提携米メンバー
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2004年・提携米産地確認会 高生連

[ 2004年12月31日 加茂有機米生産組合 ]

 ■高生連現地確認会~石附健一


 牧下さん、橋本さんと一緒にまわりました。それぞれの栽培現地については、 牧下さんがまとめて頂いているので私は高知に行って感じ事を書きます。

6月23日 お昼前に高知空港に着く
 新潟に比べるとかなり蒸し暑く、これから3日間この気候のなかで、田んぼを回って歩くのはきついなと感じました。その後、 田んぼを回りましたが、田んぼを見てるのは気持ちが良いのですが、ある程度
時間が経つとかなり立っていれなくて、田んぼの畦にしゃがんでしまいました。

 夕方になっても涼しい風が吹かない、 こんなところでハウス内の作業をしている光景を見ると暖地での園芸は暑さとの戦いなのだと自分では思いました。
 園芸の盛んな土地柄で、高知園芸連の力がかなり強いのかなと感じました。それで、 高知だけ無農薬栽培の独自認証を行っているのかなと思いました。

6月24日 南国市から高知県の西部まで
 昨日はほどんど見ることの無かった、太平洋を見ながらの移動で海岸線は切り立った断崖の場所が多くとてもきれいな景色を見ることが出来ました。
 昼食は高生連さんがお米を納入するレストランで玄米食のランチを食べました。外の畑を見ながら食べる昼食、特に玄米は美味しかったです。
 猿の被害がある田んぼの話はとても興味深かったです。籾殻の付いた生の穂を食べても美味しいのかなと思いました。
 新潟ではほとんど無いポット育苗が多いことに驚きました。田んぼをみても大多数がポット苗の地域がありました。

6月25日 西部の宿毛市から高知まで
 四万十川の水は透き通る様にきれいでした。いつも新潟で見ている信濃川は濁っているので、 あれほど大きな川の川底が見えるなんて不思議に思いました。
 合鴨で除草をしている、圃場を見ましたが、鴨はきれいに草を食べてくれる働き者だと感心しました。一羽が350円から400円でした。 高齢の方々が、農地の保全の為に鴨を飼って、地域との交流(学校田)をやっている田んぼをみて、農業を地域で広めるには大変だと感心しました。

2004年・提携米産地確認会 東北産地確認会

[ 2004年12月31日 県民生協やまゆり ]

 ■04年夏 提携米理事会で
(坪井英子 県民生協やまゆり)



台風15号の襲来は、日本海側の提携米産地を一部とても厳しい状況に陥れたと知らされました。 その直後の産地確認会と理事会に出席しました。
 9月4日、秋田空港に降り立ち、新潟から山形の産地確認を終えられた牧下さんと前川さんに迎えに来ていただいた時の会話。
「田圃の様子は如何ですか?」の問いに
「信じられないような光景です」とのお返事。
 お二人の次の言葉は「挨拶をして笑えるのは、今だけですよ」
 同じ飛行機で到着した大地の野田さんと合流してから、理事会会場の山本町まで高速道路沿いに見る景色はまるで秋の紅葉風景。 針葉樹のスギが山の斜面を茶色に変え、稲の色は風の通った後、模様を描いた様に白っぽい黄金色、大潟村の一部を見渡せるパーキングからは、 茶色に変色した街路樹。 どれも季節を間違えたような異様な光景でした。
  理事会は山本町森岳温泉「ゆうばる」で開かれました。やまゆりの黒豆の生産者でもある土橋さんご夫妻が用意して下さった「ナスの漬け物」 「梨」をつまみながら、各産地の状況を聞きました。
 稲は見た目はきれいだけれども「コンテナに実が貯まらない」、 腰を痛めて除草剤を使用せざるをえなかったという生産者のお話は新潟の石附さんから。
 庄内協同ファーム斉藤さんは、海岸に近い田が白穂の被害が酷く、一緒に出席された野口さんの田も例外ではなかったこと。
 遊佐町の尾形さんご夫妻は、15号の台風襲来までは今まで経験した中では最も穂が揃い、素晴らしい出来映えの田圃が白く変色し、 そんな田を見るのも辛いと。
 大潟村の黒瀬さんは塩害の状況を分析して「茶米もありどの程度食べられるか、味も判らない」と収穫量減の他にも、 まだ問題があることを説明されました。
 山本町の土橋さんは「米作りをやって最高の出来だった」と15号襲来までを振り返られました。

 今年の台風はそのどれもが各地に被害をもたらし、
 自然の脅威をまざまざと見せつけました。
 一年に一度だけ収穫する米に、どれほどの夢や期待と共にさまざまな思いが込められているかを考えると、 生産者の皆さんがこうして語られる言葉は幾重にも重く、「来年こそはよい実りを」と願わずにはいられません。
 黄金色に実った穂が頭を垂れて、秋の陽射しに揺れる光景を生産者とともに。
 やまゆりの組合員には、収穫された米「一粒への生産者の思い」を伝えなければ。

2004年・提携米産地確認会 東北

[ 2004年12月31日 橋本明子 ]

■日本海沿いに北上して提携米メンバーの田をまわる
(橋本明子)



 9月1日から5日まで、牧下、前川の3人が変わらぬメンバー、あとはやまゆりの加藤さん、 奈良の清水さんらを交えてたんぼをまわった。
 はじめの新潟・加茂では、一部に倒伏があったものの、稲は稲のかたちと色彩をもっていることに安堵した。去年にくらべて、 少し穂が短い感じをうけたが、生産者側の感想も、穂が垂れない、というものであり、後日刈り取ってみたところ、予想以上の減収であったとか。

 今年の天候が稲の生育にきびしいものがあったのだ。
 新潟北部へ日本海沿いに向かうと、景色が一変した。日本ならではの美しいリアス式海岸の連続で、いつもは楽しいドライブが、今回は、 続く台風の塩害をうけて、山も田も畑も茶色に塩で焼けた冬の風景と変わって、心が痛んだ。
 山形・庄内、ここは塩害が少なかったのはせめてものことであったが、夜間に吹き始めた台風は、フェーン現象を伴っていたため、 熱波が稲を襲う結果となった。田に水を入れていたところ以外は稲穂の水分蒸散が激しく、止め葉と穂が枝分かれした枝梗が白く枯れていた。 実りの早い餅米は、米粒がばらばらになって田におちていた。どの田もいちようにそうなのではなく、地形により、台風がきた海からの距離により、 影響が微妙にちがっていた。
 遊佐は海から2キロの距離であり、海からの遮蔽物がなく、高潮につきあげられた強風がまともに田を襲った。穂から上が、稲を刈り取って2、 3日たったときのような薄茶色に変わり、逆に稲の茎は青々としていた。村の古老でさえ、経験したことのない出来事で、一夜明けて、落葉樹、 とりわけ桜の葉が茶色に変色しているのを、いぶかしく思ったそうである。畑のだだちゃ豆も葉がおちて、実いりがおぼつかなくなった。
 秋田の大潟村も、事情は似通っていた。もともと湖の水を抜いただけで田とした場所である。潮風は村の田全面を吹き抜けた。 北の八郎潟町近くに植えられた桜並木は11キロにわたり、全部の葉が落ちてしまった。風よけのポプラの木は根こそぎバタバタと横倒しとなった。 それでも生命力の強いポプラは、もう新芽をだして、薄緑色になっていた。が、その後襲った18号台風で、 ポプラのせっかくの新芽は黒くなって落ちてしまったそうであった。
 被害は海に近い南のほうがひどかったが、それでも品種、栽培法などから、道路とどう向き合っているかと言った立地条件などが、 微妙に影響していた。残念だったのは、有機栽培であるがために、除草、排水などで、田に入る頻度が高く、 稲がじゅうぶんに根を張れなかったために、慣行栽培より被害が大きいとおもわれたことである。
 同じ秋田で、山本町では、塩害を受けていない田をみて、ほっとしたのが事実である。台風襲来で、虚をつかれた! と悔しがった生産者の土橋さんだったが、はじめ倒伏した稲も立ち直り、 風にもまれて傷んだ稲がイモチにやられなければ豊作となるだろうと思われた。

