2005年確認会報告 庄内協同ファーム
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2005年確認会報告 庄内協同ファーム

[ 2005年12月24日 庄内協同ファーム ]

■庄内協同ファーム(山形県藤島町)
橋本、坪井、前川、加藤、榑林、牧下

 8月30日(火)、庄内協同ファームを回りました。今年の庄内地方は、枝豆(茶豆)が空前の作柄に恵まれ、 庄内協同ファームのメンバーも枝豆の収穫作業の追われていました。
 庄内全体でも、水田の畑作転換により枝豆生産が押しすすめられた結果、豊作による生産過剰が起こり、 大豊作の中の価格低迷に苦労しているようでした。
 今年の庄内地方は、春先に低温があったもののも、夏にかけて気温が高く、また、 夜や午前中にスコールのような雨が降るなどして蒸し暑い日が続きました。そのため、イモチは出ていませんが、モンガレ病やニカメイチュウ、 イナゴなどの昆虫の発生が多くなっています。全般には稲はきれいに揃い、作柄に期待ができます。
 ちなみに、山形県では7月終わりから8月終わりの期間、田んぼや畑の畦、高速道路や鉄道、河川の河川敷などの草刈りを全面禁止として、 カメムシ対策を行っています。

001 (工藤広幸さん)
 余目町の工藤さんは、除草剤1回の減農薬栽培で、種子消毒や育苗、本田に竹酢液、木酢液を使用して稲を健康に育て、 病気や虫に負けない稲作りに取り組んでいます。はえぬきで、モンガレが少々出ていましたが、これは夏場の気温が高かったのが原因のようです。 除草は、除草剤1回をうまく効かせるようにしていますが、部分的には手取りに入るそうです。





(佐藤和則さん)
 田んぼだけを見ました。有機栽培7年目の田んぼは、ヒエが一面にありました。佐藤さんは紙マルチ栽培をしていますが、 庄内協同ファームでは共同で紙マルチ田植機を使用しており、ちょうど佐藤さんのときに機械が不調となり、 途中で紙マルチをあきらめて機械除草に切り替えました。紙マルチ栽培を続けてヒエの種が土中にあったことや、 畑作業で田んぼの除草が追いつかず、結果的にヒエの多い田んぼになったようです。

002 (石垣憲一さん)
 余目町の石垣さんは有機米と減農薬米を栽培し、果樹や花卉、椎茸などを生産しています。有機の紙マルチ栽培は4年目ですが、 やはりヒエは増えているようで、3人で4~5日はヒエ取りをしているといいます。イネミズゾウムシはいませんが、モンガレが出ていました。 今年から31歳の忠彦さんが専業で後継者として入っています。






003 (芳賀修一さん)
 三川町の芳賀修一さんは除草剤1回にイネミズゾウムシ対策として畦畔に殺虫剤を使用しています。庄内地方も、 近年イネミズゾウムシの被害が幹線道路沿いに広がっていて、 これまで有機栽培をしていた人がやむなく中断してイネミズゾウムシ対策の殺虫剤を使用し、減農薬に戻るという例が見られます。 イネミズゾウムシにやられると稲がだめになり、そこに草が入って田んぼ一面が草だけになるということもあるからです。 芳賀さんもそのため畦畔に殺虫剤を使いましたが、それでも全面散布していないため、若干のイネミズゾウムシは発生していますが 「そのくらいならば気にならない」とのことです。
 カメムシについても、有機栽培の田んぼや無農薬の田んぼが集中源で、そこから慣行の田んぼにカメムシがやってくるという声を受け、 試験場に入ってもらい実態を調査し、慣行も有機もカメムシの量では変わらないことを示しました。 「事実を客観的に見せないと納得してもらえない」と芳賀さんは語ります。

004 (菅原孝明さん)
 三川町の菅原孝明さんは、アイガモ除草で有機栽培を続けています。また、除草剤1回の減農薬栽培もあります。アイガモは、 3反に40羽を入れています。菅原さんは、電牧柵を使用していませんが、必ず入れた羽数と現状と出すときの羽数を確認し、 生きたまま逃げないよう気を配っています。一度カモが逃げると、近隣の河川などで繁殖し、翌年の春先に稲を食べに来て、 周囲の農家が迷惑するし、そのような疑いをかけられるためです。近年カラスが賢くなり、テグスを田んぼに張っても、 その間をホバリングして入り込み、カモを狙うケースが出てきたと危惧しています。カラスが入ると、カモが恐れて働かなくなるからです。 カラスや野犬、イタチ対策として、近隣でイヌを飼っている方々にお願いし、田んぼの周辺を散歩コースにしてもらうようにしています。 イヌのにおいを周囲につけることで、とくにイタチなどが入り込めないようにしています。また、 田植えを粗植にすることでカモが動きやすくなるよう工夫しています。

