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国際会議の動向について

[ 2000年06月06日 レポート ]

日本消費者連盟副運営委員長
山浦康明

昨年12月のシアトルWTO閣僚会議の失敗以来いくつかの会議が開かれましたが、食料、農業に関する国際会議は今年も目白押しです。 以下のような国際会議の動向に注目しなければならないでしょう。

1.生物多様性条約にもとづく特別締約国会議がモントリオールで1月24日から開かれ29日に「バイオ安全議定書」が採択されました。 GM生物を輸出する国に対し、事前の通知と同意取り付けを義務付けました。輸出入の前に危険性を評価し、 GM生物が輸入国の生態系に影響を与えないことを確認することになります。しかし対象として食料は除かれ、 各国の国内規制で対処することになりました。

2.コーデックス委員会のバイオテクノロジー特別会議は3月に千葉で開かれましたが、その2つの作業部会が今年開かれます。 その一つは日本が議長国となり、6月下旬から7月初旬の時期と11月に日本で開かれます。 その結論をもって2001年3月に第二回会合が開かれます。
 4月10日、スリランカ保健省高官が、遺伝子組み換え食品の即時禁止措置を発表、とロイター通信が配信しました。 スリランカ政府のこの禁止措置が実効力を伴うものかどうかについては、今後の課題ですが、 世界中から政府への激励と支援のメッセージが送られています。
 コーデックス委員会の表示部会はカナダで5月9~10日に開かれ、有機畜産物の国際的ガイドラインを採択しました。 これは2001年のコーデックス委員会総会で採択される見通しです。その内容については、日本政府の提案により、「家畜の飼料は100% 有機飼料でなければならない」という条項が削除され、また「2005年までは他の飼料を使うことができる」との原案に対しても日本政府の提案で 「2005年までは」の部分が削除されました。これは有機畜産物の定義を曖昧にするものです。
 また「GM食品の表示義務化」をめぐる論議では、「義務化を強制力を持たせる『一般規格』とし、非GMとGMの分別を徹底すべき」 と主張するEUと、「義務化に反対」のアメリカとカナダ、そして、折衷案として「GM表示はガイドラインにとどめる、 作物ごとの流通実態を踏まえた表示方法でよい」とする日本の主張が出ましたが、合意はならず討議打ち切りとなり、 2001年の表示部会へ持ち越されました。
 一般原則部会の動向にも注意が必要です。

3.WTO交渉は農業部会の議長にはペルーのボトベルナレス駐ジュネーブ大使がなり、副議長には日本の鈴木庸一公使がなりました。日本・ EUの主張がアメリカやケアンズグループにどこまで受け入れられるのか、WTOを批判するNGOの意見がどこまで反映されるのかが注目されます。
 5月15日発表したWTOの年次報告書の冒頭では、シアトル会議がNGOの抗議などで失敗した、とし、 地球規模での環境汚染や食品への悪影響など貿易自由化がもたらす負の側面を批判する声が会議で噴出したことを認めました。 しかし信頼回復措置の実行によりWTOに対する信用は決して失われないと強弁しています。
 アメリカ下院は5月24日、中国に最恵国待遇(MFN)を恒久的に供与する法案を可決しました。6月上旬には上院も通過し、 中国は年内にもWTOへ加盟する見通しとなりました。
 新ラウンドの農業部会の立ち上げ論議では、5月31日、アメリカの「シアトル会議の宣言最終案を基礎にすべき」との提案が日本・ EUにありましたが、自由化の方向性を打ち出し、農業の多面的機能を明文化しなかったこの宣言文に対しては日本もEUも反対しています。
 6月8日、埼玉新都心で農水省が主催する「WTO農業交渉について意見を聞く会」が開かれ、その席で農水省は日本提案は、 99年6月の提案をベースに今年の8月までに国民の意見を集め年末にWTOに提案する、と述べました。 各国からも年末までに農業交渉に関する提案を出し交渉を進めようとしています。

4.FAO(国連食糧農業機関)は8月31日~9月1日、横浜でアジア・太平洋地域総会を開きます。持続可能な農業・ 農村開発や貧困の撲滅の達成に向けた取り組み、アジア金融危機による食料・農業への影響などを話し合います。1996年の世界食料サミットでは 「食糧安全保障の重要性」を打ち出しています。