 1年1作の稲。有機栽培に半年の労力と精神を集中したあげく、1夜にしてその成果を失ったとしたら、あなたならどう対処するだろうか。 オロオロ歩き、と宮沢賢治は詩にしたが、そうしたところで、どうなるものでもない。現実をそのとうり受け止めるほかないのである。 当事者でないわたしですら、9月始めの5日間を経験して、おちこんでしまった。家に戻ったが、どうにも仕事が手につかず、疲れがどっとでた。
 台風襲来の時期が8月20日をてはじめに、8月に2度、9月はじめにさらに1度、コースはいずれも同じであった。8月の襲来は、 東北ではかってなかったことである。また、台風の規模が大きく、フェーン現象や高潮を伴って、沿海部の被害を大きくした。 襲来の時間が夜にはじまり、長時間荒れ続けたうえ、ほとんど雨を伴わなかった。海岸部に防潮堤を築く、丘陵をならして飛行場を作るなど、 自然の地形のままでなく、改変のおこなわれている場所が多いことも影響した。
 台風襲来の多い九州、四国では気候の温暖さもあって、稲は台風前に収穫してしまう。が、東北に同じ事を期待するのは無理である。とはいえ、 早生の稲のほうが実をきちんと付けていた分、被害が小さくてすんだ。将来、品種の選択を考慮することは必要かと思われる。
 強風に長時間耐える体力を稲につけるには、田に水を張ることである。台風の時には水をはれ、という言い伝えがあると聞く。 古老の言い伝えを大切に、まだ知らないことを、掘り起こすことも大切ではなかろうか。
 この5日間でわたし自身、大きな経験をした。きびしい現実は、今回限りでなく、この先も似たことがあるだろうと思われる。それこそ、 どう生きるかを問われるのである。


2004年・提携米産地確認会 高生連

[ 2004年12月31日 橋本明子 ]

 ■2年ぶりの高知~橋本明子


1.2年ぶりの高知

 提携米確認会で、6月23、24日、25日と関東から、石附、牧下、橋本の3人が高知のたんぼ確認にでかけた。石附さんははじめて、 牧下さんとわたしは2年ぶりの訪問である。空港には、高生連の松林、星川二人が2台の車で出迎えてくれた。今回、室戸地方を除く高知全県を走行、 全走行距離約450キロ、訪ねた生産者14人、見学したたんぼ30数枚にのぼった。高知県内に高速道はおいおいとのびてきているが、 わたしたちが走るのはすべて一般道、それもたんぼへ出向くとなると、運転ひとつをとってもかなりの技術と時間を要する。 松林さんは携帯電話をはなさず、細かい時間配りをして、どのたんぼにも、わたしたちが行き着いたときには、 ちゃんと生産者が笑顔でむかえてくれたのであった。
 わたしがはじめて高知県のたんぼをみせてもらったのは'93年であるから、もう11年前のことである。当時、 窪川では紙マルチの手植えがはじまり、几帳面な鬼頭さんは前もってたんぼの長さに紙を切っておくという入念さであった。 手間のかかる田植えには消費者も参加した。南国では、合鴨を放して除草を試みる生産者のたんぼをみせてもらったが、 除草に新しいやり方が導入されたというばかりでなく、たんぼにいきものがいるということで、地域の人々とのふれあいが生まれ、 話題もうまれることを知った。

2.狭い土地をうまくいかす
 高知県は海と山にかこまれ、平坦地が少ない。農業で生活していくためには、土地利用のさまざまな工夫があり、温暖な気候もそれを助けてくれる。 かって、米は2期作であった。いまは1期を米とし、2期めを他作物とする例が多い。富家の米の後作の大豆がそれにあたる。 米だけを収入の柱とする生産者はむしろ少なく、ハウスもののナス、ピーマン、ニラ、ブロッコリーなどを主力生産物とし、 あわせて米もつくる生産者がほとんどである。念のため付け加えると、たんぼは大豆は別として、1年1作となっており、除草効果を高めるため、 冬期間、数回の耕耘を繰り返すのが一般的、また地力増進のために牧草をまく場合もあった。気候温暖のため、草は良く伸び、虫もおおいのである。 ハウスは設備の関係で同じ場所での生産で、そこでは、連作障害を避ける工夫がこらされている。
 提携米ネットワークで生産者栽培基準を定めてから、高知のたんぼに確認にでかけるのは、今回で3回目である。 高知の生産者のプロフィールはというと、ほとんどが“いごっそう”の通称のとうり、自分の農法に確信をもっている人が多く、 自分はこうしているとはっきりとした主張を述べる。そのうえで、秋田はどうかいのう、山形はどんなか、新潟はどんなふうか、という質問がくるが、 それは参考にさせてもらうという感じである。3回の確認会いずれにも、秋田、山形、 新潟の米生産者にも同行してもらってお互いの経験を深めてもらっている。

3.会うたびに年をとる
 3回目、2年毎に会うとなると、わたしのようなシニアー組は、ふと、ああ、2年たってすこし00さん、 しろいものが髪にまじるようになったなあ、と思うケースがある。ざっくばらんな門田さんは、もう腰が痛うて痛うてかなわん、 と述懐し腰痛みの少ない省力除草として、ジャンボタニシは助かりますという話であった。前々回は、南国の村上さんが、 おとうさんを亡くされたばかりで、お母さんと二人でこれからはがんばります、と、無農薬米作りにういういしい感じであったが、 今回はさすが落ち着いて、変わらずの無農薬挑戦であった。前回、癌手術のあとで、 顔色がよくないのにたんぼを案内してくださった宿毛の西山和さんにはもうお会いできないことが同じたんぼに立ってみてわかった。 跡継ぎの和明さんに案内してもらい、たんぼの合鴨を守るために烏を追う工夫、増えすぎたジャンボタニシを退治できないかと、四万十川で鯉を釣り、 タニシが伝い歩く流れに放流した話など,生き物好きならではの話をきくことができた。
「富家ライスファミリー」(野市町)と、「チョットいいかもクラブ」(愛媛県一本松町)は熟年を逆手にとっての挑戦である。富家の大豆作りは、 まだたんぼに稲があるうちに、畦から、動力噴霧器で大豆の種をたんぼ一面にばらまく不耕起作りで、収穫にむらがあるのが難点だが、 省力ではすぐれている。

