2004年産地確認会報告 庄内協同ファーム
[ 2004年12月31日 庄内協同ファーム ]
■庄内協同ファーム
(山形県余目町、三川町、鶴岡市、羽黒町、藤島町)
訪問者:橋本(代表)、加藤(やまゆり)、前川(大地・事務局)、
牧下(事務局)

9月2日に訪問しました。午前中は提携米確認会として、午後からは、庄内協同ファーム米部会のほ場巡回と合同で行いました。
米部会、ほ場巡回の部会員向け案内文には、「先日(8月19日、20日)は、最大風速39.9mの台風で収量への影響が心配されます。
特に出穂の遅かったコシヒカリやでわのもちに白穂が見え、どの稲も止め葉の先が縮れ、穂先の籾も2粒~5粒くらい白くなっているようです。
その点も含め収量予想をしながらほ場巡回をしたいと思います」とありました。
その言葉通り、各地で台風は大きな被害を出していました。雨のない台風だったため、稲が倒れてしまっているということはなく、
倒れた稲もすでに起きあがっていましたが、一見してきれいな田んぼでも近づいてみると痛んでいるということがよくありました。
■佐藤和則さん・余目町

ひとめぼれの有機栽培です。風の強い場所ですが、昨年から紙マルチを導入し、ヒエが年々少なくなっているそうです。
手取り除草を2回入れています。台風の被害は葉先が中心で、白穂はほとんどありませんでした。
ひとめぼれの方が出穂が早い分だけ被害は軽かったようですが、それでも有色粒などもあります。
昨年は冷害で3俵ほどしかとれなかったため今年はそれよりも取れるだろうとのことでした。
■富樫英治さん・余目町

除草剤1回(ダイハード)の減農薬栽培です。コシヒカリ、でわのもちを栽培しています。畦添いの風が強く当たったところは白穂になっています。
穂先が茶色くなり、有色粒になっているものが多く、全体に白く、あるいは、茶色く穂が色づいていますが、これは、台風の影響です。
富樫さんによると、台風後1週間頃に急に茶や白穂になってきたということです。葉先も枯れています。ちょうど、穂が出そろった頃の台風でした。
■今野裕之さん・余目町

コシヒカリの有機栽培です。アイガモ除草の田と機械除草の田があります。また、一部もち米を栽培し、紙マルチも導入しています。アイガモは、
今年、タイミングが合わず5月末頃、小さいうちに入れることとなり、
カラスにやられて7月18日に田んぼから上げる頃には最初に入れた200羽のうち50羽しか残りませんでした。そのためアイガモを入れながら、
機械除草もやることになりました。
特徴的に、畦沿いが一列まっ白になっています。田んぼと田んぼの境でも同じことが起きています。風の巻き込みが起こした現象です。
ちょうど穂先や葉先から明け方にかけて強制的に蒸散させられたというような状態で枯れていました。
コシヒカリは8月20日の夕方には白穂が目立つようになっていたそうです。穂先全体が白くなっているものと、
穂の一部が白くなっているものがあり、穂の一部が白くなっている穂が多いため、実の太り方が穂によってまちまちとなり、
今年は粒が揃わないのではないかと心配しています。平年が6.5俵、昨年が5.5俵ぐらいで、今年も昨年程度ではないだろうかとの見込みです。
紙マルチでのもち米は、台風16号による風での脱粒が見られました。
ちなみに、紙マルチの田植え後、カラスが紙の端をつまんでは持ち上げるという仕草を何度もしていたそうです。エサをとっているのか、
遊んでいるのか、不思議な光景だったとのことです。
■菅原孝明さん・三川町

