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2003年 提携米3産地田植え訪問 黒瀬農舎

[ 2003年06月30日 黒瀬農舎 ]

 

■黒瀬農舎(秋田県大潟村)

 15町歩の田んぼの田植え、いったいどのくらいの作業なのでしょうか。
 苗箱1枚に、黒瀬さんは110グラムの籾をまきます。種まきから約30日、田植えとなりますが、3町歩で約600枚の苗箱を使います。 1町歩で約200枚、15町歩では3000枚にもなります。
 軽トラック1台に144枚の苗が積めますが、軽トラック21台分です。これをすべて育苗場から軽トラックに積み、運び、田植機に積みかえて、 植えていくことになります。気の遠くなるような作業です。
 田植えは坪50~60株植えを目安に8条植えの田植機で1株5本ぐらいを植えていきます。15町歩で5~6日かかります。今年は、 5月18日から田植えがはじまりました。
 田植機が田んぼの端から端まで植えていくのに片道たっぷり2分以上、往復で5分以上かかっています。「大きすぎて飽きるようだねえ」とは、 苗運びをしていた隣村の女性の弁。
 私が訪ねた日は、黒瀬農舎の作業を手伝うふたりが田植えと苗運びを担当し、黒瀬さんは、代かきをしていました。
 この代かきも大潟村ならではです。巨大なキャタピラがついた大型トラクターに長さ6メートルの代かき用装置を取り付け、 田面をごうごうと音を立てながらならしていきます。以前はバランスを崩して田んぼに沈んだり、 傾いたトラクターを引き上げるのに1日がかりだったりしたそうですが、バランサーのついたキャタピラのおかげで作業は順調に進みます。しかし、 その迫力には驚かされます。代かき装置を上げたり降ろしたり、また、 トラクターが方向転換するたびに畦に立っている私にも大きな振動が伝わってきます。

 田の農村ではみられない光景ですが、畦には西洋タンポポと日本タンポポが咲き乱れ、野鳥が農作業小屋に巣を作り、 巣の中ではヒナがピーピーと餌を求め、どこにでも見られる農村の春本番を感じさせました。
田植えを終えたばかりの田んぼ。つぶつぶのようにイネが水から顔を出しています。
一度に8列ずつ植えていきます。まだ先は長い。
巨大な代かき機
このトラクターの上屋は黒瀬さんの自作
苗運びの軽トラックには、遺伝子組み換え拒否のシールが
田んぼに植えられるのを待つイネ。
苗箱を田植機に移すのも大変です
どの田んぼも、道路と田んぼの間に水路があります。
遠くの木々の向こうは残存湖
夕方まで代かきは続きます。まるで広大な湖を行く船。
今年から苗はプール育苗です。上のハウスは骨組みだけ
田んぼのそばの作業小屋には、野鳥が巣を作っていました。

 

2003年 提携米3産地田植え訪問 山本開拓農場

[ 2003年06月30日 山本開拓農場 ]

 

■山本開拓農場(秋田県山本町)

山本開拓農場(秋田県山本町)
 訪ねた5月20日が田植え初日です。風のないおだやかな日で、予定通り紙マルチを使っての無農薬田を植えることとなりました。 3年前から無農薬田んぼについては紙マルチを導入している土橋敏郎さんですが、2年目の昨年の夏、実にみごとに生えそろい、 ヒエなどの雑草がまったくない田んぼに仕上がっていました。そこで、今年は、その成功の秘訣をじっくりと追いかけてみることに。
 田植えは土橋さんと、土橋さんのところに手伝いに来ている若い男性のふたりでやります。途中から土橋さんの奥さんも参加しました。
 田植機は6条植えで紙マルチ田植えと紙マルチを敷かない普通の田植えができる両用タイプです。苗箱の籾は110グラム、黒瀬農舎と同じです。 田植えは1坪65株植えにしています。
 田植えは、一般の田植え同様に畦の回りをぐるりとあけて、中を往復しながら植えていきます。土橋さんが最初に気にするのはスタート地点。 畦の回りに開ける長さを慎重に測ってから最初の田植えをはじめます。田植えは通常の田植機よりもかなりゆっくりしたスピードで、 苗がしっかりと植わっているか、紙マルチの紙がきちんと田面の水分によって密着しているか、よじれていないかを確認しながら進めていきます。
 途中紙が切れると紙を入れ替え、田植機を少しだけ進めてから再び田植機を降り、 紙マルチを巻いていた紙筒を使ってていねいに紙の継ぎ目をならしていきます。ならした後に紙筒を継ぎ目に置いて重しがわりにします。 田植機が旋回して往復するときには、きちんと同じ幅で紙を重ねていきます。重ね目は水がつきにくく、わずかな風でもあおられますが、 全体がきちんと田面に密着しているため、重ね目がめくれてもすぐに元に戻ってしまいます。
 田植機が旋回したあとは、きれいにならし、紙の切れ目もきちんと田面に密着するようなでていきます。ちょっとでも苗が浮いたりすると、 そのたびに田植機を止めては苗を紙マルチにできた穴にきちんと植えていきます。
 紙マルチで田植えをすると、植えたところには紙が溶けるまで入ることができません。つまり、 田植えしながら抜けがあってもそこを補植することができないのです。また、紙と紙にすきまができたり、 苗の抜けがあるとそこからヒエや草が生えてきます。
 どんなに時間がかかっても、紙マルチを敷いていく田んぼは、田面の土が見えないように覆うことが最大の特徴のようです。
 土橋さんの作業のていねいさに少しだけ紙マルチ式稲作の成功の秘訣が見えてきました。

