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■村上真一郎さん(香我美町)

紙マルチでコシヒカリを無農薬栽培しています。面積は1町5反。紙マルチはうまくいっているようで、草はまったくなく、
中干しまで田の中には一度も入らないそうです。畦草は月に1回刈り、いもち病がでそうなときだけ木酢を使うことにしています。
ジャンボタニシは入っていますが、冬場田んぼを乾かすので食害はないとのこと。周囲には、ザリガニがいたり、トンボが飛んでいました。
田植えは4月15日で、すでに穂がでている稲もあり、1週間ほど早く、7月1日頃には穂揃いを迎えるとのことです。
村上さんは減反していませんが、周囲の慣行栽培田んぼは、一部減反(額縁)、オクラ栽培に切りかえるなどしています。
遊ばせてコスモス畑にしている人もいるようです。
表示制度については、高生連の要請で、3年前に県の認証をとりましたが、シールなどは用意しませんでした。今後も、
認証をとるつもりはないとのことです。
■冨家ライスファミリー(野市町)

以前はコシヒカリとナツヒカリを栽培していましたが、今は、ナツヒカリの流通量が減ったため、コシヒカリに切り替え、
植える時期をずらしています。栽培は、除草剤1回使用し、イモチ対策で殺菌剤を1回使用する場合があります。
このグループの特徴は、裏作で大豆を栽培していることです。稲刈りする前に大豆を播種し、稲をマルチ代わりにしています。
大豆がよく取れた田んぼは、稲も収穫量が多く、大豆がとれなかった田んぼは、稲の収穫量も落ちるそうです。
大豆の根粒菌による窒素固定の力をみるようで興味深いエピソードです。田植えは4月5日頃からで、今年は生育が4~5日早く、
6月末には穂がそろうようです。
近年ホタルが増えています。ホタルの幼虫のエサとなるゴーナ(カワニナ)が増えています。また、昨年から赤トンボが早くから飛ぶようになり、
シオカラトンボなども飛んでいました。
高知県の8割減農薬農産物認証をとっていますが、シールなどの表示はしていません。
高生連のしおりにある生産者からのメッセージで十分だと考えています。

■田島邦雄さん・誠さん(南国市)

南国市の市議会議長でもある田島邦雄さんに代わって、農業4年目の田島誠さんに案内していただきました。肥育牛、養鶏も営む田島さんにとって、
過去2年間は厳しい日々でした。最近は、牛の市況が回復しましたが、同時に子牛の値段も上がっています。決して楽な状況ではありませんが、
誠さんは、飼料を自給し、薬を使わず、販売した肉や米などがどこにいき、誰が食べるのわかるようにしたい、頭数を増やしていき、
自家販売も拡大したいと畜産への夢を持っています。稲も、複合経営の一貫としてとらえており、
米と同時に稲わらがたくさんとれることも考えています。コシヒカリを栽培していますが、飼料米にも取り組んでいます。
最近、区画整備が行われ、メダカが減ったそうです。しかし、スッポンが増えているとか。
田島さんの稲は、米ぬかと機械除草、手取りによる無農薬栽培と、除草剤1回の低農薬栽培があります。その他の農薬は使わず、
田植えを粗植にして、日当たり、風当たりを良くし、肥料も最小限度にすることで健康な稲作りをしています。ジャンボタニシが増えているので、
稲を食べられないようにしながら、除草にも一役買ってもらっています。
表示についてお聞きしたところ、誠さんは、ブランド価値としてはいいかも知れないが、記録をきちんとしていなければ、本当の意味はない。
それよりも、作物の質を上げて評価してもらう方がよいのではないかと考えています。

■門脇孝行さん(南国市)

農薬を使わない方がいいにこしたことはないが、農家の第一は「おいしい」作物づくりだと考える門脇さんです。米については、
除草剤1回を除いては、ずっと農薬を使わずにきました。品種はコシヒカリ。除草剤も、高知で一般的な4剤混合ではなく3剤混合を選んでいます。
今も、無農薬栽培にも挑戦しています。最近は、ヤカラというヒエにも似たイネ科の草が増え、これはジャンボタニシでも食べないため、
手取り作業が大変です。
家の裏の斜面にある田んぼでは、水口の水が冷たいところでジャンボタニシにイネが少し食べられていました。トンボが多く飛んでいましたが、
何年かに一度は大発生するそうで、今年は秋が早いかも知れないとのことでした。
表示基準については、県の8割減農薬認証は受けていますが、シールはつけていません。経営の主力のピーマンについては、
個包装のため特別栽培表示をしているそうです。

■門田理博さん(南国市)

