08年3月25日農水省の「海外食料需給レポート2007」が発表されている。毎年公開されているが、いつも震撼させられている。
さすがに今年は、小麦不足や食料高騰、世界での米不足による暴動などが報じられているので、関心は高いと思うが、あまり知られていないのではなかろうか?
本レポートが明らかにしているのは、ここ数年の傾向だが、小麦、とうもろこし、大豆という主要穀物に加え、国際商品作物としての貿易量がそもそも少なく自給作物的側面の強い米についても生産量は増えていても需要の方が旺盛になり、しかも、生産は気候変動などの不安定要素が増えてしまい、期末在庫が極端に減少、その結果、国際価格が高騰。それでも、「口は増えている」ことから、価格が下がる要因がない。需要が増えている理由は、人口増加に加えて、中国やインドといった人口大国の経済力が高くなり、当然のことであるが畜産への需要が増え、そのための飼料需要が旺盛にこともある。それに、アメリカやブラジルのバイオ燃料戦略が「火に油を注ぐ」結果を生んでいる。
米も世界的には生産量を消費量が上回っており、期末在庫率は年々減少し、危険水域に達している。輸入国においては、市場価格が高騰し、それが報道にあるような暴動やパニックにつながっている。
このレポートには、日本の農産物輸入動向についてもまとめられている。日本の輸入農産物は穀物や肉などから、徐々に冷凍野菜や加工品の割合が高くなっている。その結果、輸入額は年々確実に多くなっている。そのほか、様々な課題や現状が見えてくる。分析は農水省独自の傾向もあるが、解釈はそれぞれで行って欲しい。また、統計データは、エクセルでも提供されているので、独自の分析も可能である。
海外食料需給レポート2007
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_rep/2007.html