2000年産地確認会(山本開拓農場)
[ 2000年12月31日 山本開拓農場 ]
秋田県山本町の土橋さんのほ場を訪ねました。土橋さんのほ場は数カ所に分かれていて、山際で水口にあったり、 地下水を利用できるほ場を無農薬栽培、減農薬栽培にしています。この地域では共同防除が行われていて、 慣行栽培のほ場が近くにあるようなほ場では、ランクを下げて出荷しています。その山際のほ場ですが、ふんだんな山からの地下水を利用して栽培しており、水の清浄さが土橋さんのなによりの自慢です。今年はじめて、 一部再生紙マルチを使用しましたが、田植機の納品が遅れるなど少々トラブルはあったそうです。
それ以外に除草機を使った除草や手取りも行っています。
しかし、田植え後は順調に進んでいました。
土橋さんは、これまで、作業日誌として、ノートとカレンダー数枚を利用して記録をつけていました。今年からは、作物別、 ほ場別の作業日誌をつけています。
土橋さんの栽培方法の特徴は、いくつもあるほ場の特徴を見極めて、栽培方法などを決めている点にあります。また、水管理については、トンボ、 カエル、クモなどの害虫にとって天敵になる生物が生息しやすい環境を維持するというところに考慮して行っています。
2000年産地確認会(加茂有機米生産組合)
[ 2000年12月31日 加茂有機米生産組合 ]
石附さん、馬場さん、早川さん、大橋さんのほ場を回りました。加茂有機米生産組合では、新潟県有機農産物等認証登録をしています。しかし、 この新潟県の認証登録は比較的簡単な書式でできており、加茂有機米生産組合では独自の基準で栽培し、無農薬、減農薬のものを分けています。新潟県加茂市は地域的に、病虫害が比較的少ない地域です。そのため、慣行栽培であっても病虫害防除は1回程度しか行われていません。 イネミズゾウムシの被害はなく、カメムシの被害が若干みられるということでした。
提携米通信でも以前掲載しましたが、加茂有機米生産組合では、無農薬栽培の場合、 紙マルチを利用した田植えかコメヌカを発酵させて雑草の発芽を抑制する方法がとられています。
どの生産者も、なんらかの作業日誌や日記をつけており、栽培記録は整っています。生産者によっては、 慣行栽培の頃から栽培記録をつけていた生産者もおり、記録により作業の先読みができると話していました。
加茂有機米生産組合の精米設備ですが、集荷後、精米は、事務所横の独自の精米センターで行っています。貯蔵は、低温倉庫で、生産者別、品種別、 栽培方法別に保存されています。精米の際にも、生産者名、栽培方法を袋に記入し、誰の米が消費者の元にいったのかが分かるようになっています。
2000年 確認会(高生連)
[ 2000年12月31日 高生連 ]
高生連は、広い高知県全域(一部他県を含む)で、米をはじめ野菜など有機、低無農薬栽培野菜を生産している生産者、
グループをとりまとめています。今回は、事務局とともに高知県を横断し、さらに、愛媛県にまで足を伸ばしました。
●村上信一郎さん(香美郡)
完全無農薬で、4年目。全面積で紙マルチを使い、本田では完全無農薬を実践しています。周辺地は一般栽培ですが、ほとんど隣接地はありません。
ジャンボタニシが川から上がり、水を落とすと川に戻りますが、除草は紙マルチを使用しているのでジャンボタニシは関係ありません。
また食害もあまりないようです。今年から施肥設計を変更しました。イモチや害虫防除には木酢を使用しています。
●門田理博さん(南国市)
無農薬栽培に取り組みはじめて15年のベテランです。1反150kgぐらいの米ぬかを投入し、数年に1度反1000kg入れています。
コメヌカを湧かすことで、草を抑えています。
アイガモ農法をやったこともありますが、早場米地区では6月にアイガモを田から上げなければならず、
その後の飼育期間が長いためあまり実用的ではないようです。
二期作で大根を作っているところもありますが、休ませる田んぼでは秋冬にトラクターで数回耕起し、雑草の芽を出しては埋めて草対策をしています。
