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食品安全委員会の動きについて

[ 2004年08月10日 レポートに戻る ]

山浦康明 日本消費者連盟

 03年7月1日にスタートした内閣府の食品安全委員会は毎週木曜日に本委員会が開かれ6月3日には通算第47回目となった。 この機関の実態はどうだったのだろうか。
 03年7月24日からリスク評価(食品健康影響評価)の結論が出され、04年5月までに、食品添加物、飼料添加物、動物用医薬品、農薬、 特定保健用食品、汚泥を含む肥料、遺伝子組み換え食品、掛け合わせた遺伝子組み換え食品、など70以上のものを、 一日許容摂取量を設定するなどして安全である、と評価した。安全性を留保したのは、もう使われていなかった食品添加物「コウジ酸」、 沖縄産で小規模業者が製造していた健康食品「アマメシバ」、BSEに関して牛のせき柱を含む食品などわずかである。
 また、遺伝子組み換え食品(種子植物)、遺伝子組み換え微生物を利用して製造された添加物、掛け合わせた遺伝子組み換え植物、 遺伝子組み換え飼料及び飼料添加物については04年1月から5月にかけてそれらの安全性評価基準を策定し、 この基準に基づいて遺伝子組み換え食品などをどんどんと承認できる体制が整えられ、実際に承認ラッシュが始まった。
 また、BSE問題をめぐっては、農水省、厚労省が行っている牛の全頭検査、肉骨粉の廃棄、特定危険部位の除去などの対策に対して、 食品安全委員会は、米国の牛肉輸入禁止措置の見直しと期を一にして、日本の国内体制の有効性を検証する作業を5月から行っている。 これは同委員会の「プリオン専門調査会」が行っているが、そこでは「スクリーニング検査は感染牛を食物連鎖から排除する目的を持つ、 これと特定危険部位除去などと合わせて牛から人への感染を防ぐ。これに対し、 サーベイランスはBSE汚染の実態を把握する目的をもつものであり蔓延防止対策の検証をするためのものだ」、などと全頭検査の意味を分離し、 日本が01年10月以来行ってきた全頭検査を「科学的立場から」と称して限定しようとし始めた。 これにはBSE対策の縮小を打ち出そうとする露払いの役割が与えられた意味がある。また人のクロイツフェルトヤコブ病のおそれについて、 イギリスと日本の飼育頭数、BSE感畜牛の頭数の違いなどから、人が感染するおそれは極めて低い、と述べる。
 こうした食品安全委員会の一連の作業をみると次のような問題点が明らかになる。
・本委員会での委員の発言は低調で、真剣な議論もないまま、専門調査会の報告を形式的に承認する役割しか果たしていない。
・食品安全委員会は食の安全の確保のために、自ら検査対象を選び出すということはこれまでなく、 申請企業からの要請に応えるため申請者のデータなどを中心に検討し、多くのものを承認してきた。その際科学的に検討するというものの、 自ら検査をすることもなく、権威ある科学者の見解だという理由から安全性を認めるということも多い。
・遺伝子組み換え食品の問題ではリスクコミュニケーションと称する意見交換会も行われたが、議論は1度限りで消費者・ 市民の疑問に対してとことん応えるものではなく、人々の納得のいくものではなかった。 
・今後BSE問題などでこれまでの対策を緩和するような結論を出した場合には米国の要求を正当化するという政治的な役割を果たすこととなり、 委員会の信頼感は地に落ちることになる。


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