農水省ホームページの情報リンクまとめ~09年3月10日

■大豆加工食品に関する意識・意向調査結果について(2月24日)
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/joho/090224.html
豆腐、納豆、味噌、醤油についての消費者モニターへの意向調査。消費者モニターなので、ある程度食へのこだわりがある層である。
国産品については、3割以上が「国産品のみを使用」と回答。大半が国産品という回答と合わせれば、70~60%が国産志向である。また、国産品を選ぶ理由に対しては安全性が7割以上を占め、それに「味」「自給率」が続いている。


■「新たな食料情勢に応じた国際的枠組みについて-中間取りまとめ-」について(2月27日)
http://www.maff.go.jp/j/press/kokusai/kokkyo/090227.html
「将来にわたり我が国の、そして世界全体の食料安全保障を確保していくためには、農産物の投資・貿易に関して、世界の農産物生産を促進する枠組みに転換していくことが必要であり、その在り方について検討するため、平成20年11月から「新たな食料情勢に応じた国際的枠組み検討会」を開催し、有識者から御意見をいただきながら検討を進めてきました。
今般、今後取り組むべき政策の方向性についての現時点での農林水産省としての考え方を中間取りまとめとして整理しましたので、別添のとおり公表します。」
とのことである。WTO交渉の場ではなく、FAOでの場を重視し、EPA・FTAを推進しながら、海外農業投資や開発を進めて自由貿易の枠の中で、輸出国の制限を行わせず、食料輸入の安定をはかりたいという方向性を示している。


■中学校教師用解説書(社会科、家庭科、総合)(3月3日)
http://www.maff.go.jp/j/grv2433/index.html
農水省は、中学校向けのDVD映像資料「食料の未来を確かなものにするために」の発行に合わせ、「食料の未来とわたしたちの"いま"」中学校教師用解説書を作成した。
DVD映像は以下から見ることができる
http://www.maff.go.jp/j/grv2421/index.html
農水省が、中学生に何を教えたいか、内容の評価も含めて確認していただきたい。


■平成21年農業技術の基本指針について(3月6日)
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo03/090306.html

「平成21年農業技術の基本指針について」(全文PDF)
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/gichou/gijutusidou/files/00_zenbun.pdf

通知のポイントをみてみると、
1.食料供給力の強化
麦、大豆、飼料作物、米粉・飼料用米の需要に応じた生産拡大等により、水田等を有効活用。
青刈りとうもろこしや稲発酵粗飼料の生産の促進に加え、耕作放棄地における放牧、食品残さを飼料化したエコフィードの活用等により、飼料自給率を向上。
増加傾向にある耕作放棄地の解消に向けた営農再開や保全管理を推進。

2.農業生産工程管理手法(GAP)の導入の推進
農産物の安全確保のみならず、環境保全、農産物の品質の向上、労働安全の確保等に有効な農業生産工程管理(GAP)の普及を促進。

3.食品安全の確保等
工程管理、有害物質等のリスク管理、農薬・肥料等の適正な使用・管理により、農産物の安全を確保。
生産段階における衛生管理の充実・強化、飼料・飼料添加物・動物用医薬品の適正な使用・管理の徹底等により、畜産物の安全を確保。

4.担い手を中心とした国内農業の体質強化
担い手の生産コストの低減や農畜産物の高付加価値化等に資する新技術・新品種の導入・普及、農業生産資材費の低減に向けた取組等を推進。
我が国の農畜産物等の特長を活かした輸出促進のため、輸出先国の衛生基準等への対応の徹底、品質面や安全面での他国産との差別化を図る取組を推進。
植物新品種の育成者権、家畜の遺伝資源、農業現場の技術など知的財産の保護・活用を推進。
野生鳥獣による被害防止マニュアル(実践編)等を活用した鳥獣被害防止対策を推進。

5.資源・環境対策の推進
化学肥料・化学合成農薬の使用を地域の慣行から原則5割以上低減する等の先進的な取組の面的拡大を推進。
技術体系の確立、指導体制の整備等により、有機農業を推進。
食料生産過程の副産物や規格外農産物等の安価な原料の活用等により、バイオ燃料の本格的導入に向けた取組を推進。
原油・肥料・飼料高騰へ対応するため、省エネルギー対策、施肥低減対策、国産飼料の生産・利用を推進。
地球温暖化防止のための省CO2効果の表示、バイオマス利活用を推進。
農業分野における生物多様性の保全のための取組を推進。

とある。
また、本文の最初の項目は
「水田等の有効活用
国内における食料供給力を強化するためには、我が国の気候風土に適した優れた生産装置である水田を維持し、有効に活用することが重要である。このため、国内の主食用米の需要が低迷していることも踏まえ、新規転作田、調整水田等における米粉・飼料用米、麦、大豆、飼料作物等の需要に応じた生産拡大、さらには二毛作の導入等を推進する。」
として、水田作について、「現在約4割の水田で生産調整が必要な状況にある」なかで、担い手、集落営農による低コスト生産、主食用以外の米類の低コスト生産、麦、大豆などへの転作についての技術対応を行うとしている。
この基本指針もまた「生産調整」「担い手・集落営農」を前提にした米政策が中心になっている。IPMやトレーサビリティなど、食の安全、環境配慮、あるいは、高温障害対策などについても書かれているが、米政策の流れで語られている基本指針である。