提携米メインサイト
| TOP | メンバー | GMイネ監視 | GMイネ監視英語 |

国際会議の動向について

[ 2000年06月06日 レポートに戻る ]

日本消費者連盟副運営委員長
山浦康明

昨年12月のシアトルWTO閣僚会議の失敗以来いくつかの会議が開かれましたが、食料、農業に関する国際会議は今年も目白押しです。 以下のような国際会議の動向に注目しなければならないでしょう。

1.生物多様性条約にもとづく特別締約国会議がモントリオールで1月24日から開かれ29日に「バイオ安全議定書」が採択されました。 GM生物を輸出する国に対し、事前の通知と同意取り付けを義務付けました。輸出入の前に危険性を評価し、 GM生物が輸入国の生態系に影響を与えないことを確認することになります。しかし対象として食料は除かれ、 各国の国内規制で対処することになりました。

2.コーデックス委員会のバイオテクノロジー特別会議は3月に千葉で開かれましたが、その2つの作業部会が今年開かれます。 その一つは日本が議長国となり、6月下旬から7月初旬の時期と11月に日本で開かれます。 その結論をもって2001年3月に第二回会合が開かれます。
 4月10日、スリランカ保健省高官が、遺伝子組み換え食品の即時禁止措置を発表、とロイター通信が配信しました。 スリランカ政府のこの禁止措置が実効力を伴うものかどうかについては、今後の課題ですが、 世界中から政府への激励と支援のメッセージが送られています。
 コーデックス委員会の表示部会はカナダで5月9~10日に開かれ、有機畜産物の国際的ガイドラインを採択しました。 これは2001年のコーデックス委員会総会で採択される見通しです。その内容については、日本政府の提案により、「家畜の飼料は100% 有機飼料でなければならない」という条項が削除され、また「2005年までは他の飼料を使うことができる」との原案に対しても日本政府の提案で 「2005年までは」の部分が削除されました。これは有機畜産物の定義を曖昧にするものです。
 また「GM食品の表示義務化」をめぐる論議では、「義務化を強制力を持たせる『一般規格』とし、非GMとGMの分別を徹底すべき」 と主張するEUと、「義務化に反対」のアメリカとカナダ、そして、折衷案として「GM表示はガイドラインにとどめる、 作物ごとの流通実態を踏まえた表示方法でよい」とする日本の主張が出ましたが、合意はならず討議打ち切りとなり、 2001年の表示部会へ持ち越されました。
 一般原則部会の動向にも注意が必要です。

3.WTO交渉は農業部会の議長にはペルーのボトベルナレス駐ジュネーブ大使がなり、副議長には日本の鈴木庸一公使がなりました。日本・ EUの主張がアメリカやケアンズグループにどこまで受け入れられるのか、WTOを批判するNGOの意見がどこまで反映されるのかが注目されます。
 5月15日発表したWTOの年次報告書の冒頭では、シアトル会議がNGOの抗議などで失敗した、とし、 地球規模での環境汚染や食品への悪影響など貿易自由化がもたらす負の側面を批判する声が会議で噴出したことを認めました。 しかし信頼回復措置の実行によりWTOに対する信用は決して失われないと強弁しています。
 アメリカ下院は5月24日、中国に最恵国待遇(MFN)を恒久的に供与する法案を可決しました。6月上旬には上院も通過し、 中国は年内にもWTOへ加盟する見通しとなりました。
 新ラウンドの農業部会の立ち上げ論議では、5月31日、アメリカの「シアトル会議の宣言最終案を基礎にすべき」との提案が日本・ EUにありましたが、自由化の方向性を打ち出し、農業の多面的機能を明文化しなかったこの宣言文に対しては日本もEUも反対しています。
 6月8日、埼玉新都心で農水省が主催する「WTO農業交渉について意見を聞く会」が開かれ、その席で農水省は日本提案は、 99年6月の提案をベースに今年の8月までに国民の意見を集め年末にWTOに提案する、と述べました。 各国からも年末までに農業交渉に関する提案を出し交渉を進めようとしています。

4.FAO(国連食糧農業機関)は8月31日~9月1日、横浜でアジア・太平洋地域総会を開きます。持続可能な農業・ 農村開発や貧困の撲滅の達成に向けた取り組み、アジア金融危機による食料・農業への影響などを話し合います。1996年の世界食料サミットでは 「食糧安全保障の重要性」を打ち出しています。

5.NGOなどの活動と今後の予定
 5月3~6日 アジア・太平洋国会議員連合の総会では「持続的開発と世界的な食料の安定確保に関する決議」を採択しました。
5月12日に都内で開かれた、草の根貿易国際機関のIFATの北米・環太平洋地域会議(ホストは日本の「第三世界ショップ」)は 「南北格差を広げるWTOの自由貿易体制を批判し、平等で公平な貿易ルールづくりを求める」声明を採択しました。
5月21日にCOPOLCO(ISOの消費者政策委員会)のNGO集会「シンポジウム・アジア消費者団体対話 (地球市場における国際規約への消費者参加)」が京都で開かれ、「環境ラベルの是非」などが論じられました。 また22日にはCOPOLCOのワークショップが開かれ、「地球市場における国際規格」、「電子商取引」が論じられました。
 6月13日からアメリカミネソタ州で「予防の原則」と「バイオテクノロジー」に関するワークショップが開かれます。
 6月30日から南フランスで農業バイテクとホルモン剤に反対する農民連盟の集会が開かれます。

 7月の沖縄サミットの際に日本政府は「NGOセンター」を設置し、またサミット参加の8カ国首脳とNGO代表との「対話の場」 を設ける予定が立てられています。
 7月2~9日に「徹底討論・WTOウィーク」が東京、佐久、福岡、京都、熊本、大阪、名古屋で開催されます (市民フォーラム2001などが主催)。
 7月5日からリヤドでアフリカ・南北アメリカ農民連合による農業・開発会議が開かれます。
8月28~29日に、横浜でのFAOの地域総会に先立ち、 FAOが主催するNGO会合が開かれ食糧安全保障をテーマに提言を取りまとめる予定です。
 10月11日からJA全中が国際農業フォーラムを開き、海外の農業団体、協同組合、JA関係者、NGOらとともに 「家族農業の持続的展開と多面的機能の重要性」について討議します。
 11月13~17日にわたってCI(国際消費者機構)の第16回世界大会が南アフリカ共和国で開かれます。会議のテーマは「消費者、 社会的公正、世界市場」で、公正・公平な社会経済環境の実現のための消費者運動の広がりを討議します。
 11月25日からアジア全域、8カ国をまたいで遺伝子組み換え作物に反対し、生物の多様性を尊重するというテーマで「農民キャラバン」 が行われる予定です。

(日本農業新聞、日本経済新聞、コーデックス日本NGO委員会ニュースレター他からまとめた)

 


Copyright 提携米ネットワーク
E-mail:webmaster@teikeimai.net
(スパムメール防止のため、@を全角にしています。メール送信の際は半角英数の@に戻してください)
Powered by Movable Type 3.36
バナー遺伝子組み換えイネ監視市民センター
バナーは自由にお使いください。遺伝子組み換えイネ監視市民センターは、提携米ネットワークが設置運営しています。