「いいかもクラブ」には、今年画期的な出来事が二つあった。定年退職者の米作りを看板にかかげ、除草は合鴨におまかせと、 鴨のトレーニングに励み、シーズンともなると、除草を必要とするたんぼのあちらこちらと、鴨は出前除草に励む。たんぼの一枚は一本松小学校の5、 6年生と餅米を作る。もう10年にもなるが、田植え、鴨入れ、収穫はこどもたちといっしょにやり、除草は鴨にお願いする。 秋には収穫を祝って餅をつき、町内のお年寄りに配る。この試みを「環境保全型農業コンクール」で発表したところ、奨励賞を受賞、 全国から反響があった。いままで値段の高かった鴨も、業者の申し出をうけて、格安で入手できたし、なによりも、 クラブの面々が元気をもらったことが大きかった。
 次は、川から鯉の卵をすくってきて、たんぼに放し、養殖と除草の実験をはじめたことである。なんでもやる、の意気込みで、 米の販売にもゆうパックをとりいれ、「鴨といっしょに米作り」とうたってなかなかの売れ行きだとのことである。
 南国・田島さんは地域の議員が忙しいおとうさんに替わって、息子さんの誠さんが米作りの主力をになっている。 肥育牛160頭と稲作のタイアップで、稲藁は全部牛舎で使い、たんぼの裏作は牧草である。いまのところ順調で、 将来は牛をもっと増やしたいと意欲満々であった。息子さんがたんぼのオペレーターを担うようになったのは、 窪川の議員である島岡さんもおなじである。島岡さんはたんぼ担当であったが、労力が軽くなったぶんを、町の有志で作る保育園のビオトープ作りや、 たんぼと池のある伝統的な庭造りなどに力をいれている。また、おくさんの和子さんと力をあわせ、地域の物産興しにも熱心、 かって窪川に原発はいらない、とたちあがったぶん、いまはソーラーパネルで自家発電して、四国電力に逆に電気を売るようにもなった。

4.がんばるはたらきざかり
 南国の門脇さんは、高知で開発されたパプリカを主力に、米は低農薬中心だが、すこしを無農薬挑戦しており、 ジャンボタニシをうまく分散して使って、去年、今年は成功とみている。たんぼの一部は国分川沿いで、川は見えない程低くを流れているものの、 たんぼのまわりにはとんぼが乱舞していた。早くから姿をみせ、数も多いので、今年は秋、冬が早いのではないかとの門脇さんの感想である。
 米作りの熱心さでしられる南国の西村さんのたんぼは、はやくも出穂していた。じゅうたんをしいたように丈がそろい、稗もないたんぼは、 今年から導入したジャンボタニシの働きが大きかったそうである。おなじ南国でもここはまだジャンボタニシの自然侵入がないため、 それを嫌うひとが、西村さんのたんぼのふちから、目につくタニシをすくって殺していると、笑う足元に、その証拠があった。 ジャンボタニシは増えすぎると、稲まで食い荒らすので、評価は有機農家によりさまざまである。うまく管理すれば除草には効果はあっても、 合鴨や鯉のように管理しきれない部分をどうするか、また、周辺にひろがった場合はどうするかなどの課題をかかえている。 タニシは強靱でどんな環境にも適応するようなのでなおさらのことである。

 窪川の鬼頭さん。はじめに述べたように紙マルチに挑戦、いまは減農薬の米作りだが、 稲本来の自然にしたがった作り方へのこだわりは相変わらずである。健苗を作り、苗に従った田植え、自然の資材を使用することをこころがけている。 同じ窪川でも山間にある井上さんのたんぼは、いのししに荒らされる。山には鷹や狐もいて、 ほかよりもおいしい稲といろんないきものがいる無農薬のたんぼをめがけてやってくる。さまざまな防御策も決めてがない。 井上さんはアキタコマチ一本でやってきた。

5.高生連への信頼
 高知には一生懸命生産にはげむ有機農家が多い。にもかかわらず、県内消費は限界があり、遠隔地への出荷は個人レベルでは難しい。 そうした農産物を集めて、ぜひ都市の消費者にたべてもらいたいとの松林さんの熱意がベースとなって、高知生産者連合が結成されたのは、 いまから16年前のことである。結成前の「土と生命を守る会」のころから高知の生産者の面々と顔なじみだったわたしは、「提携米ネットワーク」 たちあげのときも、減反裁判のときも、多くの高知の生産者の方々のお世話になった。
 今回、牧下さんは、それぞれの生産者に国認定のJAS有機や特別栽培制度のことをどう思うかと聞いてまわった。 どのひとも国の認証はとっていず、必要とも思っていなかった。 自分の信条がはっきりあらわされているカード付きの生産物が消費者に届けられている現状でよい、「無農薬」 の表示付きの高知県の認証をもっているひとはいたが、それで自分の生産物の評価がどうこうなるとは考えていないし、なかには、 表示にはウソが多くて信頼できないという意見もあった。また、認証を必要としているのはあなた達消費者でしょうという意見もあった。
 一同は各人それぞれの作り方を認め、情報公開する高生連のやり方を認めているのだ。高生連が生産者の農産物を責任をもって集配、 販売している実績が評価され、信頼されていることをわたしは感じた。高知県は車でまわれば広く、奥行きが深い。 近場の生産者は自分で生産物を持ち込むが、たいていは遠くなので、高生連は2ルートにわけ、5人の職員が交代で週2回、全県下を集配してまわる。 米のほか、果物、野菜、自然塩などをふくむ加工品も加わる。最近、ニラなど鮮度を尊ぶ野菜は、直送の便も図られるようになった。
 最後に高生連の事務所兼集配所兼作業場につれていってもらった。10名たらずのスタッフは、それぞれいそがしそうであった。うれしかったのは、 米保管のため借りている、伝統的な倉作りの冷蔵保管庫を目のあたりに見たときである。堂々たる倉で、ここなら安心と思った。 (04年7月1日)

2004年産地確認会報告 加茂有機米生産組合

[ 2004年12月31日 加茂有機米生産組合 ]

■加茂有機米生産組合(新潟県加茂市)
訪問者:橋本(代表)、加藤(やまゆり)、前川(大地・事務局)、牧下(事務局)


 9月1日に訪問しました。昨年は8月20日の訪問です。今年はすでに穂も出そろい、 モチ米などの収穫がはじまっている田んぼも見受けられました。
 石附健一さん、事務局の泉泰元さんに案内していただきました。
 全般的な状況としては、新潟県の特別栽培認証が畦の除草剤を問題にしていないため、生産組合内部では、特別栽培米生産者の米を、畦除草剤あり、 なしに区分けして管理しています。畦での除草剤使用が比較的多く見受けられる新潟県で、 区分けすることにより畦除草剤を減らしていくよう誘導する効果があるでしょう。

■石附健一さん


 ほぼすべて有機栽培米です。前号の提携米通信(2004年6月号)で泉さんがレポートされているように、今年は石附さんの田んぼで、 昨年の収穫後、米ぬかと元肥となる鶏糞をまいて、できるところでは冬期湛水を行い、稲わらとともに分解を冬場に行わせるようにしました。 除草効果を考えたものですが、春の田んぼの状態がきれいになり、また、均一に肥料が回ったようです。
 また、自家採取しているコシヒカリをつかってプール育苗にも取り組みました。田植えの期間が長いため、育苗のコントロールがしやすかったこと、 成苗にするのに適していること、省力化となったことなど、プール育苗の効果はとても高かったようです。
 田植え後、1週間後ぐらいからは順番に乗用の除草機と手押し除草機を押し、さらに、手取りでヒエの除草を行いました。訪問した日も、 ヒエを抜く作業を続けていました。最初は根から抜いていたそうですが、収穫が近づいてきた現在ではヒエの穂首だけを刈り取っていました。 除草作業は、ヒエが多いところで反あたり40時間・人になるようです。
 台風の被害は、畦の周辺で少し白穂が出ていたり、すれて有色粒になりそうなものがあったりしましたが、倒れるなどの被害はなかったようです。 葉先が枯れているものもありました。
 石附さんの話では、一般栽培では、通常ならば多くの田んぼが倒れていてもおかしくない時期なのに今年はほとんど倒れておらず、 夏の高温で実入りが少ないのではないかということでした。
 今年は、早くからトンボが飛んでいてチョウをよく見かけたとのこと。もちろん、バッタもたくさんいました。