開拓農場に今年登場した看板。提携米ネットワークと書いてあります。
田植え開始。不思議な景色。
田植機のあとをていねいにならしていきます。
紙の交換です。継ぎ目は、ロール芯で抑えて。
さらに、ロール芯を継ぎ目がめくれないように重しにします。
浮いた苗や抜けはすぐに植えます。
端は土に押しつけます。
田んぼの真ん中がすべて植わったら、幅をはかって紙を切り落とします。
よぶんな紙は手ではいでいきます。
最後まで、気を抜かずに紙の継ぎ目を押えていきます。
最後に空いたスペースには、マルチ紙を敷いて、きちんと覆います。
植えられた稲。紙マルチでぬくぬくです。

 

2003年 提携米3産地田植え訪問 遊農くらぶ

[ 2003年06月30日 遊農くらぶ ]

 

■遊農くらぶ(山形県遊佐町)

 遊農くらぶの尾形さんの田植えは、遊佐町の平場でも最後の最後です。今年は5月19日から田植えをはじめました。訪ねたのは5月21日、 確かにまわりで減反や転作をしているところ以外はすべて水が張られ苗がそよいでいます。今、水を張ってあって、 植えていないのは尾形さんの田んぼだけとのこと。
 5月の連休中に植える人が多いようですが、寒くて作業は辛そうだったようです。
 さて、尾形さんは毎年田植機をリースで借りています。この時期になると田植機を借りる人もなく、最新式の田植機が借りられるのです。 今年の田植機は6条植えですが、作業効率がよいようで、田植機に乗る修一郎さんはご機嫌です。 1日作業をしていても途中で田植機から降りることがないため、長靴がまったく汚れていません。
 作業は、なつさんと、息子さんが交代で苗はこびや旋回したところの田んぼならしをします。
 尾形さんのところは、1苗箱に薄まきの70グラム。約35日で田植えをしています。植えるのは1坪60株(コシヒカリの場合、 ヒトメボレは70株植え)です。黒瀬農舎と同じプール育苗ですが、こちらは、田植えまでずっと水を切らさずに流しています。そのため、 苗箱はとても重いですが、根は充分に張っており、苗箱の裏からびっしりと根が出ていました。
 晴れ間から鳥海山を望むことができ、鳥海山を背景にして田植えする姿は、「植えていても気持ちいい」となつさん。
上と中:
下:
 取材中にメンバーの土門さんが顔を見せ、今年から農業を継ぐために戻ってきた息子さんに畦の水漏れ防止シートの張り方などを指導していました。
 今年もアイガモを放すそうですが、鴨の生産者がアイガモよりもマガモの方に食肉の需要があるため、今年はマガモが来るそうです。 この変化もまた楽しみです。


苗箱はひとつずつ持ち上げなければなりません。
水をたっぷり含んだ苗箱はとても重い。
軽トラにつんで、田んぼまで苗を運びました
苗箱の裏は、びっしりと苗の根が張っていました。
鳥海山を仰ぎながら、気持ちよく田植え
リースだけど、新品の田植機で作業は楽々
ここでは6条植えです
苗箱の中にはびっしりと藻が生えていました。
ル育苗のポイントは、水の偏りが出ないように平らに揃えることです。
土門さんはとうに田植えを終えて、右の今年大豆を植える田圃に水がしみださないよう畦シートを張っていました。
苗箱の中で虫をねらうカエル。

 

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