遺伝子組み換え大豆栽培圃場見学記
[ 2003年01月26日 レポートに戻る ]
遺伝子組み換え大豆栽培圃場見学記~8月9日、茨城県谷和原村伊佐衛門新田小野南海子(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)
遺伝子組み換え大豆はモンサント社の除草剤耐性大豆を含む2種類が日本の一般圃場での栽培が認められています。しかし、
農家の畑で実際に栽培されているという確かな情報はありませんでした。ところが、昨年秋全国9箇所で試験栽培されたという記事が、
生活クラブ生協の機関紙にのりました。見学にきた生産者は雑草がない、きれいな畑に驚いていたとのことでした。
遺伝子組み換え大豆がもし日本で商業栽培されると、国産の大豆の生産を高めようと、
大豆畑トラスト運動をはじめ各地で自給運動を展開している生産者、消費者には国産だから安全と言えなくなる事態に陥ってしまいます。
とにかく実態を調べようとしていたところ、日経バイオビジネスの7月号に、バイオ作物懇話会と呼ばれるネットワークが形成され、
代表の長友勝利氏が中心になって、全国の農家の畑で試験栽培を行っていると紹介されていました。
その後、北海道新聞の7月6日の紙面に「遺伝子組み換え大豆栽培、網走管内1ヘクタール」が掲載されました。
日本の最大の大豆生産地が組み換え大豆の生産地になることに危機感を覚えて、遺伝子組み換え食品いらない!
キャンペーンの天笠代表が北海道で自給運動を展開しているグループに、来春の農閑期に反対集会を開くことを要請しました。
そのやさき、茨城県で活動している方から、茨城県で試験栽培している農家の圃場見学会が行われるという情報がありました。
県出身の議員からの情報ですが、問い合わせた村役場では、そういった見学会があることは知らないとのこと、
半信半疑で地元の人に連れて行ってもらったのですが、確かに大豆畑はあり、バイオ作物懇話会の長友氏と畑の持ち主の生産者が待っていました。
畑は2反。蒔いた大豆はモンサント社の搾油用の遺伝子組み換え大豆。畑は、
除草剤をまったくまかなかった畑と通常使われている除草剤トレハノサイトを散布した畑と除草剤ラウンドアップを1回まいた畑の3つに区切り、
雑草の発生状態の違いを見せていました。確かにラウンドアップをまいた畑には、草一つ見えず、わずかに残っていたスベリヒユも枯れる寸前で、
ラウンドアップの威力をまざまざと見せていました。長友氏は『ラウンドアップは塩や酢よりも安全で、飲んでも大丈夫』と言う。また、
日本の農業は、戦後食料増産のため大量の農薬を使い環境を汚してきた、そして今、農業の担い手が減り、
省力化のためにも除草剤1回ですむ遺伝子組み換え作物は、これからの日本農業に必要と説く。モンサント社にお願いして種をわけてもらい、
私財をなげうって全国の試験栽培のGM大豆畑を指導して回っているという長友氏の説明はなんとなく物足りなく迫力が感じられない。しかし、
その長友氏を応援するかのように、農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)
のメンバーとモンサント社の社員がいっしょに大型バスにのってやってきたのにはびっくり。確かに私たち以外に生協の人たちやマスコミも来ていて、
こっそりGM大豆を栽培している所を農家に見せるという感じではなかったのですが、後から農業新聞の記事をみたところ、その見学会は、
STAFF主催の見学会だったとのこと。国を挙げて遺伝子組み換え作物の日本での生産をもくろんでいることをまざまざと見せ付けられて、
恐ろしささえ感じました。農水省の役人は、選ぶのは消費者です、消費者が好まないものは、作らないと言いながら、
このような形で着々と遺伝子組み換え作物の開発をすすめていることに憤りを感じました。農水省とバイオ作物懇話会の関係を明らかにすべきですし、
農家での試験栽培の状況を公開すべきです。キャンペーンとしても今後農水省に要求していかなくてはなりません。
たまたま私は8月の初め、山形県白鷹の農産加工研究会の大豆畑を見る機会がありました。もちろん有機栽培で畝間はきれいに除草され、
草丈50~60センチに成長した大豆が夏の光を浴びてさやさやとゆれていました。
私たちがほんとうに食べたいと思う農作物がしっかり作られている姿にものすごく安心感を覚えました。
GM大豆が試験栽培されていた畑の周りでは、赤茶けた畑が広がり、豊かな実りが何も見られなかったのですが、案内してくれた地元の方は、
今農家は何を作ったら売れるのか分からない状態なのだ、と話してくれました.「低コスト、不耕起狭畦栽培、大規模栽培、省力化」
をうたう遺伝子組み換え大豆が農業に明るい未来を保証するとはとても思えません。
試験栽培されたGM大豆は、花が咲いたら畑にすきこむという説明のとおり、2~3日後に地元の人が見に行ったら、畑になかったとのことです。