■山田均さん


 加茂市の中心部、市役所の近くの住宅地で小面積の田んぼや畑を維持されています。除草剤1回(ダブルスター)のみの特別栽培米です。 山田さんの田んぼの回りはみごとに畦大豆が育っていました。伝統的な美しい光景です。大豆は苗にして等間隔に植え、 除草作業をしやすいようにしています。それもあって見た目の美しさもあるのでしょう。大豆は自家用です。
 台風15号の時に少し葉先がすれたようですが、風が吹く2日前に田んぼに水を入れて蒸散を防いでいました。 そのため穂への被害はほとんどありませんでした。
「台風や大風の前には田んぼに水を入れろと昔から言っていたのだが」という言葉は、このあと、各地で聞くことができましたが、 広い面積や収穫前の作業や水の管理上、あるいは、台風が速度を上げてしまったため、水を田に入れることができなかった生産者も多くいました。 伝統の智恵を生かすことが現代においていかに難しいか考えさせられます。
 畦の草は8月10日頃に刈り終え、その後はカメムシ予防のため草を刈らずに置き、そろそろ最後の畦草刈りを行うところだそうです。 収穫は予定通りだと9月10日頃からとのことでした。

■小林正利さん


 加茂市では数少ない園芸農家です。キュウリ、トマト、花卉類のかたわら稲作を行っています。稲作は、除草剤1回(ダブルスター) のみの特別栽培米です。ヒエは少々出ていますが、「抜くほどでもない」とのこと。畦草は2回刈り取りを行い、 最近はちょっと忙しいので放ってあるとか。
 加茂市では、全体で減反未達成地域のため、大豆などの機械への補助金が出ず、その結果、加茂市は減反田んぼはありますが、 大豆などへの転作はほとんど見られません。また、加茂市は空中散布を行っていませんが、周辺ではラジコンによる空中散布があるようです。

■佐野誠さん


 除草剤1回(ダブルスター)のみの特別栽培米。全栽培面積が6町あります。肥料の撒きムラをなくすため、手撒きをしています。 3年前から息子さんが後継者として入りました。他の生産者よりもできが早く、9月10日前からは稲刈りに入りそうです。 台風の被害で風がすった有色粒はありますが、収量の想定範囲内であり気にしていないとのこと。むしろ、今年は稲姿がすっきりした小高の状態で、 稲穂が重くなく、そちらが少し気になっています。以前は60株植えをしていましたが、現在は50株植えにすることで、 茎が太くなったとのことです。畦草刈りは息子さんの担当とか。栽培記録について聞いてみましたが、ずっと農業日記をつけていたので、 特別栽培などの記録も特に面倒だということはないようです。

■馬場三陽さん


 今日は訪問する予定ではなかったのですが、ちょうどほ場を通りかかったところで、もち米の収穫作業をされていました。お話しを聞くと、 他のもち米生産者10人と坪刈りをしてもみすりしたところ、不稔粒が多く、平年より40kgほど収穫が少ない計算となったそうです。 品種はわたぼうしでした。稲穂が青いままなのが印象的です。

■大橋正さん、早川勇さん


 大橋さんにはお会いできませんでしたが、有機栽培のほ場を確認しました。大橋さんは今年ふたたび紙マルチを導入しました。 紙マルチを数年やめたものの昨年は田植え後1カ月から機械除草を入れることになり、やはり省力化から紙マルチの再導入に踏み切ったそうです。 それでも、手取り除草を2~3回入っているとか。
 早川さんは、ずっと有機栽培を続けていましたが、今年、身体をこわしたため、除草作業が思うようにいかず、結局除草剤を1回導入しました。 来年から有機転換期間中となりますが、「もう一度やり直しです」とのことです。紙マルチを導入する方向です。 息子さん2人がきのこ栽培と稲作の後継者として作業をはじめていました。ニカメイチュウが若干出ていました。

2004年産地確認会報告 庄内協同ファーム

[ 2004年12月31日 庄内協同ファーム ]

■庄内協同ファーム
(山形県余目町、三川町、鶴岡市、羽黒町、藤島町)
訪問者:橋本(代表)、加藤(やまゆり)、前川(大地・事務局)、 牧下(事務局)
村上真一郎さん


 9月2日に訪問しました。午前中は提携米確認会として、午後からは、庄内協同ファーム米部会のほ場巡回と合同で行いました。
 米部会、ほ場巡回の部会員向け案内文には、「先日(8月19日、20日)は、最大風速39.9mの台風で収量への影響が心配されます。 特に出穂の遅かったコシヒカリやでわのもちに白穂が見え、どの稲も止め葉の先が縮れ、穂先の籾も2粒~5粒くらい白くなっているようです。 その点も含め収量予想をしながらほ場巡回をしたいと思います」とありました。
 その言葉通り、各地で台風は大きな被害を出していました。雨のない台風だったため、稲が倒れてしまっているということはなく、 倒れた稲もすでに起きあがっていましたが、一見してきれいな田んぼでも近づいてみると痛んでいるということがよくありました。


■佐藤和則さん・余目町



 ひとめぼれの有機栽培です。風の強い場所ですが、昨年から紙マルチを導入し、ヒエが年々少なくなっているそうです。 手取り除草を2回入れています。台風の被害は葉先が中心で、白穂はほとんどありませんでした。 ひとめぼれの方が出穂が早い分だけ被害は軽かったようですが、それでも有色粒などもあります。 昨年は冷害で3俵ほどしかとれなかったため今年はそれよりも取れるだろうとのことでした。

■富樫英治さん・余目町


 除草剤1回(ダイハード)の減農薬栽培です。コシヒカリ、でわのもちを栽培しています。畦添いの風が強く当たったところは白穂になっています。 穂先が茶色くなり、有色粒になっているものが多く、全体に白く、あるいは、茶色く穂が色づいていますが、これは、台風の影響です。 富樫さんによると、台風後1週間頃に急に茶や白穂になってきたということです。葉先も枯れています。ちょうど、穂が出そろった頃の台風でした。

■今野裕之さん・余目町


 コシヒカリの有機栽培です。アイガモ除草の田と機械除草の田があります。また、一部もち米を栽培し、紙マルチも導入しています。アイガモは、 今年、タイミングが合わず5月末頃、小さいうちに入れることとなり、 カラスにやられて7月18日に田んぼから上げる頃には最初に入れた200羽のうち50羽しか残りませんでした。そのためアイガモを入れながら、 機械除草もやることになりました。
 特徴的に、畦沿いが一列まっ白になっています。田んぼと田んぼの境でも同じことが起きています。風の巻き込みが起こした現象です。 ちょうど穂先や葉先から明け方にかけて強制的に蒸散させられたというような状態で枯れていました。 コシヒカリは8月20日の夕方には白穂が目立つようになっていたそうです。穂先全体が白くなっているものと、 穂の一部が白くなっているものがあり、穂の一部が白くなっている穂が多いため、実の太り方が穂によってまちまちとなり、 今年は粒が揃わないのではないかと心配しています。平年が6.5俵、昨年が5.5俵ぐらいで、今年も昨年程度ではないだろうかとの見込みです。 紙マルチでのもち米は、台風16号による風での脱粒が見られました。
 ちなみに、紙マルチの田植え後、カラスが紙の端をつまんでは持ち上げるという仕草を何度もしていたそうです。エサをとっているのか、 遊んでいるのか、不思議な光景だったとのことです。