5.NGOなどの活動と今後の予定
 5月3~6日 アジア・太平洋国会議員連合の総会では「持続的開発と世界的な食料の安定確保に関する決議」を採択しました。
5月12日に都内で開かれた、草の根貿易国際機関のIFATの北米・環太平洋地域会議(ホストは日本の「第三世界ショップ」)は 「南北格差を広げるWTOの自由貿易体制を批判し、平等で公平な貿易ルールづくりを求める」声明を採択しました。
5月21日にCOPOLCO(ISOの消費者政策委員会)のNGO集会「シンポジウム・アジア消費者団体対話 (地球市場における国際規約への消費者参加)」が京都で開かれ、「環境ラベルの是非」などが論じられました。 また22日にはCOPOLCOのワークショップが開かれ、「地球市場における国際規格」、「電子商取引」が論じられました。
 6月13日からアメリカミネソタ州で「予防の原則」と「バイオテクノロジー」に関するワークショップが開かれます。
 6月30日から南フランスで農業バイテクとホルモン剤に反対する農民連盟の集会が開かれます。

 7月の沖縄サミットの際に日本政府は「NGOセンター」を設置し、またサミット参加の8カ国首脳とNGO代表との「対話の場」 を設ける予定が立てられています。
 7月2~9日に「徹底討論・WTOウィーク」が東京、佐久、福岡、京都、熊本、大阪、名古屋で開催されます (市民フォーラム2001などが主催)。
 7月5日からリヤドでアフリカ・南北アメリカ農民連合による農業・開発会議が開かれます。
8月28~29日に、横浜でのFAOの地域総会に先立ち、 FAOが主催するNGO会合が開かれ食糧安全保障をテーマに提言を取りまとめる予定です。
 10月11日からJA全中が国際農業フォーラムを開き、海外の農業団体、協同組合、JA関係者、NGOらとともに 「家族農業の持続的展開と多面的機能の重要性」について討議します。
 11月13~17日にわたってCI(国際消費者機構)の第16回世界大会が南アフリカ共和国で開かれます。会議のテーマは「消費者、 社会的公正、世界市場」で、公正・公平な社会経済環境の実現のための消費者運動の広がりを討議します。
 11月25日からアジア全域、8カ国をまたいで遺伝子組み換え作物に反対し、生物の多様性を尊重するというテーマで「農民キャラバン」 が行われる予定です。

(日本農業新聞、日本経済新聞、コーデックス日本NGO委員会ニュースレター他からまとめた)

 

フランスの農業政策と品質表示

[ 2000年06月06日 レポート ]

日本消費者連盟副運営委員長
山浦康明


 6月6日、都内でフランス大使館経済商務部が主催し日本の農水省が後援する説明会が開かれました。

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■ フランス農業省の経済・国際政策局、農業・工業政策課・課長のエディット ヴィダルさんが進行役を務めました。
 まず経済・国際政策局業界付加価値化・組織化課課長のマリー ギタールさんが「フランスの品質及び原産地に関する行政」 とのテーマで講演しました。
 フランスの農産物及び加工品にはAOC(原産地呼称証明)ラベル・ルージュ(品質保証ラベル)CC(基準一致証明書)AB (有機農産物認証制度)モンタージュ(山岳地帯)などのロゴマークをつけることができます。 このロゴマークの制度に関しては政府および業界が枠組みを作り生産者の作業仕様書が作られました。この仕様書(スペック) の順守がなされているかどうかを私的認定機関がチェックしまた政府機関もチェックを加えます。
 AOC(原産地呼称証明)とは生産地の名称を名乗ることができる表示であり、フランス産のワインやチーズ、家禽や果物などに見られます。 この制度は1919年からはじまり、生産に関する質が産地の伝統に基づくものであることを条件として、 その産地で生産されたものであるということを守るためにつくられたものです。フランスワインの約45% はAOC商品であり葡萄の生産者は一般の2倍以上の生産収入を上げています。またAOCのチーズは中山間地の重要な収入源となっています。 このAOCの認定を受けるためには4つの条件が必要とされます。すなわち、1.範囲を限定された生産地区、2. 正確な生産条件を満たしていること、3.安定した知名度と評価を得ていること、4.認定の諸手続きの対象となるもの、です。
 ラベル・ルージュ(品質保証ラベル)は食品の味に対するこだわりから生まれ、1960年の農業法で制度化されました。 このラベルは政府により発行されるマークであり全体の特質が一定であり、一般のものより高品質のものを対象としており、家禽、食肉、 ハムソーセージ、果実、野菜、乳製品、加工品、海産物、飲料、非食品農産物などの分野にみられます。この基準はたとえば家禽においては、 2週間ごとの技術検査、2ヶ月ごとの抜き打ち検査、鶏舎を大規模にしないこと、出荷までの生育期間、飼育条件、穀類70%を基本とした飼料、 屠殺までの期間81日、屠殺方法など細かく決められており、高品質の鶏肉の生産が行われており、消費者の支持を得ています。
 AB(有機農産物認証制度)は環境問題、家畜動物の飼育環境、有機ごみのリサイクルなどの視点から作られ、 有機肥料や無農薬害虫対策などの生産方法、切り替え準備期間を2年とすることなどが条件となっています。この制度は1991年、 生物学的農業生産様式として植物農産物がEU規則の中に採択され、1993年には動物やその加工品にも適用されました。 この表示マークを取得するためには次の条件が必要です。1.県の農林課または輸入業者担当税関にAB(アグリキュルチュール・ビオロジック) 農家となりたい旨を通知します。2.ABであることを証明する所轄組織による検査を受けること。3. 非加工植物農産物に関してはEU規則にある生産条件を尊重すること。動物加工品と非加工動物はフランスAB委員会の仕様書に従うこと。
 このラベルに関しては2万ヘクタールの農地に3000の生産者と250の企業が活動しています。
 CC(基準一致証明書)は1990年に制度化された品質保証で、近代的な商品生産と区別するために、 個性的な規格や生産技術基準を維持しようとするものです。若鶏の身、シードル、牛乳飼育の子牛、屋外飼育の鶏卵、発泡葡萄果汁、コーヒー、 フォアグラ缶詰、ハムなどがあります。 こうした品質を保証された商品を生産することは、生産者が自らの手で生み出した商品が個性的であり、 安全性も高く、生まれ育った土地を代表する産物であり、消費者にその質が高く評価されるとしたら生産者にとってやりがいのある仕事になります。 またAOCのように生産地の名前が重なる場合は町名の地名度を高めることになり、農業所得が保証され、農地の維持が可能になれば、 伝統的農村空間の質も高まります。