地域での農薬削減にも取り組み、野菜用にフェロモントラップを提唱して、効果を上げています。ただし、
田んぼでの虫の被害は無視しているとのこと。
●西村昭夫さん(南国市)
全量を無農薬栽培しています。除草対策としては、荒代かきしてから草を生やし、日を置いてから本代かきをして草を浮かせてかきとっています。
また、代かきして2日したら、畦にイネミズゾウムシが上がるので、畦をバーナーで焼くなど、毎年の観察を活かして農業を続けています。
光合成菌を利用して田んぼの腐敗発酵を防いだり、田に大量の炭を入れるなど、農業への情熱は人一倍です。
無農薬栽培を続けるならば、収量を追ってはいけないと、西村さんの言葉です。
●鬼頭さん、西川さん、坂元さん、井上さん(高岡郡)
窪川町は標高250メートルぐらいの地域で、高知の他の地域とは気候も栽培方法も違います。早い人で田植えがゴールデンウィーク頃、
遅い人は6月上旬といいますから、早場米地域ではありません。この地域では農協で牛糞、豚糞、もみがらなどから有機たい肥をつくり、
安く販売しています。それを利用して土づくりをしています。
生産者のひとり、坂元さんは、以前はこのたい肥を使用していましたが、10年ほど前からコメヌカのみを元肥と除草対策に使用しています。また、
ウンカの抑制にもなっているそうです。なお、坂元さんの田んぼは谷津田になっていて、上から山水が入ってきます。とても美しい棚田ですが、
イノシシが出ることもあり、栽培は大変だとのこと。
この地域の平場はショウガなどの栽培も盛んで、慣行栽培で農薬の使用量が多く、生産者の鬼頭さんは、うちでもイモチが来るけれど、
見ると処置したくなるので田んぼを見ないようにしていると言っていました。ちなみに、鬼頭さんは、
畦を数回除草機で刈り取って病虫害の防除対策にしています。
●西山和さん(宿毛市)
水回りの影響か、西山さんの田んぼを含む一帯ではジャンボタニシがとてもたくさん出ています。
周囲の慣行栽培の人達は殺虫剤でジャンボタニシを殺していますが、中には、田んぼの半分ほどを食害されたところもありました。西山さん自身は、
ジャンボタニシの除草効果を喜んでいます。そのため、春先にはジャンボタニシを田んぼにわざわざ入れることもあるそうです。ただ、
ジャンボタニシが多すぎるので、野菜くずを定期的に放り投げてジャンボタニシが稲を食べないようにしています。
西山さんは、別の田んぼでアイガモ農法をやっています。今後もカメ、コイ、ドジョウなどを使った除草、防虫に取り組む計画があります。
土づくりでは、レンゲをまいたり、地元の真珠養殖で出る貝殻粉末を入れたりして土壌改良をしています。
●チョットいいかもクラブ・二神さん他 (愛媛県南宇和郡)
高知県と愛媛県の県境、一本松町で、名前の通り、アイガモ農法に取り組むグループです。兼業の生産者、年金をもらっている生産者、
女性の生産者など顔ぶれはさまざま。アイガモに愛着を覚えている生産者たちです。アイガモには、除草の他、
イネミズゾウムシの被害も防いでもらいます。ただし、カメムシだけは、穂が出てから来るので、その頃にはアイガモは田んぼから上げており、
どうしようもないとか。アイガモの糞で窒素過多にならないよう心がけています。
なお、代表の二神さんが、アイガモ農法と慣行農法の比較を金銭でした結果、生産原価では同じで、あとは、
売価と労力の問題だということが分かりました。管理の手間が、今後、農法を広げるための課題です。
こうやって除草し、虫を食べ、水をかき回します。
穂が出たら、穂を食べるのでお役ご免。それまではがんばります。
白いけど、アイガモです。本当です。アヒルではありません。
しゃべっているだけでなく、ちゃんと毎日仕事しています。
ジャンボタニシ。
増えすぎて草だけでなく稲を食べないよう
エサをあげます
高知は広い。
生産者はそれぞれに自分が考える農法や農業経営を続けています。