■菅原孝明さん・三川町


 ひとめぼれをアイガモでの有機と、除草剤1回(ダブルスター)の特別栽培で栽培しています。どちらも、手取りでヒエ抜きを行っています。 ひとめぼれもコシヒカリほどではありませんが、穂先の枝梗が枯れていたり、葉先が痛んでいたり、有色粒が多くなっています。「今年は、 有機での多収を狙っていたのに」と菅原さんは残念がっていました。
 また、菅原さんが栽培しているもち米は白穂のほか脱粒も多く見られ、穂先ごとたくさん落ちていて、風の強さを物語っていました。
 脱粒が多いため、「来年は、脱粒米から稲が育つ分も必ずあるので、今年もち米を植えたところにはもちを、 うるち米を植えたところにはうるちを植えないと、混粒してしまう」ということでした。


■五十嵐良一さん・鶴岡市

 昨年は紙マルチ田植え直後の地震で紙がずれて稲がすべて隠れてしまい、さらに冷害とイネミズゾウムシによる被害を受けた五十嵐さんですが、 今年は、台風の被害を大きく受けてしまいました。イネミズゾウムシ対策は、今年、アイガモを導入し、6反に90羽を入れたところ、 草もイネミズゾウムシもなくなり、成功しました。アイガモの方は、カラスの被害などで最後は58羽の回収となりました。
 五十嵐さんの田んぼは、ひとめぼれの減農薬(除草剤1回)とコシヒカリおよびでわのもちの有機栽培ほ場があり、 コシヒカリはでわのもちにはさまれるように栽培されています。ちょうどコシヒカリは8月14日頃から出穂しており、 台風15号の直撃を受けて白穂でまっ白になりました。
 台風の被害は、田んぼにとどまらず、五十嵐さんのトマトハウスの骨組みが16号の暴風でつぶれてしまい、 中のトマトもろともだめになってしまいました。
 今の段階では、稲刈りがいつ頃できるのか、田んぼがどのように推移するのか分からないという状態ですが、五十嵐さんは、米部会長でもあり、 全員に田んぼをみせて状況の分析をしていました。



■小野寺仁志さん・鶴岡市


 はえぬきを除草剤1回(ダブルスター)の減農薬栽培しています。イネミズゾウムシの被害が昨年以上にひどくなったため、 今年は殺虫剤も使用しました。また、イナゴがものすごく多く、その食害もひどくなっています。 はえぬきは脱粒しにくい品種だったことと出穂が8月頭だったこともあり、台風の被害はありましたが、もち米や他の品種よりはよかったといいます。

■富樫俊悦さん・鶴岡市


 コシヒカリの有機ほ場とひとめぼれの減農薬(除草剤1回)を確認しました。アイガモを4反で60羽入れています。ひとめぼれも、 畦沿いに額縁のように白穂になっています。脱粒も多く、穂先だけが枯れているものもあります。有機(アイガモ)のほ場は、出穂が遅れたため、 被害が少なかったといいます。田んぼを見るとタニシが多く、それを狙ってタヌキも来るそうです。



 ここからは、庄内協同ファームの米部会と合流しての確認会です。こちらは、畦沿い、田の中の抜き取りを行い、丈の長さ、分けつ数、 穂の長さなどを測り、サンプルをとって、数量予想も行うそうです。


■斎藤健一さん・羽黒町

 提携米ネットワーク理事の斎藤さんのほ場を確認するのは2年ぶりです。斎藤さんのほ場は、山手の方にあるため、昨年は、 イネミズゾウムシの被害に加えて冷害がひどく、平年で6俵の田が2.5俵しかとれませんでした。今年は、 イネミズゾウムシの被害がひどい田んぼの有機栽培をあきらめ、ひどいほ場には殺虫剤を使用しました。除草剤1回・殺虫剤1回の減農薬栽培です。
 山手で台風での白穂などの被害はあまり見かけませんでしたが、やはり風にすられて着色粒が多くあります。また、 そこからイモチが入りそうだったため、お茶(カテキン)や木酢などで予防しています。田んぼには、トノサマガエルやイナゴが多くいました。

■野口吉男さん・羽黒町



 ひとめぼれで、除草剤1回(ダブルスター)の栽培をしており、安定的に9俵を収穫し、昨年も8俵の収量があった野口さんの田んぼでも、 風にはやられていました。やはり、畦沿いに白穂があり、葉先や穂先が痛んでいます。しかし、出穂が早かった分だけ風の影響は少ないようです。 イネミズゾウムシにやられている部分があり、そこから光が入って草が生えていました。畦を5回草刈りするなど、 田をていねいにつくる野口さんとしては、イネミズゾウムシ対策に頭を痛めているところです。

■志藤正一さん・藤島町

 不耕起で秋に元肥を入れて冬期湛水にする有機のコシヒカリと、アイガモを入れた有機のひとめぼれのほ場を見ました。 不耕起の方はコシヒカリですが、穂揃いがお盆前ということもあり、台風の被害は他のコシヒカリよりも少なく、 白穂も畦ぎわを除いては少ない印象でした。台風15号で一度たおれて、その後起きあがり、16号でもたおれ、ふたたび起きたそうです。 ひとめぼれはコシヒカリより穂揃いが早かったため台風の被害はほとんどありませんでした。でわのもちを紙マルチで栽培していますが、 こちらは紙マルチ3年目で年々イネミズゾウムシが減っているとのことです。

2004年産地確認会報告 遊農くらぶ

[ 2004年12月31日 遊農くらぶ ]

■遊農くらぶ(山形県遊佐町)
訪問者:橋本(代表)、加藤(やまゆり)、前川 (大地・事務局)、牧下(事務局)


 9月3日に訪問しました。
 山形県遊佐町から秋田県象潟町、金浦町など、山形県と秋田県の県境、 鳥海山の日本海側は台風15号の熱い暴風と塩害を受けて大きな被害を受けていました。
 遊農くらぶは、今年となりの平田町などに4人の生産者を増やしました。除草剤1回の減農薬栽培です。コシヒカリ、ひとめぼれ、 ササニシキなどを栽培しています。今回は訪問できませんでしたが、仲間が増えることはとてもうれしいことです。
 また、これまで伝統的な蔵の温度安定性を活かして米を保存していましたが、この春に低温倉庫を完成させ、品質向上にも取り組んでいます。 それだけに、今回の台風被害は残念です。

 


 