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■ 次にフランスの全国ワイン・スピリッツ同業者委員会のジェローム アゴスティーニさんが「ワインに関する原産地呼称」について説明しました。
 フランスワインに関する呼称はすでに19世紀末からおこなわれていましたが、 品質を高め不正行為に対して有効に対処するために1935年にAOC(原産地統制呼称)のシステムと国立原産地呼称研究所(INAO) が創設されました。このAOCを受けるためには、1.ワインが範囲の限定を受ける、2.葡萄の木の伝統的な品種がその地域固有のものであること、 3.生産性の最高限度が決められ、アメリカやオーストラリアの二分の一から三分の一の生産性にとどめること、4. 生産や仕上げに関する伝統的手法が存在し、分析的、感覚的印象的刺激による事前検査を受けること、が必要です。INAOは葡萄栽培農家、 卸売業者の代表からなる公的機関でありチェックをし品質向上に努めています。
 原産地呼称の管理のためには、各地のワイン同業者組織があり、これが地区の葡萄栽培者や卸売業者をとりまとめ政府のコントロールのもと、 市場の均衡、生産物の値上げ、普及活動、品質管理を行っています。 フランスにおいてはAOC名を中心とする集団的コミュニケーションが重要な役割を果たしており、 アメリカやオーストラリアのブランド重視とは対称的であり、品質本意の農業を可能にしているのです。

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■ 次にフランスのジェール県家禽協会のピエール ブッフォさんが鶏肉を例に優良品質を保証する赤ラベル(ラベル ルージュ)の説明をしました。
 ジェール県には鶏の屠殺場が3つ、生産者団体が3つ、飼育業者が480ありますが、「ジェール」という統一ラベルを作り品質管理をおこない、 消費者の強い支持を得て、フランスで第2位の鶏の知名度を得、第3位の生産量を上げています。
 生産の基本ルールとしては、公認の純血種を、400m2の仕切のある建物で時間的にも空間的にもゆったりと伝統的に育て、飼料は80% を穀物とし、屠殺年齢は最低81日とします。地域の静かな環境も動物にストレスを与えないメリットになります。生産管理は、生産、飼料、屠殺、 販売店で年間合計150の管理拠点をたてて行います。生産工程の透明性を確保するためには通し番号付き原産地証明書、引取証明書、 ラベルの記録管理を行います。
 こうした赤ラベル品質保証を確保することにより、動物の快適さを重視する粗放飼育を行い大量生産とは一線を画し、 透明性を確保することにより業界のすべての関係者のプロフェッショナル化をすすめることができます。 それは生産物の経済評価をさらに高めることにもつながります。

