WTO/FTA問題への取り組み
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WTO/FTA問題への取り組み
山浦康明 日本消費者連盟(提携米通信05年6月号より)
日本消費者連盟も参加している「脱WTO草の根キャンペーン」
では今年の12月に開かれるWTO香港閣僚会議やアジア諸国と日本が交渉しているFTAに対して次のような理由から反対運動に取り組んでいます。
先進国でも途上国でも、民衆のくらしの足元に激震が走っています。この10年で一挙に貧富の差が拡大し、働く場が倒産で失われ、
農民が立ち往生し、商店にはシャッターが下り、働き口がパート・非常勤といった非正規の形しかない状況です。
その原因を探っていくと市場競争を地球規模に拡げるいまの経済のあり方に行き着きます。
しかし、この様なグローバル化では、地球の未来はないという声も高まっています。実際、1995年設立されたWTO(世界貿易機関)は、
先進国のための「自由」貿易をすすめる機関であるとして、WTO閣僚会議開催地には、世界中から労働者、農民、先住民、
NGOが何万人も集まって抗議行動を展開する中、南北の対立が解消されず、閣僚会議は過去2回も失敗しています。
そのために今、このグローバル化をいっそう強め、促進する動きも加速しています。昨年夏のWTO一般理事会での交渉の大枠合意を受け、
眠っていたWTO交渉が動き出したのです。今年12月ホンコンで開かれるWTO第6回閣僚会議の成功に向け、
非公式の交渉が世界各地で急速に進み、来たる7月・10月にはジュネーブで一般理事会が開催される予定です。
一方で、日本を含め多くの国では、2国間・地域間FTA(自由貿易協定)も進んでいます。WTO交渉では決めにくい投資・サービスの自由化や、
投資保護のために相手国の労働法制や環境基準は非関税障壁であり、改悪するといったことも2国間で決めてしまうのです。例えば、
メキシコやフィリピンとのFTAでは、ビジネス環境整備委員会設置が盛り込まれ、メキシコでは現地日系企業団体がそこに参加して、
メキシコの労働条件にも口をはさんでいます。韓国のソウル・ジャパンクラブも日韓FTA交渉での非関税措置検討事項として、
退職金規程の改悪などを要求しています。日本企業撤退を脅しに、相手国政府を民衆の利害に逆らうように動かしていく内容のあるFTAは、
絶対に許されません。
こうした自由貿易の行き着く先に現れる世界は、激烈な競争と格差が支配する社会です。世界を、アジアを、
日本を巻き込んで進むこの現実にどう立ち向かうか。「脱WTO草の根キャンペーン」では7月26日に東京・文京シビックセンターでタイ、
ホンコンの社会運動の現場で活動するゲストを招き、WTO/FTAがもたらす現実と、
それに対する私たちの運動を語り合うシンポジウムを開きます。
またその後、以下のようなスケジュールでWTO/FTA問題に取り組みます。
・7月27日から29日WTO一般理事会を注視する。
・8月から9月にかけては、韓国の労働者・農民活動家を招いて日本各地で、WTO/FTAを問う集会や行動を行います。「WTO/
FTAを問う全国連鎖行動」
・9月2日、3日には東京で「第2回北東アジア消費者対話」が開かれます(消団連主催)。この会議には、韓国、中国、台湾、香港、
モンゴルなどの消費者団体代表が参加する予定であり、次の2つの目的が掲げられ討議内容を企画中です。
北東アジア地域における消費者団体代表者の能力開発、消費者団体代表者が関心をよせる現代の問題についての情報交換です。
日本消費者連盟としては、食の安全、貿易問題などについてこの会合で問題提起をしたいと思っています。
その後も次のような活動が予定されています。
・9月14日から16日国連MDGサミットにおける世界の貧困問題への取り組みに注文をつける。
・9月19日から23日まで千葉・幕張メッセで開かれる、コーデックス委員会バイオテクノロジー特別部会を傍聴し、日本政府の言動を監視する。
またオブザーバー参加する国際消費者機構(CI)などを通して日本の消費者の懸念を会議に反映させる。
・10月19日20日、12月1日2日に行われるWTO一般理事会を注視する。
・11月18日から19日に韓国・釜山で開かれるAPEC会議を注視する。
・12月13日から18日まで香港で行われる第6回WTO閣僚会議に対して監視活動をおこない、
またNGOの連絡組織として今回結成されたHKPA(香港ピープル・アライアンス)参加メンバーとして活動する。