■尾形修一郎さん、なつさん・土門忠男さん


「8月20日の朝、桜の葉がすべて落ちていて、何が起こったのかと思った」と、 かつてなかった塩害の第一印象を尾形修一郎さんが語りました。日を追うにつれ、田は白くなり、枝豆の葉は枯れ落ち、山は赤茶けていきました。 見たこともない光景です。
 コシヒカリを無農薬でアイガモを入れて栽培している尾形さんと土門さんの田は、田面がまっ白になっていました。茎が青い分だけ、 穂先や葉先の白さが痛々しく映ります。
 今年から秋に元肥を入れ、稲わらともども分解させ、春先に一部元肥を入れることで、 今年は8月19日までかつてない美しい田姿だったといいます。それが一晩でだめになったのですから言葉もありません。土門さんは機械除草、 米ぬか除草でのヒトメボレも栽培していますが、こちらは、枝梗が生きており、コシヒカリほどの状況ではありませんでした。
 コシヒカリは、ちょうどお盆から18日にかけて穂が揃い、ほぼ揃ったときの台風15号となったことと、海から近く、 鳥海山に跳ね返させるかたちで、潮を含んだ風にあおられたため、このような被害になったようです。


■高橋修二さん

 ヒトメボレの除草剤1回(ダブルスター)の減農薬栽培です。 牛の肥育生産者であり、今年はリサイクル法に対応し、新牛舎とこれまで屋外だったたい肥舎を屋内にした設備をつくりました。
 山手の方にある高橋さんの田んぼは、15号で最初葉先などが黄色くなりましたが、持ち直すことができました。 台風前に水を張っていたため強制的な蒸散が防がれたのでしょう。やはり、同じ地区でも水を張っていない人の方が被害は大きかったようです。

2004年 産地確認会 黒瀬農舎

[ 2004年12月31日 黒瀬農舎 ]

■ライスロッヂ大潟・黒瀬農舎 (秋田県大潟村)
訪問者:橋本(代表)、前川(大地、事務局)、牧下(事務局)
(途中まで)斎藤・野口(庄内)、石附(加茂)、土橋(山本町)、清水(奈良よつ葉)
村上真一郎さん

 9月5日に確認しました。大潟村は、大きく南部で塩害の被害を受け、北部は風害のみというところで、 田んぼの場所により被害の程度がずいぶんと違いました。大潟村ができてすぐに植えられたポプラ並木は、ばたばたと根元から、 あるいは幹の途中から折れていました。風をさえぎる高いところのない大潟村では、風をよける並木が倒れると、後は風が通っていきます。

■阿部淳さん


 無農薬であきたこまちを栽培しています。一見すると大丈夫な様子ですが、葉先や枝梗が枯れていました。今年の穂揃いは8月5日頃で、 例年より2日早かったとのことです。2割ほどの減収になるのでは、という見通しでした。

■山本平男さん


 南部の残存湖に近いほ場を持つ山本さんは、グループで一番ひどい被害を受けていました。
無農薬栽培で機械除草という条件のため、生育がゆっくりで穂揃いが8月10日頃だったこと、機械除草により根が傷んでいたことなどが重なり、 全面に白穂が広がっていました。


■石川賢治さん

 山本さんのほ場の近くで、やはり被害が広がっていました。除草剤1回(ダコニール)の栽培です。 作業小屋の影など一部に塩害の影響を受けていないところがあり、その対比が、今回の被害の残酷さを物語っていました。

■黒瀬正さん

 減農薬(除草剤1回・ミスターホームラン)のF1ほ場には、目印の桜がありますが、葉はすべて落ち、小さな方の桜には新芽が吹いていました。 ポプラ並木が無惨に折れ「あれが、この田んぼを守ってくれた」と黒瀬さん。台風前に水を入れていたことも効果がありました。ただ、 脱粒が少々見られました。もうひとつの無農薬ほ場は、ヒエがひどく、手取りの作業をする人がやってもやっても追いつかない状態になっていました。 さらに、コナギも広がっていて、そこに台風による風のかすれなどがあって収量は低くなりそうです。白穂はあまりありませんでしたが、 穂先の枝梗が枯れていました。

■小林茂哉さん


 無農薬と除草剤1回(ミスターホームランかトップガン)の減農薬で、減農薬のところの一部にはマツバイが大発生しており、 そこはサターン粒剤を使用しています。減農薬のところでも機械除草は入れていますが、マツバイは対応ができず、 肥料を食われて茎数が増えないためとのこと。北部のほ場で、あまり風の影響はなく、穂先の枝梗が一部枯れていましたが、 大きな被害ではなさそうです。

■花塚昭さん


 今回、グループで一番被害が少なかったのは花塚さんのほ場です。「台風がなければ、みんなこんな状態だった」という田んぼでした。

■桜木義忠さん


 確認会の最後は、桜木さんのほ場を回りました。花塚さんほどではないにせよ、それほど被害を感じさせない田んぼでした。桜木産は、 ちょうど1回目の除草機をかける時期に除草機が故障したため、ヒエを押さえるタイミングをはずしてしまい、人手を例年以上にかけたそうです。 かつては、干拓地特有の茶色いイヌビエが多く、こちらはとりやすかったようですが、最近は、青いホンビエも増えてきて、 こちらがしつこく困っているとのことでした。機械除草の無農薬と、除草剤1回(ザーク)の減農薬栽培です。

 グループ16名中、台風の被害がひどいのは4名だったということです。しかし、その後、台風18号が来ており、 被害はさらに広がったという情報が入っています。

2004年産地確認会 山本開拓農場

[ 2004年12月31日 山本開拓農場 ]

■山本開拓農場(秋田県山本町)
訪問者:斎藤・野口(庄内)、石附(加茂)、 清水(奈良よつ葉)、坪井(やまゆり)、野田・前川(大地、事務局)、橋本(代表)、牧下(事務局)


 9月4日に、山本開拓農場で提携米理事会を開催しました。山本開拓農場での理事会は今回がはじめてです。翌日、 山本開拓農場の土橋敏郎さんのほ場を確認しました。
 台風15号の後は、かなりひどい被害になると予想した土橋さんでしたが、その後稲は持ち直しました。しかし、 風にすれたところからイモチが入って一部ですがイモチの被害があります。今年は海藻由来の資材を使い、健康な稲をつくることができ、また、 紙マルチも順調にいっており、やはり台風まではかつてないほどのよい作柄だったようです。残念ながら、台風により平年なみとはなりましたが、 それでも、稲姿は美しく、いつものように山の田んぼには、トンボがとび、カエルがはね、クモが巣をつくっていました。田んぼの横の大豆畑は、 昨年、コスモスを植えていたところで、大豆の間からコスモスが咲くほのぼのとした景色でした。
 無農薬米の再生紙マルチも、長いタイプに切り替え、作業性が向上するなど、順調に無農薬栽培の技術が進歩していることをうかがいました。

2004年産地確認会報告(高生連)

[ 2004年12月31日 高生連 ]

2004年6月23日から25日にかけて、高生連の産地確認会を行いました。

消費者として橋本明子さん、生産者として加茂有機米生産組合の石附健一さん、事務局の牧下、それに、 高生連の松林さんと米担当の星川さんが同行し、11産地と事務所を訪問しました。
 ちょうど台風6号が通り過ぎた後で、松林さんたちも、穂ばらみ期なので風にあおられていないかと、風の様子を心配していましたが、 幸いなことにコースがずれたため、どの生産者も、それほどの風ではなかったということで、一安心していました。今年は、 全般に生育が早く大体1週間は早めに穂が出そろい、稲刈りも早まりそうだということです。

(事務局:牧下圭貴)

 

