2005年確認会報告 黒瀬農舎
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2005年確認会報告 黒瀬農舎

[ 2005年12月31日 黒瀬農舎 ]

■ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎(秋田県大潟村)
石附、橋本、坪井、前川、加藤、榑林、牧下

 9月2日に訪問。昨年は9月5日に訪問し、台風の被害を目の当たりにしました。ぽきぽきと折れているポプラの街路樹、 真っ白になった田んぼなどかつてない被害のあとには、一度落ちた葉の後に新芽が出ていましたが、その後さらに台風が到来し、新芽が枯れ、 再度咲き、そして冬を迎えました。今回訪問した大潟村は、一見昨年の台風被害などないように見えますが、街路樹には間があき、 片付け終わっていない倒木も見受けられました。
 田んぼは違います。昨年とは違い、稲が青々としていて、稲穂が黄金に色づきはじめ、 ふつうであたり前のうれしい実りの秋を迎えつつあります。
 しかし、もはや「ふつうの秋」はないのかも知れません。この日、確認会で大潟村の田んぼを生産者や確認同行の方々と回りましたが、 気温は高く、前夜の雨のせいかこもったような空気でちょっと外に出るだけで生産者を含めみな疲れてしまい、 熱中症のような状態になってしまいました。9月の秋田でも日中暑い日はありますが、蒸し暑い日はなかなかありません。 虫と植物ばかりが元気です。

221 (桑原秀夫さん)
 無農薬と除草剤1回の減農薬栽培です。あきたこまち。プール育苗3年目です。桑原さんは、春先にプラウ、レベラーで均一に耕運したあと、 5月の連休明けぐらいまではしっかり田んぼを乾かすよう心がけています。乾かすのにはふたつの目的があり、 ひとつは乾田効果で田んぼに元々入っている有機成分を分解して肥料効果を上げるため、もうひとつは、 地盤をしっかりさせることで乗用の除草機が大潟村の広く、湿田化しやすい田んぼに入っても沈まないようにするためです。 2回除草機を入れるための工夫だとも言います。そして、代かきした田んぼではすぐに田植えをすることで草の抑制も図っています。その後、 無農薬の田んぼではさらに手作業の除草を入れています。その数、2.3ヘクタールに70人。それでも少ない方です。
 桑原さんは、畦畔の虫を網ですくい取り調査しています。今年は今のところ、イナゴ25匹、クモ2、3匹、カメムシ0という状況でした。 田んぼではニカメイチュウが多く、モンガレもありました。また、ザリガニがドジョウ目当てに多くいて、 田んぼに穴を開けて水を漏らす被害が増えているようです。

222 (石川賢治さん)
 減農薬(除草剤1回)であきたこまちと餅米のきぬのはだを栽培しています。平年は反あたり10俵取れていますが、 昨年は台風被害で6俵ほどだったそうです。今年は、7月に一度夜15度ぐらいまで気温が下がった日があり、 溝切りして水を入れていなかった石川さんの田んぼでは白穂が少々出ました。その後1度も水を田んぼに入れていませんが、 それでもまだ乾いていないそうで、夏場に雨が多かったことを裏付けています。





223 (阿部淳さん)
 無農薬であきたこまちと古代餅米のアサムラサキ、減農薬(除草剤1回)であきたこまちを栽培しています。今回は、 アサムラサキの田んぼを見せていただきました。7月頃まではきれいな紫色の稲穂をしているそうですが、登熟しはじめた今は穂が黒く見えます。 玄米では黒いのですが精米するとやや白くなるタイプの有色米です。 水路との緩衝地近くで緩衝地が草むらになっているせいかイナゴがとてもたくさんいました。
 阿部さんたちが取り組んでいる馬場目川の上流にブナを植える会の取り組みは1992年からはじまり今も続けられています。 馬場目川はかつての八郎湖に注ぎ込む川で、大潟村の水質にも大きな影響を与える川です。 上流部にブナを植えることで豊かな森をつくるだけでなく、周辺の川や水、森について多くの人が考え、行動するきっかけとなっています。

224 (黒瀬正さん)
 代表の黒瀬正さんです。無農薬と減農薬(除草剤1回)であきたこまちを栽培しています。無農薬の最大の課題は、今も昔も「除草」です。 黒瀬さんは、最近「結局は、草の種を落とさないこと、広がる前に物理的に抑えることしかないのではないか」と考えています。 「田植え後10日で活着できるような健康な苗をつくり、 10日目には乗用の除草機が田んぼに入って草を抑えていくような形が大潟村の無農薬の理想ではなかろうか」とも考えています。ヒエ、コナギ、 ホタルイをどのように抑えるか、無農薬栽培の悩みはつきません。黒瀬さんも2回の機械除草のあとは、手取りで除草を続けています。 10日おきに3回、近郊から作業に慣れた女性たちを雇って草取りを頼んでいます。まるでヒエの収穫をしているかのようです。 風のせいで田んぼの端の方はコナギとホタルイに負けてしまったところもありました。
 今年は春先に異常な低温があり、苗が小さく、葉先が黄色くなったものもありましたが、全体的にきれいに揃っており、 平年なみに収穫できそうです。「台風さえ来なければ」と黒瀬さん。ちょうど台風14号が九州に接近しつつあり、すこし不安げでしたが、 幸いにその後離れて通り過ぎ、昨年のような被害はありませんでした。

225 (桜木義忠さん)
 大潟村でも北部に位置する桜井さんの田んぼは昨年の訪問時被害をあまり感じませんでしたが、結果的には反あたり7俵ほどの収穫で、 黒瀬さんのところとあまり変わらなかったようです。無農薬と減農薬(除草剤1回)のあきたこまちです。昨年ヒエを抑えきれなかったため、 今年は人手を多くかけてヒエの種を田んぼに落とさないよう徹底した手取り除草を行っています。「来年のため」と桜木さん。
 桜木さんによると、「冬の季節風はかつてとても強かったが、近年風が弱くなってしまった。そのせいか、 イモチが少しだが見られるようになった。気候が変化している」と、感じています。また今年のできについて、「見た目には、 慣行栽培の田んぼもふくめてとてもきれいに仕上がりつつあるが、例年ならば慣行の田んぼでは3割ぐらい倒伏していてもおかしくない。 今年は倒伏がほとんど見られないので、もしかしたら収量が少ないかも」と分析していました。

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黒瀬さんの田んぼ。草取り(ひえぬき)の風景

















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