月21日に田植えをして、9月25日には稲刈りに入れそうだとのこと。桜木さんは、無農薬栽培と、除草剤1回の減農薬栽培を続けており、収量は9俵弱で、無理に多収穫を求めず、安定して栽培するように心がけています。無農薬栽培の除草は、機械除草3回と人手によるひえぬきです。
桜木さんは、田んぼの面積を増やしています。種まき後の育苗は、薬剤などを使わず、健康な苗を育てるため、プール育苗をしていますが、そのためのハウスを新たに準備中でした。すべての面積をプール育苗で行い、なおかつ、薬剤を使わない育苗のため、万一を考え予備の苗を育てますので、その量は膨大です。田んぼの近くに育苗場を用意し、種まきを作業小屋で行うため、もう一棟、隣に作業小屋も建てました。昨年の秋から冬になる前の1カ月半、桜木さんひとりで立ち上げたそうです。
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎の生産者は、栽培関係の技術の共有に関心が高く、栽培技術、資材だけでなく、機械の改造などもそれぞれの生産者が自分で行っていますが、作業小屋の作り方についても、桜木さんを囲んで意見交換が白熱。耐久性、使い勝手、作業手法など幅広く話が広がります。このあたりも、産地確認会の醍醐味です。
生産者同士の会話では、気温が高くなっていると有機肥料の効果が早く切れることから、追肥をしない桜木さんとしては、有機肥料の種類などを考えているとのことです。
鈴木隆二さんの田んぼは、2012年以来4年ぶりに訪問しました。今年から、後継者として鈴木隆司さんが田んぼの作業に参加しています。鈴木さんも、桜木さん同様に機械いじりや改造、自作をていねいにしています。鈴木さんの作業小屋には、常に工具がきちんと並べられており、几帳面さをうかがえます。昭和46年導入のフォード製大型トラクターは管理がしっかりしてあり、いまも立派な現役です。エンジンをかけていただきましたが、1発できれいにかかり、今は草刈りを中心に活躍しています。
田んぼは、JAS有機のあきたこまちと、除草剤1回の減農薬栽培です。鈴木さんの田んぼの特徴は、暗きょの多さ。毎年、収穫した米のもみがらをすべて使って暗きょ排水を増やします。暗きょは、田んぼにもみがらを埋めて田んぼの畦の両端にフタ(栓)をつけ、水が必要な時は閉じておき、水を切るときには、栓を開けてもみがらを通して水が抜けるようにします。大潟村の田んぼはどこも基本的に水切れが悪く、収穫期にコンバインが入りにくく、作業性も悪いことから、排水など水管理が難しい土地です。もみがらを使った暗きょは、5、6年で効果が薄れてくるため鈴木さんは暗きょを増やしていますが、今年は雨が少ないことから、栓を閉めています。
除草は田植え後1カ月程度のうちに除草機を3回手押しで入り、あとはひえぬきです。田んぼの畦の草は生育が早く、6回ぐらいは草刈りを繰り返したとのことです。昨年の収量は8俵強で、これまでも9俵にはなったことがないそうですが、今年はもしかすると収量が多くなるかも知れません。
午後、一雨後だったせいか、田んぼにはツバメがたくさん集まって、飛び立った羽虫を食べていました。大潟村は干拓後半世紀になり、生態系が複雑になり、生物多様性が高まりました。この20年でも野鳥が増えていることを実感します。
最後は、黒瀬正さん、友基さんの田んぼです。除草剤1回の減農薬栽培でキヌノハダ(もち米)、無農薬のあきたこまちで、無農薬栽培は、アイガモ除草を導入して4年目になります。5月29日から31日の間に田植えし、6月6日にアイガモを入れて7月10日まで入れていました。アイガモとは別に、手押し除草機の開発のために、何度も田んぼに入っています。手押し除草機は、チェーン除草や竹ホウキ除草のアイディアを元に、エンジンをつけたり、エンジンをはずして軽くしてポリタンクをつかって田面に浮かせ、軽く押せるように工夫するなどして徐々に完成させ、来年には本格的に活用するとのことです。これらの除草は、田植え後すぐにヒエやコナギなどの種が発芽するタイミングで土をかきまぜ、芽を浮かせたり、土をにごらせて生育をおさえることを目的にしています。
黒瀬さんによると、アイガモはこれまでの除草技術のどれよりも効果が高いですが、動物なので毎日朝夕の見回り、管理、逃げたときの捕獲などが大変であり、それに代わる除草技術の開発も続けるそうです。
左、機械談義中 中、田んぼの中まで確認中 右、長年立っている看板。
確認会参加者一同
■山本開拓農場(秋田県三種町)