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■ 次にフランスの赤ラベルの認定機関の一つ、セルティパック(CERTIPAQ)のロイク ガロワさんが認定機関の役割について説明しました。
 品質保証のロゴマークは生産者・納入業者が作業仕様書や規格を守り、付けることができますが、 それはそのまま品質レベルを保証することにはなりません。 第三者の認定機関による公式認定が行われてはじめて消費者にも信頼に足りる生産物となるのです。
 認定機関は、まず、CNLC(全国品質保証ラベル・基準一致証明書委員会)により認可され、COFRAC(フランス認証委員会) により認証されて後、初めて独立した第三者の管理機関としての活動をすることができるのです。 この活動のためには4つの基準が満たされる必要があります。1.独立性を確保するために検査対象の組織からの補助金を受けてはなりません。 検査料や予算・決算書を明らかにしておく必要もあります。2.免許や証明書を授与したり取り消したりする任務のため、認定機関は事業者・消費者・ 実需者・専門家の利益を反映する認定委員会を設置し、この委員会の決定は投票に基づき議事録にも記載される必要があります。 委員は守秘義務も課せられます。3.認定機関は専門性を維持するため研修を継続的に行い、 下請け機関に委ねる場合にはその専門性もコントロールする必要があります。4.この認定機関の有効性については、生産管理の際の監査資料の審査、 及び認定機関が扱っている書類を監査する必要があります。
 認定機関のセルティパックは、ラベルの申請がなされると、監査を行い、生産物の分析をし、ラベル付与を承諾し、 このラベルをCNLCのラベル担当者に送り、そこで最終的にそのラベルは有効と認められます。これらすべての段階を経て、 セルティパックは申請者に対し、品質保証ロゴマークを付けた生産物の商品化を許可する旨の文書を発行できます。
 ロゴマークの申請者は申請の際の項目すべてについて定期的にコントロールを受け、不適合点は評価欄に明示されます。
 認定委員会はロゴマークを受けている者の不適格な行為があった場合は「制裁表」の基準に基づき「単純注意」、書面による「警告」を行います。 より深刻な場合には、免許及び証明書の全体または一部の一時停止または取り下げを宣言します。すると生産者団体または業者は、 ロゴマーク付の商品は扱えなくなります。認定機関はこの場合直ちに公的機関に情報を伝える義務があります。
 結論として、認定機関は、第三者的機関であり、その活動は顧客または消費者に対し、品質保証の実施に対する信憑性を与えるものであり、 これは国際的にも信頼を得ているのです。

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■ 最後に欧州委員会の農業総局の経済関連法制度局・ 品質政策課のスザーナ ペレーズ=フェレラさんが品質表示制度の意義をWTOとの関係もふまえて論じました。
 ヨーロッパの消費者は近年食品の品質や原産地を大事にするようになりましたが、 なかなかその素性を知ることはできなくなっている現状があります。そこでヨーロッパでは品質保証の制度が作られるようになったのです。
 1935年にはすでにINAO(国立原産地名称研究所)が設立されました。これは葡萄の虫害(ブドウネアブラムシ病) に端を発する葡萄栽培危機に対し行政政策の必要性が叫ばれたからです。まずワインの分野でAOC(原産地統制呼称)が生まれました。 これは生産地、土壌、人間のノウハウが密接なつながりを持つことを証明するものでした。
 1960年以降には品質保証ラベルと高品質の概念が生まれました。 これはワインのAOCほど厳密ではないが生産方法が工夫され品質改善が行われ高品質のものが作られたことに対する消費者の支持が得られたことによるものです。 このために作業仕様書が作られ、公平性、自立性、専門性及び有効性を認定機関が管理することにより、生産管理をすることが承認されたからです。
 1980年代はとくにフランスで有機農業の需要が拡大し、行政から認証された作業仕様書(スペック)が作られ、 行政から承認された認定された認定機関による生産管理が行われるようになったのです。1980年代にヨーロッパの共通農業政策(PAC) が発展し続け1991年にはAB(植物性生産物の有機農業)に関するヨーロッパ共同体レベルでの規定が制定されました。
 これが1992年の大改革へとつながります。「農産物及び食料品の産地表示と原産地呼称の保護に関する規則(CEE)」が制定され、 その中で原産地保護呼称、産地表示、特定証明に関するヨーロッパ共同体レベルでの規定が策定されたのです。 それは地理的名称及び伝統的製法に関するヨーロッパレベルでの保護であり、 この規則の要求を満たしていれば各国の品質ロゴマークをEUとしても保護するというものです。フランスの原産地統制呼称(AOC) はEUの原産地保護呼称(AOP)と同義とされ、フランスの基準一致証明書(CC)はEUの産地表示(IGP)と同義とされたのです。

1999年7月9日のフランスの農業基本法(LOA)はINAOの役割を強化することを目指しています。 産地表示に対する管轄の範囲を拡大し生産国表示もその範囲としたのです。一方で同年、動物性生産物の有機農業(AB) に関するEUレベルでの規定が制定されました。
 こうしたシステムについてEUは、「貿易関連知的所有権に関する協定(TRIPS)」の利用を重視しています。すなわち、 GATT協定の知的所有権を用いて原産地表示をめぐる紛争解決をはかってきました。そしてWTOのもとにあっては 「貿易関連知的所有権に関する協定の評議会」を通じて産地表示の通達と登録のための組織を設立しようとしているのです。 EUはこのように多国間レベルでの産地表示保護を求めようとしているのです。