006 (五十嵐良一さん)
 鶴岡市の五十嵐良一さんは、庄内協同ファームの米部会長です。昨年は台風被害、 一昨年は冷害以前に東北の地震が紙マルチ田植えの直後に起こって苗が紙の下にずれてしまうという大きな被害を受けました。 とりわけ昨年は4.5俵ほどしか収穫できず、ハウスの倒壊もあって経営的には大きな痛手でした。 その五十嵐さんの田んぼも今年は3年ぶりにみごとにそろった稲の姿がありました。
 五十嵐さんは、有機栽培ではコシヒカリをアイガモで草とイネミズゾウムシ対策を行っています。また、 紙マルチ栽培も引き続き取り組んでおり、こちらは枝豆との輪作田で品種をはえぬきにして元肥無肥料(追肥一部あり)で栽培しています。 どちらの稲も順調に育っていました。
 紙マルチ栽培では紙の合わせ目などからのヒエが出ていましたが、アイガモの方は、一度も除草に入っていなくても問題ありませんでした。 枝豆など夏場の畑作と有機栽培の両立にめざして五十嵐さんの考えが、形としてあらわれたようです。

007 (小野寺喜作さん)
 鶴岡市の小野寺喜作さんは、プール育苗でひとめぼれの苗を育てています。有機はアイガモで、減農薬は除草剤1回でしたが、 今年は加えてイネミズゾウムシ対策の農薬を1度使用しています。ぎりぎりまで待って検討しましたが、 結局被害が広がりそうなので使用したといいます。また、アイガモ田でも奥の方はずいぶんヒエが出ていました。 聞けばアイガモを入れてから1週間目ぐらいからカラスがアイガモをとっていき、その影響でアイガモの働きが悪かったそうです。とくに、 田んぼがとろとろになっている方が、テグスを張っていてもカラスが入ってきたそうです。その結果、ヒエ、コナギがずいぶん出ているとのこと。 小野寺さんも今年は豊作の枝豆作業に追われていました。





008 (志藤正一さん)
 庄内協同ファーム代表で藤島町の志藤正一さんの田んぼは、有機でひとめぼれをアイガモ、コシヒカリを冬期湛水不耕起にて栽培しています。 今年は冬期湛水田とアイガモ田を入れ替えることで草の抑制に取り組みました。イネミズゾウムシが出る地帯ですが、冬期湛水不耕起の方も、 昨年までアイガモを入れていた田んぼなのでイネミズゾウムシによる被害はありません。冬期湛水は、秋に稲わら、たい肥、 ぼかし肥を入れて湛水し、雪解け後にも4月以降何回か水を入れてそのまま田植えします。1回ヒエ取り(のべ40時間・3人) に入っているだけで目立ったヒエはありませんでした。餅米は紙マルチで4年目になりますが、 イネミズゾウムシは風が吹いて寄ったところの畦ぎわが5メートルほど被害を受けたそうです。
 なお、今回、志藤さんの豚舎も見せていただきました。こちらは、自然農業の手法で、もみ殻を厚く、深く敷き詰めた開放式の木造豚舎で、 バークシャー種を育てています。一般の養豚のようにしっぽを切らなくても、 ストレスでしっぽを噛み切られることのないのびのびとした豚の様子には驚きました。 飼料は非遺伝子組み換え配合飼料を使用しているとのことです。

009 (野口吉男さん)
 羽黒町の野口吉男さんは、ひとめぼれを除草剤1回の減農薬栽培しており、 安定的な収量と稲姿で庄内協同ファームの指標ともなっている田んぼです。昨年からイネミズゾウムシが畦ぎわを中心に出はじめ、 対策に頭を悩ませましたが、今年はやむなくイネミズゾウムシ対策に殺虫剤を1回使用しました。毎年畦シートを張って、 水漏れや水落ちをなくし、機械除草をはじめていねいに稲作りをしているだけに、イネミズゾウムシが入って稲株が抜け、 そこから草が入っていくのは見るにしのびないようです。実際に、イネミズゾウムシが大繁殖すると、小さな苗がだめになって草が生え、 さらに病虫害と草が広がり、田んぼに壊滅的な被害を与えます。生産者は難しい選択を迫られています。


010 (斎藤健一さん)
 イネミズゾウムシ被害により昨年から「有機はひとやすみ」している羽黒町の斎藤健一さんは、 庄内協同ファームの中で提携米ネットワークの理事を担当しています。今年も除草剤1回、イネミズゾウムシ対策の殺虫剤1回を使用しています。 庄内協同ファームでも山ぎわにある斎藤さんの田んぼは例年もイナゴが多いですが、今年はとくに多く、カメムシも心配だといいます。

 

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