2016年9月7日、今回の確認会の最後は、秋田県三種町の山本開拓農場、土橋敏郎さん、敏拓さんの田んぼです。橋本さん、小野さん、清水さん、牧下で訪問しました。
「異常気象」や「これまでこんな気象はなかった」という昨今ですが、今年は、例年になく夏暑く、雨が少ない年となりました。土橋さんは、あきたこまち、キヨニシキ、あわゆきこまち、ゆめおばこ、きぬのはだ(もち米)を栽培し、大豆、黒豆、小豆や、ジャガイモ、人参などの野菜類も栽培しています。土橋さんの田んぼは、規模を拡張し周辺にありますが、一番近いのは家の裏の田畑です。高台で地下水や井戸を堀り、冷たい水を使って栽培しています。栽培は、紙マルチによる無農薬栽培と除草剤1回の減農薬栽培です。無農薬栽培はひえぬきをしていますが、今年は少なめだとのこと。他の産地同様に、きれいな田面が広がり、病虫害も少なく、美しい田んぼの風景となっています。
今年は、種まきの時に食酢を使って殺菌効果を試しました。結果としては、田植えの最後の方には一部ばかなえ病が出ましたが、おおむね順調に苗作りがいったとのことです。
また、今年は暑く、雨が少なかったこともあり、追肥をせず、資材も減らして肥料が過剰にならないよう注意して育てています。それもあり、健康な稲ができています。稲の背丈は他の産地ほどではないですがやや低めで、雨が少なく、晴天で気温が高めだったために大きく伸びず、早くに稲穂がついたためだろうと考えています。
他の地域ではあまり見られなかったイナゴが飛んでいるのを見ることができました。ただ昆虫類は総じて例年とは違う傾向があり、いつもはもっと早いコブノメイガやアゲハチョウが今になって増えてくるなどが目に付くそうです。花が終わった時期だとこれらの昆虫は食性が季節と合わないために生きられなくなります。
高台でほぼ独立した土橋さんの田んぼでは、アカガエル、キジ、カラス、カモ、スズメなどが田んぼとその周辺で暮らしていますが、カラスは稲穂を穂首のところでつまみ、畦に置いて粒を食べます。スズメや穂先を食べ、カモは稲穂をしごきだして食べるそうです。
畦の草はなんども刈り取りされており、山の棚田にあるような様々な野草が自生して美しいあぜ道となっていました。また、暗きょ排水の排水路を田んぼの周囲に堀り、それを小さなビオトープにもしていました。カエルなどが水の切れた田んぼの避難所として使っているのを見つけ、「里山の生物多様性」の豊かさを感じた次第です。
大豆や小豆なども順調で、このまま刈り取りまでおだやかな気候が続くのを願うばかりです。
■しらたかノラの会10周年行事
2016年9月3日、4日、山形県白鷹町のしらたかノラの会が10周年を迎え、記念行事が開催されました。会場となったパレス松風には70人以上の人が全国から集まり、パネルディスカッション「食と農と地域の未来~自給と循環を紡ぐ」が行われ、二本松有機農業研究会(福島県)の大内督さん、置賜自給圏推進機構の佐藤由美子さん(米沢で生活クラブ生協の理事長、元学校給食調理員)、NPO法人APLA/あぷらの野川未央さん、しらたかノラの会の大内文雄さんが、それぞれの取組み、自給と循環について語りました。
このほか、農業と自然エネルギーの循環のあり方の報告などもあり、提携米研究会からは牧下が、農政、飼料米政策、TPP、遺伝子組み換え、食品表示、食育と地場産学校給食などについて短く話をさせていただきました。
懇親会では、これまでのしらたかノラの会の歩みが報告され、参加者が所属別に壇上で一言ずつ挨拶。その中では、亡くなった加藤秀一さんとの思い出や、加藤さんの取組み、思いが数多く語られ、その存在の大きさを感じる機会ともなりました。
提携米研究会関係では、庄内協同ファームの小野寺喜作さん、菅原孝明さん、大地を守る会の野田克己さん、やまゆり生協の加藤慎吾さんの姿もありました。
翌日は、加藤美恵さんの案内で、秀一さんの墓参をしています。提携米関係者であらかじめ話をしていたのですが、当日になると、ゆかりのある多くの人たちが参加しての墓参となりました。
しらたかノラの会が、人の縁を広げ、新しい農業の自立や自給、循環のあり方に、自らの生産や取組みを通して具体化していくのだと思います。
元気をお互いに分け与える集会でした。
最後に行われた、山形県長井市を中心に活動するフォークソンググループ影法師のミニコンサートは、市民の方々も集まり、農家や地域の暮らし、思いがこもった歌を聞くことができました。影法師は2011年「花は咲けども」のリリースで知られるグループで、youtubeなどで、いろんなミュージシャンが「花は咲けども」を歌っています。