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■ 次にフロアーからの質問・意見が出されました。
 北海道のチーズ生産者からは「アメリカが強調するグローバルスタンダードとEUのスタンダードとの関係はどうか」との質問が出されました。
 パネラーからは「EUの規準は地域や家族農業を大切にしており、企業間の格差の是正にも役立つものだ。」との回答がありました。
「検査認証の費用は高くつくがそれを負担するのは、生産者、消費者、国のいずれなのか」との質問には、パネラーが 「フランスの消費者は品質のよいものを多少高くても買う傾向があり、消費者が負担している。」との回答がありました。
 日本のワイン流通業者から「AOCを受ける際に土地や品質の点でごまかしはないのか、」との質問がありましたが、パネラーからは、 「正直でない者もいないとはいえないが、強固な組織であるAOCがペナルティを課しさらに公的機関がペナルティを課す。 また不正に対しては農業協同組合が連帯責任を負う。」と回答しました。
「AOCの制度には農協は一体となって参加しているのか」との質問に対しては、パネラーから「協同組合はナポレオン時代からの伝統がある。 今でも農協は生産者が主体的に集まってつくるものである。AOCの制度を重視するところもあれば、農協が独自にワインを販売する場合もある。」 と回答しました。
 東大の生源寺さんからは「AOCは地域の多様性を大切にするが、スーパーマーケットやハイパーマケットとの関係はどうか」 「AOCの供給量は伸びているか」「日本では今回導入された有機認証制度に生産者は不安を抱いているがフランスではどうだったのか」 などの質問が出ました。
 パネラーからは、「フランスの消費者は原産地を強く知りたいと思っており、 スーパーマーケットも原産地表示した商品を高価格になってもそろえる」「消費者のAOCへの関心は高く需要は伸びており多少割高でも購入する。 生産者も増えている。」「認証制度の導入は、混乱が生じないように数年間かけて行った」との回答がありました。
 広島大の地井(?)さんからは「フランスの国土の20%が原産地表示システムに参加しているが、一般農家との不協和音はないのか」 「原産地表示の国際的保護はどうなるのか」との質問が出ました。
 パネラーからは、「有機農法は魅力的な農法となっており、一般農家もそれに注目しており、この制度に関する不協和音は少ない」 「グローバリゼーションの観点からは、AOCは企業規模間のバランスを回復する機能が認められ、原産地表示を国際的にも進めることは有益である」 との回答がありました。
 日消連の山浦は「日本は農産物の国内自給率が低く、輸入農産物に多くを依存している。まず国内自給を高めることが必要だが、 原産地表示を強化することは日本の消費者にとっても有益である。」「GM(遺伝子組み換え) 食品や飼料の表示の徹底と規制がフランスでは行われており敬意を表する」「コーデックス委員会での議論でも追跡可能性(トレーサビリティ) を重視する必要があり原産地表示のシステムは参考になる。」と述べました。
 パネラーからは「フランスは消費者の健康を第一に考えており、アメリカ産のGMOは輸入しない。」 「食品は国内で分け合って食べるという哲学が大切ではないか」「砂漠化など環境保全の点からも国内農業を守ることは必要だ」 との回答がありました。
 日本のJAの役員からは「鶏の飼い方を重視しているのはヨーロッパ流の動物愛護の精神の現れか」との質問が出され、パネラーから「その通りだ。 屠殺方法も注意している。」との回答がありました。
 フランスの農業経営に対する質問には、パネラーから「確かに品質表示を行うことは農家にとっては作業条件が厳しくなり大変な面がある。 しかしこれにより家族経営を続けることができまた良い製品をつくり経営の安定も得られるのだ。」と自信に満ちた回答があったことが印象的でした。

 

現代コメ開発事情

[ 2000年06月04日 レポート ]

提携米ネットワークコーディネーター
牧下圭貴

 遺伝子組み換えによるイネの品種開発が進んでいます。国内でも、JT(日本たばこ産業)とイギリス・アストラゼネカの合弁会社オリノバ (静岡県豊田町)が、遺伝子組み換えイネの試験栽培を通常の水田で行っています(開放系利用)。この稲は、 コメのタンパク質を遺伝子組み換えによって減らしたもので、酒米、低タンパク食事療法などに利用するというものです。 商業栽培まであと一歩というところまで来ています。かたや、 スーパーライス計画などによりできた新品種ミルキークイーンが作付け面積を増やしています。
 イネの品種開発は、長い間品種同士の交配によって行われてきました。その後、世界中のイネを集めて品種開発の幅を広げたり、 突然変異を誘発する化学物質や放射線を利用して品種開発を早める方法や細胞融合などの方法もとられています。 遺伝子組み換えも品種開発の高度化の流れから来たものです。しかし、遺伝子組み換えは、それまでのイネの品種開発とは異なり、 生命の設計図である遺伝子を直接操作することで、自然界では本来なかったような特徴を生み出しています。
 本稿では、最近のイネの品種開発について、実際にどのように行われているのか、現状がどうなっているのかをまとめました。とりわけ、 「スーパーライス研究」「イネゲノム研究」「21世紀グリーンフロンティア」など、官主導のプロジェクトについて、 その位置づけや内容を整理しています。

