米緊急対策の実効性が問われている

■2007年10月末に、「米緊急対策」が発表され、その中で、平成20年度からの減反強化が打ち出されたが、それ以外にも価格低下を防止するためにいくつかの政策が発表されている。
これについて、朝日新聞08年3月1日付は、「宙に浮くコメ対策 税50億円無駄使いの可能性も」とした記事を報じた。
■そもそも、「米緊急対策平成19年10月29日」では、
http://www.maff.go.jp/j/soushoku/keikaku/e_meeting/pdf/data.pdf
一、政府は、備蓄数量を100万トンまで積み増し(適正水準)し、34万トンを2007年中に買い入れする。さらに、備蓄米の市場放出を当面原則として抑制。
一、全農が平成18年産の販売残10万トン相当を飼料用に転用処理し、政府が全農に応分助成する。
一、平成20年産(2008年産)生産調整を徹底する。
を表明している。
■朝日新聞03年3月1日付によると、備蓄米の34万トンは約800億円で12月中に買い上げられた。また、価格下落もほぼ止まっている。しかし、全農の10万トン相当を飼料に転用する県については、各JAが販売先を決めていた、余剰米が備蓄米に回った、ことから、集荷が進まず、くず米も少ないため1~2万トンほどしか集まらないとしている。さらに、これを飼料用に処分すれば10~20億円の支出が必要となり、その半分が税負担になるという。農水省は、米貨下落の原因に全農の価格情報発信があるとしており、全農は備蓄の買い上げを迫った経緯がある。
■米緊急対策時には、全農が10万トンを飼料用処理し、その費用の2分の1、約50億円を農水省が全農に助成すると事務次官記者会見で述べていた。
今後、全農がどのような対応をするのか、どれだけの国家予算が使われるのか、注目しておきたい。
■米緊急対策発表時の農水省事務次官、大臣記者会見の概要は以下にある。
白須農林水産事務次官記者会見概要 平成19年10月29日
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/v_min/071029.html
若林農林水産大臣記者会見概要 平成19年10月30日
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/071030.html