コーデックスバイテク部会開かれる(GM魚) 山浦康明 日本消費者連盟
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コーデックスバイテク部会開かれる(GM魚)
山浦康明 日本消費者連盟
9月19日から23日まで、千葉・幕張メッセの会議場でコーデックス委員会の「バイオテクノロジー応用食品特別部会」が開かれました。
日本が議長国で参加国は50、WHOなどの国際機関が4団体、産業界が10団体、NGO(日消連もCIメンバーとして参加)が5団体で、
参加者は204名にのぼりました。開催費用は日本政府持ちで、途上国の参加にはFAOからの基金が活用されました。
こうしたたくさんのお金を使って何を決めようとしたのでしょうか。
議題の中心は「GM食品に対する基準、ガイドラインその他のテキストの検討と作成」で、
05年から08年にかけて新たなGM食品を検討しようというものです。
前回03年までのバイテク部会では、吉倉宏議長のもとで、GM食品のリスク分析の原則、
GM植物と微生物由来食品の安全性評価の実施方法に関するガイドラインが採択されました。日本でもこの「原則」「ガイドライン」に基づいて、
食品安全委員会が、遺伝子組み換え食品をどんどんと承認してきました。
組み換え遺伝子の掛け合わせについても世界に先駆けて承認してきました。
今回吉倉議長は最初に「遺伝子組み換え食品が途上国の人々の栄養改善に役立つ」とか「食料増産に寄与する」、
といったメリット面ばかりを強調し、
第2世代の遺伝子組み換え食品や遺伝子組み換え動物をも市場化するためのガイドラインを作ろうというのです。
23日までに、新たなGM食品に関する4年間の討議対象が決められました。まずは遺伝子組み換え動物です。
栄養を強化したGM食品や未承認のGMOの混入を認めようとする議題に比べれば、市場化目前のGM魚を規制する必要があり、
その安全性評価を動物に即して慎重に行う手続きが盛り込める可能性があるということから、審議対象とするのはやむをえません。
GMOを推進しようとする米国・カナダ・オーストラリアやGMO開発企業ばかりでなく、
慎重な立場からEUやCIなどNGOも議題とすることには賛成しました。ただこれを討議するにあたっては、食品の安全性の側面ばかりでなく、
魚が養殖場から外界に逃げ出したりすることから、生物多様性を侵害する環境破壊の問題を取り上げたり、動物を人間が改変することから、
懸念される宗教・倫理面の問題など「他の正当な要因(OLFs)」と呼ばれる側面を検討する必要があります。これから作業部会での討議
(06年2月~4月日本で開催)を行うに当たっては、NGOの強力な主張でできた討議文書に盛り込まれたOLFsを慎重に議論し、
環境面などを評価するガイドラインを作る必要があります。
次回のバイテク部会(06年11月27日、幕張)では他に、「栄養が強化されたGM植物由来食品」
も取り上げられることになってしまいました。しかし、日本政府が取り上げたかった、「複数の遺伝子組み換えや交配で生じるGMO(スタック・
ジーン)」や、「未承認のGMOの意図しない混入を認める基準作り」などの議題は優先順位では低くなりました。
これからGMOの質的・量的拡大が始まらないように監視を強める必要があります。
提携米通信24号 2005年10月10日発行