食品の表示に関する共同会議

食品の表示に関する共同会議は厚労省と農水省の共同会議であり、第7回が平成20年3月27日に開催された。今回は、遺伝子組み換え食品、JAS品質基準の適用拡大、アレルギーの特定品目、加工デンプン、さらに、米の産地品種銘柄の設定見直しである。資料には、生活安全プロジェクトとして、食品表示(期限表示を含む)についての説明資料が添えられている。
資料と議事録が公開されている。
資料(議事)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/s0327-12.html
議事概要
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0327-13a.pdf

議事にもあるが、消費者の選択としての表示と、安全性の担保としての表示が混乱している状況を強く感じる。

米に関して言えば、規格検査である農産物検査で銘柄を検査証明しているが都道府県ごとに指定された品種が違うため、少数の品種を生産しても、その品種と認められないという「不思議」が起きていた。そこで、少数の品種でも検査が可能(義務ではない)になるように制度を変えるというものであり、従来の農産物検査に表示のための検査も集約していこうという方向性が出ている。この共同会議では、農産物検査以外の方法についても検討していたが、これを止めるとしている。品種の特定とは、生産者にとって高く売るあるいは、品種を分けることで被害を減らすということと関係する。消費者(あるいは実需者)にとっては、品種は食味や用途であったり、小売り販売のための差別化としてとらえられる。
食の安全性に直結した検査という視点から考えれば、今の規格である1等、2等、3等の規格は、カメムシによる黒点被害に対して過重なものとなっており、それが殺虫剤の多投を促している。この部分を解決せずに、表示だけをいくらいじっても、日本の稲作は環境保全型にならず、生物多様性も語れない。
食品の表示は、1:安全性の担保 2:消費者の選択 3:製品品質の保証といった観点から整理し、生産から消費までをゆがめることのないようにまとめていく必要がある。