2町歩を無農薬栽培している門田さん。品種はコシヒカリです。田植え後に米ぬかを入れ、抑草しています。また、
ジャンボタニシも除草に役立っています。しかし、水口あたりは、ジャンボタニシに食べられ2回ほど植え直したとか。
今も分けつ部分はやわらかいために少し食べられています。ジャンボタニシは増えすぎると田を干し上げて減らします。
水の管理が大変だということでした。
今年はシラサギが少ないそうですが、ツチガエルとアマガエルはたくさんいました。トノサマガエルは今年これまでに10匹ぐらいは見たそうです。
表示制度については、基本を「顔の見える関係」においているので、関係ないと考えています。ウソのつけるような表示ではなく、消費者に、
栽培などのこだわりについてもきちんと伝えたいとのことです。
2年前には、地域の畑作でヨトウムシが発生していて、農薬ではなく、フェロモントラップを地域ぐるみで普及させていましたが、
ヨトウムシが減ったため、今はやらなくてよくなったそうです。
門田さんの地域は、減反する人がほとんどおらず、皆、米を栽培し、中には、地力回復のため牧草を栽培している人もいるとのことでした。

■西村昭夫さん(南国市)

コシヒカリの無農薬栽培をしている西村昭夫さんです。ポット苗を作り、背の高い健康な苗を植えます。すでに穂が出そろっていて、
周囲の慣行栽培とは姿がまったく違っています。「スズメが毎年一番にやってくる田んぼだ」とのこと。水はけの良い土のため、
水はずっと張りっぱなしです。除草は、刈り取り後に耕耘を何度もやって草の根を切り、田植え前に2回代かきして、さらに、
米ぬかと光合成菌を田植え後に入れ、深水管理で草が発芽できないようにしています。米ぬかは、小粒のペレットができたことで、
散布がとても楽になり、効果も上がったようです。ジャンボタニシもいて、除草の役に立っているとのことでした。
光合成菌と自家製フラボノイド、ケイ酸土を3回散布し、イネを固く、強く育てて病虫害を防ぎます。フラボノイドは、イネの余り苗、竹の子
(ハチク)、松の新芽、黒砂糖やにがりを入れたものです。
やっかいなイネミズゾウムシは、風で田んぼの水がかたよった時に、コンクリートの畦に集まるので、そこをバーナーで焼いていました。
西村さんは、毎回お話を伺うたびに、作業記録などを記録したノートを持参されます。そして、
バケツ田んぼをこしらえて自家製資材の効果を比較したり、田んぼでも区画を区切って資材の効果を実験するなど、
今も工夫と実験と実践を繰り返しています。
表示制度については、特別栽培にしても高知県の認証制度にしても、制度がよく変わり、結局は机上の理屈に過ぎないと、矛盾を指摘されました。

■島岡幹夫さん(窪川町)

窪川ジャガイモクラブの島岡さんは、窪川町の議会議長でもあります。
「減反裁判の原告をやっていた人間が、県の農業関係の会合に出るとなかなかおもしろい」と島岡さん。2年ぶりに訪ねてみると、
作業小屋が新しくなっていて、屋根一面が太陽光発電パネルになっていました。晴れた日だと3キロワットは発電できるそうで、
余った電力は四国電力に販売しています。窪川町で最初の太陽光発電です。原発反対運動を長くされており、電力会社の方から
「まさか島岡さんから電力を買う時代が来るとは」と言われたとか。
6年前に酪農をやめてから残ったたい肥を使っていましたが、それもほぼなくなったため、今は、
JAのたい肥センターがつくるたい肥を入れています。また、コイン精米機の米ぬかを入れていますが、最近ヒエが増えています。
米ぬかに混ざっていたのではと島岡さんは考えています。栽培品種は、コシヒカリ、ヒノヒカリに、サイワイモチ、
酒米のヤマダニシキも栽培しています。除草については、稲刈りした日が一番田が乾いているので、まず、耕耘し、たい肥も入れて、
それから何度か耕耘しています。地域では、大規模な大豆への転作が進んでいますが、島岡さんは今も減反や転作せず、米を栽培しています。一方で、
島岡和子さんを中心に6人の女性が納豆クラブをつくり、自分たちの小さな大豆畑で大豆を栽培し、それを納豆にして販売しています。
試食しましたが、豆の香りのしっかりするおいしい納豆でした。
表示制度についは、そもそも、無農薬栽培や有機栽培は25年前からやっていることで、あとから、
農水省や高知県などが言っていることにすぎないと考えています。

■鬼頭昭憲さん(窪川町)

鬼頭さんも窪川ジャガイモクラブの一員です。栽培している品種は「あきたこまち」で、「一番作りやすい」とのこと。
だいたい1反あたり9俵はとれるということです。農薬は、初期除草剤1回のみで、草が生えて稲に影響する場合のみ、手取り除草しています。
イネミズゾウムシの被害については、できるだけ遅めに田植えをすることと、被害があっても、水口の冷たい場所ぐらいであり、虫との共存で
「残ったものを収穫する」という考えに立っており、特に何もしていません。カメムシについても、「米粒の黒点がつくのはあたりまえで、
農薬を使わないことを消費者には理解して欲しい」ということでした。
表示制度については、高知の認証をとっていますが、シールでの表示はしていません。高知の認証をとると、確認に来てくれるので、
その点は評価していますが、表示については、生産者のそれぞれの特徴が表現しきれないため、
高生連がやっているひとりひとりの名前とメッセージをつける方式がよいと考えています。
島岡さんと鬼頭さんの田んぼの近くには、ビオトープができています。地域の人たちが自分たちで計画し、手を入れてきたビオトープで、
たくさんの生き物がいるすてきな空間になっていました。島岡さんの山際の田んぼでは、池から田んぼに入る水口のところに、
小さな池があってそこに子どもたちが来て、イモリを触ったりしているそうです。地域での環境学習や環境保全にも取り組まれています。

