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農薬取締法改定についてのまとめ

[ 2003年12月02日 レポートに戻る ]

■特定農薬
 特定農薬は、農薬取締法の「農薬」定義にあてはまらないもので、 農業生産の上で農薬と同様に殺虫や殺菌、除草などの目的で使用される資材をすべて指定制とし、 指定されなければ不適正使用として使えないようにするためのものでした。しかし、実際に特定農薬として指定されたのは食酢、重曹、 使用される場所の周辺で採取された天敵のみとなってしまい、実効性がないことを自ら示す結果となりました。
 さらに、有機農業などで「特定農薬使用」という表記が生まれるなど、特定農薬という法律定義が生む混乱から、農水省は、現在、 特定農薬の通称を「特定防除資材」として定めることにしているようです。しかし、法律の改定をする見通しはありません。
 当面は、指定された特定農薬以外の資材は従来通り使用できます。
 ちなみに、粘着剤などの物理的防除資材、アイガモ、アヒル、ウシ、コイなどは農薬ではないとされました。 使用される場所の周辺以外で採取された天敵については、 生物農薬と同様に登録農薬とすべきと農薬分科会小委員会は特定農薬について整理しています。
 この特定農薬問題以上に法改定には問題がありました。
 罰則が強化されたと言いつつ、実際には使用できる農薬の適用が拡大したり、経過措置として使用できる農薬の範囲を拡大し、かつ、 罰則のない努力規定を濫用するなどして、農薬をこれまでより使用しやすくしています。


■マイナー作物とグループ化、登録適用拡大
 農薬取締法の改正によって、すべての食用作物で登録された農薬しか使えないことになりました。しかし、実際には、登録のない作物、 いわゆるマイナー作物があり、それらはグループ化して、農薬メーカーから登録変更を受け付け、 グループ内の作物であれば農薬が使えるようになりました。反農薬東京グループによると3月20日現在、191成分、 630製剤が登録変更の届けだけで適用拡大されたことになります。
さらに、経過措置として県知事が申請し農水大臣が承認すればかなりの範囲で農薬が使用できるようになっています。 この申請の受付は03年12月までとなっています。反農薬東京グループが3月30日までにまとめたところでは、 44都道府県で農薬件数のべ1158件、作物数のべ798、作物と農薬での組み合わせでは2590件の承認となっています。

■失効農薬でも使える?
 今回の農薬の定義では、「登録農薬」「特定農薬」が使用できる農薬であり、「無登録農薬」すなわち一度も農薬として登録されていないものや、 「使用禁止農薬」すなわち一度は農薬として登録されたものの安全性などの理由で使用を禁止し、失効した農薬は使用することができません。しかし、 「失効農薬」すなわち一度登録されたものの農薬メーカーが再登録を行わないなどの理由で失効したものについては、 使用禁止農薬に指定されない限り使用できることとなりました。

■罰則のない努力規定
 さらに、農薬使用基準の中では、以下の項目が努力規定とされ、罰則のない状態になりました。
 ①有効期限切れ農薬を使用しない
 ②農薬を使用した日や場所、作物、農薬の種類や量を記帳する
 ③航空散布や住宅地周辺での散布で、農薬が飛散しないようにする
 ④水田で使用する農薬の止水期間を守る
 ⑤土壌くん蒸剤の被覆期間を守り揮散防止に努める

■防除業者の届け出制度廃止
 これまでの農薬取締法にあった防除業者への届け出制度と都道府県の監督義務が廃止されました。これにあわせて、 省令である農薬使用基準の中でくん蒸業者、航空防除業者、ゴルフ場散布業者に対し、農水大臣へ住所氏名、 農薬使用計画を届け出ることが義務づけられました。これにより、公園や農薬を散布していた業者の多くが登録、監督などの指導対象からはずれ、 農薬の使用規制が甘くなりました。

■作物残留性農薬、土壌残留性農薬分類の削除
 この他、これまでの作物残留性農薬、土壌残留性農薬については、全農薬に使用基準を設けるとしているため分類そのものがなくなりました。 水質残留性農薬については、地域ごとの指定であり、総量規制の意味から残されたようです。

 


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