■村上真一郎さん(香我美町)
村上真一郎さん

 紙マルチでコシヒカリを無農薬栽培しています。面積は1町5反。紙マルチはうまくいっているようで、草はまったくなく、 中干しまで田の中には一度も入らないそうです。畦草は月に1回刈り、いもち病がでそうなときだけ木酢を使うことにしています。 ジャンボタニシは入っていますが、冬場田んぼを乾かすので食害はないとのこと。周囲には、ザリガニがいたり、トンボが飛んでいました。
 田植えは4月15日で、すでに穂がでている稲もあり、1週間ほど早く、7月1日頃には穂揃いを迎えるとのことです。
 村上さんは減反していませんが、周囲の慣行栽培田んぼは、一部減反(額縁)、オクラ栽培に切りかえるなどしています。 遊ばせてコスモス畑にしている人もいるようです。
表示制度については、高生連の要請で、3年前に県の認証をとりましたが、シールなどは用意しませんでした。今後も、 認証をとるつもりはないとのことです。


■冨家ライスファミリー(野市町)


 以前はコシヒカリとナツヒカリを栽培していましたが、今は、ナツヒカリの流通量が減ったため、コシヒカリに切り替え、 植える時期をずらしています。栽培は、除草剤1回使用し、イモチ対策で殺菌剤を1回使用する場合があります。
 このグループの特徴は、裏作で大豆を栽培していることです。稲刈りする前に大豆を播種し、稲をマルチ代わりにしています。 大豆がよく取れた田んぼは、稲も収穫量が多く、大豆がとれなかった田んぼは、稲の収穫量も落ちるそうです。 大豆の根粒菌による窒素固定の力をみるようで興味深いエピソードです。田植えは4月5日頃からで、今年は生育が4~5日早く、 6月末には穂がそろうようです。
 近年ホタルが増えています。ホタルの幼虫のエサとなるゴーナ(カワニナ)が増えています。また、昨年から赤トンボが早くから飛ぶようになり、 シオカラトンボなども飛んでいました。
 高知県の8割減農薬農産物認証をとっていますが、シールなどの表示はしていません。 高生連のしおりにある生産者からのメッセージで十分だと考えています。



■田島邦雄さん・誠さん(南国市)
田島誠さん

 南国市の市議会議長でもある田島邦雄さんに代わって、農業4年目の田島誠さんに案内していただきました。肥育牛、養鶏も営む田島さんにとって、 過去2年間は厳しい日々でした。最近は、牛の市況が回復しましたが、同時に子牛の値段も上がっています。決して楽な状況ではありませんが、 誠さんは、飼料を自給し、薬を使わず、販売した肉や米などがどこにいき、誰が食べるのわかるようにしたい、頭数を増やしていき、 自家販売も拡大したいと畜産への夢を持っています。稲も、複合経営の一貫としてとらえており、 米と同時に稲わらがたくさんとれることも考えています。コシヒカリを栽培していますが、飼料米にも取り組んでいます。
 最近、区画整備が行われ、メダカが減ったそうです。しかし、スッポンが増えているとか。
 田島さんの稲は、米ぬかと機械除草、手取りによる無農薬栽培と、除草剤1回の低農薬栽培があります。その他の農薬は使わず、 田植えを粗植にして、日当たり、風当たりを良くし、肥料も最小限度にすることで健康な稲作りをしています。ジャンボタニシが増えているので、 稲を食べられないようにしながら、除草にも一役買ってもらっています。
 表示についてお聞きしたところ、誠さんは、ブランド価値としてはいいかも知れないが、記録をきちんとしていなければ、本当の意味はない。 それよりも、作物の質を上げて評価してもらう方がよいのではないかと考えています。



■門脇孝行さん(南国市)
門脇孝行さん

 農薬を使わない方がいいにこしたことはないが、農家の第一は「おいしい」作物づくりだと考える門脇さんです。米については、 除草剤1回を除いては、ずっと農薬を使わずにきました。品種はコシヒカリ。除草剤も、高知で一般的な4剤混合ではなく3剤混合を選んでいます。 今も、無農薬栽培にも挑戦しています。最近は、ヤカラというヒエにも似たイネ科の草が増え、これはジャンボタニシでも食べないため、 手取り作業が大変です。
 家の裏の斜面にある田んぼでは、水口の水が冷たいところでジャンボタニシにイネが少し食べられていました。トンボが多く飛んでいましたが、 何年かに一度は大発生するそうで、今年は秋が早いかも知れないとのことでした。
 表示基準については、県の8割減農薬認証は受けていますが、シールはつけていません。経営の主力のピーマンについては、 個包装のため特別栽培表示をしているそうです。



■門田理博さん(南国市)
門田理博さん

 2町歩を無農薬栽培している門田さん。品種はコシヒカリです。田植え後に米ぬかを入れ、抑草しています。また、 ジャンボタニシも除草に役立っています。しかし、水口あたりは、ジャンボタニシに食べられ2回ほど植え直したとか。 今も分けつ部分はやわらかいために少し食べられています。ジャンボタニシは増えすぎると田を干し上げて減らします。 水の管理が大変だということでした。
 今年はシラサギが少ないそうですが、ツチガエルとアマガエルはたくさんいました。トノサマガエルは今年これまでに10匹ぐらいは見たそうです。
 表示制度については、基本を「顔の見える関係」においているので、関係ないと考えています。ウソのつけるような表示ではなく、消費者に、 栽培などのこだわりについてもきちんと伝えたいとのことです。
 2年前には、地域の畑作でヨトウムシが発生していて、農薬ではなく、フェロモントラップを地域ぐるみで普及させていましたが、 ヨトウムシが減ったため、今はやらなくてよくなったそうです。
 門田さんの地域は、減反する人がほとんどおらず、皆、米を栽培し、中には、地力回復のため牧草を栽培している人もいるとのことでした。



■西村昭夫さん(南国市)
西村昭夫さん

 コシヒカリの無農薬栽培をしている西村昭夫さんです。ポット苗を作り、背の高い健康な苗を植えます。すでに穂が出そろっていて、 周囲の慣行栽培とは姿がまったく違っています。「スズメが毎年一番にやってくる田んぼだ」とのこと。水はけの良い土のため、 水はずっと張りっぱなしです。除草は、刈り取り後に耕耘を何度もやって草の根を切り、田植え前に2回代かきして、さらに、 米ぬかと光合成菌を田植え後に入れ、深水管理で草が発芽できないようにしています。米ぬかは、小粒のペレットができたことで、 散布がとても楽になり、効果も上がったようです。ジャンボタニシもいて、除草の役に立っているとのことでした。
 光合成菌と自家製フラボノイド、ケイ酸土を3回散布し、イネを固く、強く育てて病虫害を防ぎます。フラボノイドは、イネの余り苗、竹の子 (ハチク)、松の新芽、黒砂糖やにがりを入れたものです。
 やっかいなイネミズゾウムシは、風で田んぼの水がかたよった時に、コンクリートの畦に集まるので、そこをバーナーで焼いていました。
 西村さんは、毎回お話を伺うたびに、作業記録などを記録したノートを持参されます。そして、 バケツ田んぼをこしらえて自家製資材の効果を比較したり、田んぼでも区画を区切って資材の効果を実験するなど、 今も工夫と実験と実践を繰り返しています。
 表示制度については、特別栽培にしても高知県の認証制度にしても、制度がよく変わり、結局は机上の理屈に過ぎないと、矛盾を指摘されました。


■島岡幹夫さん(窪川町)