●ミルキークイーン
「コシヒカリよりも粘りがあっておいしい」と銘打って登場したのが新品種ミルキークイーンです。「関東168号」 にミルキークイーンという名前がつけられたのは、1995年のことです。最近では作付け面積を徐々に増やし、 お米屋さんの目玉品種になっているようです。ミルキークイーンは1985年に育成がはじまり、配布は1992年からはじめられています。
 ミルキークイーンは、 農林水産省の農業研究センターがコシヒカリの受精卵に化学物質のメチルニトロソウレアを処理してできた低アミロースの突然変異体です。そのため、 イネの栽培上の特徴などはコシヒカリと同じで、イモチ病に弱いというコシヒカリの特徴も持っています。ただし、アミロースが9~12% と少ないことや玄米がやや白濁しています。やわらかいため炊飯時も水を1割ほど減らして炊きます。 このミルキークイーンは農水省のスーパーライス計画によって作られた新品種とされています。
 同じスーパーライス計画でできたとされる品種としては、スノーパールやサリークイーンなどがあります。スノーパールは、 東北農業試験場が開発したもので、74wx2N-1とレイメイの組み合わせから育種された品種です。低アミロース米であり、 冷めても硬くならないとしてチルド寿司やアルファ米、加工米菓に向くとされています。 サリークイーンは日本晴とBasmati370の組み合わせから育種されました、開発は農業研究センターです。 世界的には高価格なバスマティライスと同様の香りを持ち、西日本で栽培可能な長粒種です。エスニック料理向きとして開発されたものです。

注:メチルニトロソウレア(MNU)植物の突然変異を引き起こす化学物質。強い発ガン性があり、 動物実験などで動物にガンを引き起こすために用いられることがある。

●スーパーライス計画
 スーパーライス計画とは、1989年度~94年度の6年間行われた「需要拡大のための新形質水田作物の開発」(新形質米) 研究プロジェクトのことです。その後、95年度から「画期的新品種の創出等による次世代稲作技術構築のための基盤的総合研究」(次世代米) が行われています。研究は、つくば市にある農林水産省農業研究センターを中心に全国の農業試験場で行われています。
 また、近年は新農業基本法に沿って農林水産省転作作物プロジェクト研究も行われており、飼料米などの開発が進んでいます。
 筆者は、農業研究センターを見学し、稲育種研究室の研究員から話をうかがう機会を得ました。その際、低アミロース米や長粒米、 麺好適米などの品種開発をする際にどのような開発指針で行っているのかを聞いたところ、市場の動向などを踏まえて将来の需要を考え、 研究室で検討して決めているとのことでした。生産者や消費者の意見を聞く機会は「持ったことがない」とのことです。
 なお、スーパーライス計画で開発された品種には遺伝子組み換えのものは含まれていませんが、 農業研究センターならびに各地の農業試験場でも遺伝子組み換えイネの研究は行われています。

●21世紀グリーンフロンティア研究
 21世紀グリーンフロンティア研究は、農水省が推進している遺伝子組み換え技術やクローン技術を活用した新品種開発を核にした事業です。 イネゲノム研究の前倒しや遺伝子組み換え、クローンなどの技術開発について、基礎研究から開発までを、 農業生物資源研究所や農業研究センターをはじめ、農林水産省の機関のみならず、大学や民間にも委託して押し進めるものです。 この研究プロジェクトのうち、遺伝子組み換えによる病害虫などへの抵抗をもつ品種開発プロジェクトを「スーパー・レジスタンス計画」 と名付けています。イモチ病耐性イネや殺虫性イネなどを開発し2006年には作付けを目指したいとしています。