ひとめぼれをアイガモでの有機と、除草剤1回(ダブルスター)の特別栽培で栽培しています。どちらも、手取りでヒエ抜きを行っています。
ひとめぼれもコシヒカリほどではありませんが、穂先の枝梗が枯れていたり、葉先が痛んでいたり、有色粒が多くなっています。「今年は、
有機での多収を狙っていたのに」と菅原さんは残念がっていました。
また、菅原さんが栽培しているもち米は白穂のほか脱粒も多く見られ、穂先ごとたくさん落ちていて、風の強さを物語っていました。
脱粒が多いため、「来年は、脱粒米から稲が育つ分も必ずあるので、今年もち米を植えたところにはもちを、
うるち米を植えたところにはうるちを植えないと、混粒してしまう」ということでした。
■五十嵐良一さん・鶴岡市
昨年は紙マルチ田植え直後の地震で紙がずれて稲がすべて隠れてしまい、さらに冷害とイネミズゾウムシによる被害を受けた五十嵐さんですが、
今年は、台風の被害を大きく受けてしまいました。イネミズゾウムシ対策は、今年、アイガモを導入し、6反に90羽を入れたところ、
草もイネミズゾウムシもなくなり、成功しました。アイガモの方は、カラスの被害などで最後は58羽の回収となりました。
五十嵐さんの田んぼは、ひとめぼれの減農薬(除草剤1回)とコシヒカリおよびでわのもちの有機栽培ほ場があり、
コシヒカリはでわのもちにはさまれるように栽培されています。ちょうどコシヒカリは8月14日頃から出穂しており、
台風15号の直撃を受けて白穂でまっ白になりました。
台風の被害は、田んぼにとどまらず、五十嵐さんのトマトハウスの骨組みが16号の暴風でつぶれてしまい、
中のトマトもろともだめになってしまいました。
今の段階では、稲刈りがいつ頃できるのか、田んぼがどのように推移するのか分からないという状態ですが、五十嵐さんは、米部会長でもあり、
全員に田んぼをみせて状況の分析をしていました。
■小野寺仁志さん・鶴岡市

はえぬきを除草剤1回(ダブルスター)の減農薬栽培しています。イネミズゾウムシの被害が昨年以上にひどくなったため、
今年は殺虫剤も使用しました。また、イナゴがものすごく多く、その食害もひどくなっています。
はえぬきは脱粒しにくい品種だったことと出穂が8月頭だったこともあり、台風の被害はありましたが、もち米や他の品種よりはよかったといいます。
■富樫俊悦さん・鶴岡市

コシヒカリの有機ほ場とひとめぼれの減農薬(除草剤1回)を確認しました。アイガモを4反で60羽入れています。ひとめぼれも、
畦沿いに額縁のように白穂になっています。脱粒も多く、穂先だけが枯れているものもあります。有機(アイガモ)のほ場は、出穂が遅れたため、
被害が少なかったといいます。田んぼを見るとタニシが多く、それを狙ってタヌキも来るそうです。

ここからは、庄内協同ファームの米部会と合流しての確認会です。こちらは、畦沿い、田の中の抜き取りを行い、丈の長さ、分けつ数、
穂の長さなどを測り、サンプルをとって、数量予想も行うそうです。
■斎藤健一さん・羽黒町

提携米ネットワーク理事の斎藤さんのほ場を確認するのは2年ぶりです。斎藤さんのほ場は、山手の方にあるため、昨年は、
イネミズゾウムシの被害に加えて冷害がひどく、平年で6俵の田が2.5俵しかとれませんでした。今年は、
イネミズゾウムシの被害がひどい田んぼの有機栽培をあきらめ、ひどいほ場には殺虫剤を使用しました。除草剤1回・殺虫剤1回の減農薬栽培です。
山手で台風での白穂などの被害はあまり見かけませんでしたが、やはり風にすられて着色粒が多くあります。また、
そこからイモチが入りそうだったため、お茶(カテキン)や木酢などで予防しています。田んぼには、トノサマガエルやイナゴが多くいました。
■野口吉男さん・羽黒町

ひとめぼれで、除草剤1回(ダブルスター)の栽培をしており、安定的に9俵を収穫し、昨年も8俵の収量があった野口さんの田んぼでも、
風にはやられていました。やはり、畦沿いに白穂があり、葉先や穂先が痛んでいます。しかし、出穂が早かった分だけ風の影響は少ないようです。
イネミズゾウムシにやられている部分があり、そこから光が入って草が生えていました。畦を5回草刈りするなど、
田をていねいにつくる野口さんとしては、イネミズゾウムシ対策に頭を痛めているところです。
■志藤正一さん・藤島町

不耕起で秋に元肥を入れて冬期湛水にする有機のコシヒカリと、アイガモを入れた有機のひとめぼれのほ場を見ました。
不耕起の方はコシヒカリですが、穂揃いがお盆前ということもあり、台風の被害は他のコシヒカリよりも少なく、
白穂も畦ぎわを除いては少ない印象でした。台風15号で一度たおれて、その後起きあがり、16号でもたおれ、ふたたび起きたそうです。
ひとめぼれはコシヒカリより穂揃いが早かったため台風の被害はほとんどありませんでした。でわのもちを紙マルチで栽培していますが、
こちらは紙マルチ3年目で年々イネミズゾウムシが減っているとのことです。