 窪川ジャガイモクラブの島岡さんは、窪川町の議会議長でもあります。 「減反裁判の原告をやっていた人間が、県の農業関係の会合に出るとなかなかおもしろい」と島岡さん。2年ぶりに訪ねてみると、 作業小屋が新しくなっていて、屋根一面が太陽光発電パネルになっていました。晴れた日だと3キロワットは発電できるそうで、 余った電力は四国電力に販売しています。窪川町で最初の太陽光発電です。原発反対運動を長くされており、電力会社の方から 「まさか島岡さんから電力を買う時代が来るとは」と言われたとか。
 6年前に酪農をやめてから残ったたい肥を使っていましたが、それもほぼなくなったため、今は、 JAのたい肥センターがつくるたい肥を入れています。また、コイン精米機の米ぬかを入れていますが、最近ヒエが増えています。 米ぬかに混ざっていたのではと島岡さんは考えています。栽培品種は、コシヒカリ、ヒノヒカリに、サイワイモチ、 酒米のヤマダニシキも栽培しています。除草については、稲刈りした日が一番田が乾いているので、まず、耕耘し、たい肥も入れて、 それから何度か耕耘しています。地域では、大規模な大豆への転作が進んでいますが、島岡さんは今も減反や転作せず、米を栽培しています。一方で、 島岡和子さんを中心に6人の女性が納豆クラブをつくり、自分たちの小さな大豆畑で大豆を栽培し、それを納豆にして販売しています。 試食しましたが、豆の香りのしっかりするおいしい納豆でした。
 表示制度についは、そもそも、無農薬栽培や有機栽培は25年前からやっていることで、あとから、 農水省や高知県などが言っていることにすぎないと考えています。



■鬼頭昭憲さん(窪川町)


 鬼頭さんも窪川ジャガイモクラブの一員です。栽培している品種は「あきたこまち」で、「一番作りやすい」とのこと。 だいたい1反あたり9俵はとれるということです。農薬は、初期除草剤1回のみで、草が生えて稲に影響する場合のみ、手取り除草しています。 イネミズゾウムシの被害については、できるだけ遅めに田植えをすることと、被害があっても、水口の冷たい場所ぐらいであり、虫との共存で 「残ったものを収穫する」という考えに立っており、特に何もしていません。カメムシについても、「米粒の黒点がつくのはあたりまえで、 農薬を使わないことを消費者には理解して欲しい」ということでした。
 表示制度については、高知の認証をとっていますが、シールでの表示はしていません。高知の認証をとると、確認に来てくれるので、 その点は評価していますが、表示については、生産者のそれぞれの特徴が表現しきれないため、 高生連がやっているひとりひとりの名前とメッセージをつける方式がよいと考えています。
 島岡さんと鬼頭さんの田んぼの近くには、ビオトープができています。地域の人たちが自分たちで計画し、手を入れてきたビオトープで、 たくさんの生き物がいるすてきな空間になっていました。島岡さんの山際の田んぼでは、池から田んぼに入る水口のところに、 小さな池があってそこに子どもたちが来て、イモリを触ったりしているそうです。地域での環境学習や環境保全にも取り組まれています。



■井上次男さん(窪川町)


 窪川ジャガイモクラブの一員ですが、より山際に入ったところに井上さんの田んぼはあります。周辺は、ヒノヒカリが増えてきましたが、 井上さんはあきたこまちを栽培しています。早稲品種であることで、カメムシやニカメイチュウの被害を避けられることから選んでいます。もともと、 原発の反対運動をはじめ、その流れで農薬を使わない農業にも取組みはじめた井上さんは、牛も飼っていて、動物との共生を考えています。 田んぼには、野ウサギやイノシシが入ってきます。周囲にも田んぼはあるのですが、必ず井上さんの田んぼに来て、 イノシシが実ったイネを食べに来るそうです。明け方が多く、そのたびに、竹を持って追い払いに来ているとか。イノシシは、 ミミズや実ったイネを食べています。
 カメムシは昨年多く発生し、ウンカやイモチによる被害もありますが、イネをできるだけ固く育てることで被害を減らそうとしています。 ただニカメイチュウには手を焼いています。イモチ対策は、米酢を希釈して散布しています。
 表示については、近辺に普通作の田んぼなどがあり、もし水や土が汚染されていて残留農薬が出たときのことを考えると自分が無農薬栽培でも 「無農薬」とは表示したくない。だから、表示は考えておらず、高生連のような形で、しおりを入れるのがよいとのことです。



■西山和明さん(宿毛市)


 西山和さんが昨年お亡くなりになりました。今は、ご子息の和明さんが、合鴨農法を継ぎ、米作りをしています。
 今年はアイガモがカラスに15羽ほど食べられました。最近は、家庭の生ごみをカラスよけのネットで防いでいるため、 カラスも必死に合鴨を狙っているようです。そこで、田んぼにテグスを張り、周囲にも野犬よけもしています。
 アイガモは、鳥のガーガーという音を出すおもちゃを使って慣らしてあります。この音が聞こえると、アイガモたちが一斉に寄ってきます。 昨年のアイガモも「かわいいから」少し残してあって、一緒に行動していました。
 米ぬか除草にも取組みましたが、ホタルイなどが多く手取り作業がとてもかかっています。しかし、ヤゴ、オタマジャクシ、 イトミミズなど生き物は多く出ているそうです。ツバメやオニヤンマ、ギンヤンマなどが空を飛んでいました。
 川からコイを釣ってきて、虫対策の実験をしたり、裸足で田んぼに入り、土の変化や昆虫や水生動物について観察したりもしています。 「昆虫などは子どもの頃から好きですから」と、西山さん。
 病虫害対策については、竹炭、にんにく、唐辛子に、生にんにくをさらに足して散布し、カメムシ対策をするなど工夫しています。


■チョットいいかもクラブ (愛媛県一本松町)


 現在9人で7~10町をアイガモ農法で栽培しています。品種はコシヒカリ。農水省の環境保全型農業の実践例として愛媛県代表となり、 奨励賞をとったとのことで、ますます注目度が高くなっています。今ではグループ全体で1000羽のアイガモを購入し、除草、虫対策にしています。 しかし、ヒエにはなかかな困っているようです。また、カラス、キツネの被害もあります。
 近くの小学校では、小学校5年生が学校田としてアイガモ農法を続けており、グループの山本さんが10年ほど、それから、 代表の二神さんが今は先生として教えています。学校田は餅米を作り、行事の時に食べるそうです。
近辺でも、比較的若い生産者がアイガモ農法を本格的にはじめており、地域の広がりも出ています。
 二神さんは、今年、コイ除草の実験もはじめました。
 同行した加茂有機米生産組合の石附健一さんがインターネットでの米産直をやっていると聞き、 数年前にパソコンをはじめたという73歳の二神さんは、「もっと私が若かったら」と、うらやましがっていました。 この二神さんの情熱がチョットいいかもクラブを動かし、地域に良い影響を与えているのだと思います。


■高生連事務所(高知市)


 今回一緒に回ったのは、星川さんと松林さんです。星川さんが、米の担当で集荷、精米などの責任者として働いています。今は、 精米するお米がほとんどない時期ですが、あと1カ月もすると、星川さんにとって一番忙しい時期がやってきます。
「とにかく、掃除をきちんとすることに心がけています」と星川さん。生産者別、精米方法別に分け、 それぞれの袋に生産者のメッセージを入れながら、異物混入を避けるためには、まずは掃除と整頓だといいます。星川さんは、石附さんから、 玄米の色選方法について実際に機械を操作しながら情報交換していました。「できれば、時間をとって、提携米の各産地を回り、 精米方法などについて学びたい」と星川さん。この努力が、高生連の米の品質を向上させています。

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