●イネゲノム研究
 イネの全塩基配列を解読し、どこに有用遺伝子があり、どのような機能を持っているのかを解明し、 DNAライブラリーを整備して研究に役立てるプロジェクトで1998年にスタートしました。
 農業生物資源研究所(NIAR)、社団法人農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)が共同で、イネゲノム研究チーム(RGP, Rice Genome Research Program, NIAR/STAFF)を作り、そこを中心に行われています。また、 アメリカを中心にイギリス、フランス、中国、韓国なども国際協力して解明をすすめることになっています。穀類の塩基配列には共通点が多く、 イネがもっともゲノムサイズが小さいため、イネを解明することで他のムギなどの研究にも役立つと考えられることから、 イネの研究が優先されています。
 全塩基配列ができたあとは、有用な遺伝子の所在を見つけ、 それが例えばイモチの耐病性や耐寒性など実際の機能にどのように結びついているのかを解明します。そして、 最終的には遺伝子組み換え技術などによって新しい品種開発に役立てるのが目的です。
 現在は、イネゲノム研究第2期計画として、行われており、21世紀グリーンフロンティアの組み換え植物体研究との連携が行われています。
 イネゲノム研究では日本が世界のリード役となっていますが、遺伝子組み換えをはじめとするバイオ技術の基礎研究から応用、産業化にあたっては、 アメリカ、ヨーロッパに対し大きく遅れているとの危機感が日本の産業界、政府に強くあり、 国内の研究機関のつながりや連絡を強化するための方策が検討されています。
 イネゲノム研究についても、国際的な連携で塩基配列データを公開することになっていますが、 一方でアメリカのベンチャー企業が塩基配列データをもとに有用遺伝子の特許化を行う戦略をとっていることから、 遺伝子の特許権をめぐる問題も登場しています。特許権については、国際的な遺伝子特許などのルール統一など課題も多く残っています。

●遺伝子組み換え
 21世紀グリーンフロンティア研究の柱には遺伝子組み換え技術の研究があります。バイオ技術、バイオ産業は21世紀の中心産業ともてはやされ、 欧米を中心に研究機関、政府機関、産業界がこぞってバイオ研究、技術開発をすすめています。遺伝子組み換え技術はその中でももっとも大きな、 そして基本的な技術と考えられています。イネで言えば、全塩基配列を明らかにし、有用遺伝子を探し出し、有用遺伝子を持つ品種を探し出し、 その有用な部分の遺伝子を特許として「知的所有」すること、さらに、遺伝子組み換え技術により、有用遺伝子を組み込んだり、 他の生物からの遺伝子や人工的に遺伝子を組み込むことで新しい形質を持ったイネを開発し、「販売」することが考えられています。
 栽培作物の遺伝子組み換えは大きく3つの方向性があります。
 ひとつは、除草剤耐性や殺虫性(害虫抵抗性)など、農薬とセットで利用したり、 農薬と同等の役割を新しく与えようというもので栽培上の特徴を与えるものです。生産者にアピールし、 アメリカやオーストラリアで一気に普及したものです。
 ふたつめは、品種改良を早めるためのものです。超収穫米や低アミロース米、脂肪分の多いコーン、タンパク質の多いコーンなど、 本来の品種改良でも可能ですが、より早くかつ効果的な品種改良効果を上げるために行うものです。
 みっつめは、日持ちトマトやベータカロチンを組み込んだイネ、 薬効を組み込んだイネのような本来その植物には備わっていなかった特徴を加えた高付加価値品種を開発するというものです。
 遺伝子組み換え技術の栽培作物への応用に対しては、食べる人間や生態系への影響が懸念され、世界中で反対運動が起きています。そこで、 たとえば、遺伝子組み換え作物の研究者は、ビタミンA欠乏症により毎年100万人以上の子ども達が死亡しているから、 ベータカロチンを組み込んだイネを普及させ、ビタミンA不足症を減らそうと訴えます。遺伝子組み換え作物の登場時にも、これで「飢餓がなくせる」 と種子の販売をした農薬会社は標榜していました。しかし、 ビタミンA欠乏症があるからビタミンA前駆物質のベータカロチンをイネに組み込んで普及させればいいというのは、どうも本末転倒のような話です。 また、飢餓がなくせると言っても、「緑の革命」と同様、産業構造、流通構造、社会構造、国際貿易(搾取)の構造が変わらない限り、 いつまでも飢餓・貧困層には満足できる食べものが行き渡らないことには変わりはありません。今、この時点でも、 人口増加と農地の疲弊により切迫はしつつありますが、生産量はすべての世界人口をまかないうるだけはあるからです。 分配の問題を技術の問題にすりかえている議論です。
 さて、それは余談ですが、イネの遺伝子組み換えについてまとめてみましょう。

●日本の遺伝子組み換えイネ
 日本で遺伝子組み換え作物を開発するには、基本的にまず科学技術庁の確認により閉鎖温室実験、非閉鎖温室実験を行い、その後、 農林水産省の確認により隔離ほ場試験を行った上で、農林水産省の確認により、一般ほ場への栽培が可能になります。
 それとは別に、輸入、食用としての流通にあたっては、厚生省の安全性審査を受けることになっています。2000年5月段階で、 コメに関してはこの安全性審査は行われておらず、輸入、国内生産ともに流通していません。
 なお、厚生省の安全性審査も農水省の確認と同様にガイドラインによるもので法的な義務ではありません。また、 いずれも開発者側が提出した資料をもとに審査するだけです。厚生省では安全性審査の義務化を検討中ですが、「実質的同等性」 を前提にすることや開発者側の資料に基づく審査のみというのは変わらないようです。農林水産省では、 安全性の議論抜きに遺伝子組み換え食品の表示について30品目を指定して義務化しました。一歩前進ですが、食用油など対象外になったものもあり、 決して満足できるものではありません。表示以外の部分で十分な注意が必要です。
 さて、日本の遺伝子組み換えイネ開発状況ですが、ここ数年、急速な勢いで増えています。時間を追って、すべて書き出しました。 (2000年5月現在)