(まとめ)
東北日本海側は、総じて暑い夏ながらも、猛暑日は少なく、雨は少なめですが干ばつというほどではない、稲にとっては最高の状態で推移したようです。
全般に稲の丈は低めですが、健康そうで、葉も明るく、稲穂も充実していて、素人目には収量も味も期待できると思っています。ただ、例年、最後まで気が抜けない状況です。このまま台風などの被害がないことを願っています。
確認会の前後、台風が何度も東北太平洋側から北海道を襲いました。また、春の熊本地震などもあり、全国で農業被害も大きくあります。
「年が明けると、毎年、今年も何かあるのではないかと不安になる」というぐらい、異常気象、気象の変化が激しく、先が読めない年が続くようになりました。
何が原因であれ、気候変動が起きていることは間違いなく、その影響は年々大きくなります。それは、自然界の植物、動物、菌類の世界に確実に変化をもたらしつつあり、農業や食の様々な分野にも影響してきます。米の栽培方法、肥料の入れ方、草や水の管理など、これまでの技術や常識が通用しなくなる中で、これまでと変わらないように農業を続けることはとても難しいことですが、それに取り組む生産者は、前向きに未来を見ています。
農政や国際政治などを見れば、家族経営の小規模農業を壊し、自立経営を否定するような勢いですが、それぞれの土地で、土地の状況に応じて工夫する農業は、経済性だけでなく、生き方としての選択でなければ続けることは難しい生業です。自立する農家と、その生き方や栽培、作物を求める消費者とのつながり、提携の必要性が高まっています。
「来年もやって欲しい」~参加者
昨年初めて開催した、提携米生産者によるお米の食べくらべ会を、今年も開催しました。昨年と違い、今年は2部制にして、参加者をそれぞれ募り、できるだけ多くの方に参加していただけるよう工夫してみました。皆さんのご協力により、両回ともほぼ定員いっぱいとなり、有料参加者25名、招待2名、生産者・事務局8名の35名で、今年の新米を食べくらべました。内容等についてくわしくレポートします(事務局・牧下圭貴)
2015年12月6日(日)、目白の古民家ギャラリー「ゆうど」をお借りして開催しました。昨年も同じ会場で開いています。
ゆうどを続けて使った理由は、まず、古民家ギャラリーで雰囲気がいいこと、都心で交通の便がいいことがあります。そして、「水」が都心なのに井戸水、しかも、山梨の方からゆっくり入ってくる地下水が湧き出すところであり、その魅力もありました。会場としては、参加者、主催者合わせて25人が限界で、せまいのですが、その分、親しみをつくることはできます。
当日、生産者は、黒瀬正さん(秋田県大潟村、黒瀬農舎)が地域内のご不幸のために急きょ欠席となり、土橋敏郎さん(秋田県三種町、山本開拓農場)、佐藤和則さん(山形県庄内町、庄内協同ファーム)、横田正稔さん、飛鳥さん(新潟県加茂市、加茂有機米生産組合)が参加しました。
参加者は、生産者・事務局の知り合い、生産者や提携米研究会のfacebookつながりが多かったようです。
食べくらべは、玄米4種類、白米7種類を炊きます。昨年同様、提携米として、黒瀬農舎(黒瀬)、山本開拓農場(土橋)、庄内協同ファーム(個人生産者3名、小野寺、野口、佐藤)、加茂有機米生産組合(横田)から、玄米を1種類ずつ、白米はうるち米を多品種つくっている山本開拓農場から2、庄内の3名からは各1品種出していただくことにしました。
今年は、玄米が、あきたこまち(黒瀬)、泡雪こまち(土橋)、山形95号(佐藤)、コシヒカリ(横田)、白米が、あきたこまち(黒瀬・無農薬、土橋・無農薬)、泡雪こまち(土橋・無農薬)、つや姫(小野寺・JAS有機)、ひとめぼれ(野口・減農薬)、山形95号(佐藤・無農薬、無施肥)、コシヒカリ(横田・JAS有機)です。
玄米の炊飯は、それぞれ指定の浸水時間をとった上で、圧力鍋にて蒸し炊きをして、それを小分けしてラップにくるんだものです。出すときに電子レンジにかけて温めて食べてもらいました。
白米は、昨年同様7つの炊飯土鍋とガスコンロを用意し、同時に炊きあがるように炊飯しています。浸水は品種ごとに違いますが、研いだ後に水あげしておき、30~1時間浸水させます。そして、洗い米と水を加えて炊飯土鍋で15分火にかけ、20分蒸らします。