■井上次男さん(窪川町)

窪川ジャガイモクラブの一員ですが、より山際に入ったところに井上さんの田んぼはあります。周辺は、ヒノヒカリが増えてきましたが、
井上さんはあきたこまちを栽培しています。早稲品種であることで、カメムシやニカメイチュウの被害を避けられることから選んでいます。もともと、
原発の反対運動をはじめ、その流れで農薬を使わない農業にも取組みはじめた井上さんは、牛も飼っていて、動物との共生を考えています。
田んぼには、野ウサギやイノシシが入ってきます。周囲にも田んぼはあるのですが、必ず井上さんの田んぼに来て、
イノシシが実ったイネを食べに来るそうです。明け方が多く、そのたびに、竹を持って追い払いに来ているとか。イノシシは、
ミミズや実ったイネを食べています。
カメムシは昨年多く発生し、ウンカやイモチによる被害もありますが、イネをできるだけ固く育てることで被害を減らそうとしています。
ただニカメイチュウには手を焼いています。イモチ対策は、米酢を希釈して散布しています。
表示については、近辺に普通作の田んぼなどがあり、もし水や土が汚染されていて残留農薬が出たときのことを考えると自分が無農薬栽培でも
「無農薬」とは表示したくない。だから、表示は考えておらず、高生連のような形で、しおりを入れるのがよいとのことです。

■西山和明さん(宿毛市)

西山和さんが昨年お亡くなりになりました。今は、ご子息の和明さんが、合鴨農法を継ぎ、米作りをしています。
今年はアイガモがカラスに15羽ほど食べられました。最近は、家庭の生ごみをカラスよけのネットで防いでいるため、
カラスも必死に合鴨を狙っているようです。そこで、田んぼにテグスを張り、周囲にも野犬よけもしています。
アイガモは、鳥のガーガーという音を出すおもちゃを使って慣らしてあります。この音が聞こえると、アイガモたちが一斉に寄ってきます。
昨年のアイガモも「かわいいから」少し残してあって、一緒に行動していました。
米ぬか除草にも取組みましたが、ホタルイなどが多く手取り作業がとてもかかっています。しかし、ヤゴ、オタマジャクシ、
イトミミズなど生き物は多く出ているそうです。ツバメやオニヤンマ、ギンヤンマなどが空を飛んでいました。
川からコイを釣ってきて、虫対策の実験をしたり、裸足で田んぼに入り、土の変化や昆虫や水生動物について観察したりもしています。
「昆虫などは子どもの頃から好きですから」と、西山さん。
病虫害対策については、竹炭、にんにく、唐辛子に、生にんにくをさらに足して散布し、カメムシ対策をするなど工夫しています。

■チョットいいかもクラブ
(愛媛県一本松町)

現在9人で7~10町をアイガモ農法で栽培しています。品種はコシヒカリ。農水省の環境保全型農業の実践例として愛媛県代表となり、
奨励賞をとったとのことで、ますます注目度が高くなっています。今ではグループ全体で1000羽のアイガモを購入し、除草、虫対策にしています。
しかし、ヒエにはなかかな困っているようです。また、カラス、キツネの被害もあります。
近くの小学校では、小学校5年生が学校田としてアイガモ農法を続けており、グループの山本さんが10年ほど、それから、
代表の二神さんが今は先生として教えています。学校田は餅米を作り、行事の時に食べるそうです。
近辺でも、比較的若い生産者がアイガモ農法を本格的にはじめており、地域の広がりも出ています。
二神さんは、今年、コイ除草の実験もはじめました。
同行した加茂有機米生産組合の石附健一さんがインターネットでの米産直をやっていると聞き、
数年前にパソコンをはじめたという73歳の二神さんは、「もっと私が若かったら」と、うらやましがっていました。
この二神さんの情熱がチョットいいかもクラブを動かし、地域に良い影響を与えているのだと思います。

■高生連事務所(高知市)

今回一緒に回ったのは、星川さんと松林さんです。星川さんが、米の担当で集荷、精米などの責任者として働いています。今は、
精米するお米がほとんどない時期ですが、あと1カ月もすると、星川さんにとって一番忙しい時期がやってきます。
「とにかく、掃除をきちんとすることに心がけています」と星川さん。生産者別、精米方法別に分け、
それぞれの袋に生産者のメッセージを入れながら、異物混入を避けるためには、まずは掃除と整頓だといいます。星川さんは、石附さんから、
玄米の色選方法について実際に機械を操作しながら情報交換していました。「できれば、時間をとって、提携米の各産地を回り、
精米方法などについて学びたい」と星川さん。この努力が、高生連の米の品質を向上させています。
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