昨年、炊飯時の浸水等で、当日の炊きムラが大きかったため、あらかじめ送っていただいた米と、生産者からの標準的な炊き方を参考に本番同様の同時炊飯のテストを2回行いました。それでも、当日は、気温や水質の違いなどもあって、やはり思ったようには炊きあがりませんでしたが、昨年よりは揃って炊きあげることができたと思います。
昨年、イベント開催にあたり、7つの炊飯器では電源が足りなくなると考え、私自身が日常的に土鍋炊飯をしていることもあって、土鍋炊飯+カセットコンロの組み合わせを選択しました。予算的に、比較的安くて普及している土鍋を用意しましたが、日常使っている土鍋よりはいくつかの欠点があります。鍋の厚さが薄い、吹きこぼれ防止の返しがついていない、中蓋のような工夫がないことです。その分だけ、「軽い」という利点はあります。
この違いは、火加減も変えます。土鍋が厚いと、最初の温度上昇が遅いため、やや強火で火をかけても、中はゆっくりと立ち上がり、その後一気に沸騰したら、その状態が自然に続きます。そのため、やや強火15分、火を止めて20~30分の蒸らしでほぼほぼよい炊きあがりになります。
土鍋ではなく、普通の鍋での炊飯では、やや強火、沸騰したらそのまま15分ほど弱火、止めて20分蒸らしということが紹介されていますが、薄い土鍋の場合は、やや強火15分を前提にしながら、早めに吹いたら、火を弱めて、時間をやや長めにするといった炊き方がよさそうです。
炊飯担当としての感想として、1週間で約1斗(10升)のお米を炊きましたが、炊けば炊くほど、米は奥が深いとあらためて思い知らされた次第です。
一番は、品種ごとの浸水時間や水加減の難しさです。同じ品種でも、生産者や栽培方法、土地が違うと変わってきます。あきたこまちは、吸水が遅いので、たとえば夜にお米をといで、炊飯器にかけておいて翌朝炊きあがる、というのに向いていますが、泡雪こまちは、30分以上水につけておくと、水を吸いすぎてしまいます。軽く水につけたら、すぐに炊飯するというように、早炊きには向いたお米のようです。黒瀬農舎のあきたこまちと、山本開拓農場のあきたこまちでも、栽培条件、乾燥、精米の違いなどで炊き方や味の違いを感じました。
さらに水質も炊きあがりに変化をもたらします。ギャラリーゆうどの水は、飲用可能な井戸水。長い年月をかけて地下にたどり着いた水です。いわばナチュラルミネラルウォーター。飲んでもはっきりとおいしい水です。この水を使うと、事前に使った湘南の水道水(浄水器使用)とは違う感じの炊きあがり方になります。水温の違いもありますが、水質も影響しています。そんな微妙な違いは、味、香りの違いとしてはっきり感じられます。
食べくらべですが、玄米は色つきのシールで区別して4種類を食べていただきました。また、参加者にプレゼントした古代米(アサムラサキ)を同じ大潟村のあきたこまちと混ぜて炊いたものも添えました。白米は、紙製のランチボックスに軽くおにぎり型に型抜きしたものを順番に並べて食べてもらうことに。
合わせて、山本開拓農場の大豆、米で仕込んだ味噌でこしらえた葱と豆腐の味噌汁、手作りの漬物、共同代表の橋本さんが用意したしその実漬けや、ピーマンの煮付けなど、様々な、ごはんを食べるおかずも用意しました。
試食後は、テーブルごとに生産者との会話、第1部は参加者ひとりから感想を話していただき、30分時間の長い第2部では数名の参加者の方から感想や意見を言っていただきました。
生産者にとっても、参加する消費者にとっても、違う産地の違う品種を一度に複数食べくらべる機会はなかなかありません。
参加者アンケートからは、また参加したい、楽しかった、勉強になったなど好意的な意見を多く寄せられました。翌日の反省会では、もっとゆっくり話ができるといいとか、回数を増やしたら、といった、前向きの意見もいただいています。
事務局の体力の問題はありますが、来年度も引き続きやっていきたいと思います。実は提携米として扱ってはいませんが、会員の生産者もいるので、あと数産地分も一緒にできるといいですね。
生産者からは、もう少し手伝いの人数を増やして、ゆっくり消費者と話ができるようにしたい、直接その場で販売受付ができるような資料や申込用紙のようなものがあってもよい、という意見もいただいています。
炊きたてのごはんは、香りが豊かですが、少し冷めてからのごはんは甘みやうま味が口に広がります。どのタイミングで食べるのか、お米の味や食べ方には奥行きがあります。方法を考えながら、たくさんの人に、お米のおいしさを味わっていただけるようにしたいものです。
■感想より
米を気に入った理由
・うまみ、粘り
・食感、うまみ
・甘み、うまみ
・甘みよりうまみ
・香りと甘み
・うまみと香りのバランス
・香り、甘み、うまみ
・あまり粘りがなく、パンチがある
・味、食べやすさ、香り
・食べ慣れた品種
ふだんの購入先
・実家や生産者
・産直
・実家や流通団体
・米穀店
・スーパー
・自分でも栽培、産直
お米を買う際に気にしていること
・栽培方法
・無農薬
・味、安全性、生産者の米づくりの姿勢
・産地、栽培方法
・天日干し、農薬、知っている生産者
・品種、味
・味、産地、栽培法、生産者
・味、農薬、放射能
・品種、産地
・価格、農薬、放射能
・産地、品種、味、価格
・産地、農薬
・産地、品種、価格
試食会について
・順番を決めるのは難しい。
・全体に水分が多かったように思う
・家では玄米食
・味噌汁、漬物等が手作りでおいしかった
・納豆ご飯、卵かけご飯で食べてみたい
・また行って欲しい
・産地の映像なども見たい、話ももっと聞きたい
・人数が少しなのはもったいないが、ゆったりしているのは良い。
・もっと多くの人に企画を知って欲しい
・いつもと違いいろいろ試せてよい機会に。
・お米の炊き方など勉強になりました。
・お米の特色についてもっと知りたい
・なごやかに試食と交流ができて楽しい
・ゆったりとした素敵な空間
・安価でいろんなお米が食べくらべられて貴重な会
・生産者と消費者が話ができるこのようなイベントは続けて欲しい
今回のお米を入手したいときは、以下へお問い合わせいただくか、提携米研究会事務局へお問い合わせください。事務局から、希望の生産者を紹介します。
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、あきたこまち)
http://www.kurose.com/
山本開拓農場(秋田県三種町、あきたこまち、浅雪こまち)
http://yknojo.exblog.jp/
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫ほか)
http://shonaifarm.com/
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
http://www.okome.com/
新潟、山形、秋田の有機農業生産者が、
今年できたお米を持ち寄ります。
作り手と食べる人の出会いの場として、
食べに来ませんか?
炊きたてのごはんを用意して、
ご来場をお待ちします。
各回募集人数 15名(事前申し込み優先)
参加費 500円
主催 提携米研究会
お申し込みはE-mail 1206@teikeimai.net または fax 0467-27-1886まで、
お名前、人数、連絡先(メールまたは電話)、参加会(2回目13:30~)をお知らせください。
お問い合わせ 070-5070-9391(事務局 牧下)
■参加予定生産者と予定品種
ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村、あきたこまち)
http://www.kurose.com/
山本開拓農場(秋田県三種町、あきたこまち、浅雪こまち)
http://yknojo.exblog.jp/
庄内協同ファーム(山形県鶴岡市・庄内町、ひとめぼれ、つや姫ほか)
http://shonaifarm.com/
加茂有機米生産組合(新潟県加茂市、コシヒカリ)
http://www.okome.com/
■試食について
生産者のお話を聞いて、試食します。
・米は生産者ごとに異なりますが、有機米、無農薬、減農薬(除草剤1回のみ)です。
一部、自然栽培もあります。
・使用する水と米は放射性物質測定済みで、検査結果を表示します。
・白米全種と玄米4種を用意します。
・お茶、味噌汁、漬物等を用意します。
・マイ箸、マイ食器、マイおかず・ふりかけ等持ち込み可能です。
・炊いたご飯等の持ち帰りはご遠慮願います。
・気に入ったお米があれば、予約注文もできます。
・米生産者のお話を聞きたい、有機農業に関心のあるという方も
ぜひお越しください。
参加者には、大潟村の自然栽培「古代米(黒米)」をプレゼントします。
会場:ギャラリーゆうど
(新宿区下落合3-20-21
JR目白駅徒歩5分・駐車場なし)
http://blog.yu-do.noor.jp/
チラシ(フライヤー)PDFファイル828KB
http://teikeimai.net/forum/media/2015flyer1.pdf