 農業研究センターおよび農業生物資源研究所によりウイルス病抵抗性 (イネ縞葉枯ウイルス外被タンパク質遺伝子を導入)日本晴が開発され、 1994年に農水省のガイドライン確認を受け一般ほ場での栽培が可能になりました。

 農業環境技術研究所および(株) 植物工学研究所によりウイルス病抵抗性(イネ縞葉枯ウイルス外被タンパク質遺伝子を導入)キヌヒカリが開発され、 1994年に一般ほ場での栽培が可能になりました。

 三井東圧化学(株)(農業環境技術研究所) により、低アレルゲン米(イネアレルゲン遺伝子のアンチセンス側を導入)キヌヒカリが開発され、 1995年に一般ほ場での栽培が可能になりました。

 (株)加工米育種研究所(日本たばこ産業 (株))により、酒造用低タンパク質米(イネグルテリン遺伝子のアンチセンス側を導入)アキヒカリが開発され、 1994年時点で農水省のガイドライン確認を受け、隔離ほ場での栽培試験が可能になりました。

 農業研究センターおよび農業生物資源研究所(農業環境技術研究所)により、 ウイルス病抵抗性(イネ縞葉枯ウイルス外被タンパク質遺伝子を導入)日本晴の2品種が開発され、 いずれも1997年に一般ほ場での栽培が可能になりました。

 日本たばこ産業(株)により、 酒造用低タンパク質米(イネグルテリン遺伝子のアンチセンス側を導入)月の光2品種が開発され、 いずれも1998年に一般ほ場での栽培が可能になりました。

 (財)岩手生物工学研究センター により、 除草剤の影響を受けない(ビアラフォス抵抗性遺伝子を導入)系統番号4というイネが開発され、1998年に隔離ほ場での試験が可能になりました。

 (株)オリノバにより、低グルテリン (アンチセンスグルテリン遺伝子を導入)したイネ4品種が開発され、4品種とも1999年に隔離ほ場での試験が可能になり、 2000年には1品種の一般ほ場での栽培が可能になりました。

 アグレボ・ジャパン(株) (農業環境技術研究所、(社)農林水産先端技術産業振興センター)により、除草剤の影響を受けない(グルホシネート耐性遺伝子を導入) イネが2品種開発され、いずれもアメリカで閉鎖温室実験、非閉鎖温室実験の確認がされ、 1999年に農林水産省により隔離ほ場での栽培試験が可能になりました。

10 モンサント社により、 除草剤の影響を受けない(グリホサート耐性遺伝子を導入)イネ6品種が開発され、いずれもアメリカで閉鎖温室実験、非閉鎖温室実験の確認がされ、 1999年に農林水産省により隔離ほ場での栽培試験が可能になり、2000年には一般ほ場での栽培が可能になりました。

11 全国農業協同組合連合会により、 ヒトラクトフェリン産生(ヒトラクトフェリン遺伝子を導入)イネが開発され、2000年に隔離ほ場での栽培試験が可能になりました。

12 モンサント社(モンサント社、 愛知県農業総合試験場)により、除草剤の影響を受けない(グリホサート耐性遺伝子)イネが6品種開発され、 1998年に科学技術庁の確認により閉鎖温室実験が可能になり、99年に科学技術庁の確認により非閉鎖温室実験が可能に、 さらに2000年には農林水産省の確認により隔離ほ場試験が可能になりました。

 以上です。これとは、別に、東北大学大学院農学研究科が、文部省の承認により、同科付属農場で遺伝子組み換えイネの隔離ほ場試験を5年間、 5アールの面積で行うとの報道があります。これは、農水省の所轄ではないようで、農水省のリストには載っていません。このあたり、以上12品種 (+1)がすべてなのか多少不安があります。
 冒頭にも書きましたが、ここ1、2年で次々に一般ほ場での栽培が可能になった品種があります。もちろん、 一般ほ場での栽培ができるようになったと言っても、それから数年かけて実際の栽培の特徴や適正を判断することになり、 すべてが品種として販売されるとは限りません。また、厚生省への安全性審査はいずれもこれからです。しかし、確実に、 国内で遺伝子組み換えイネの栽培がはじめられていることは確かです。

注:(株)オリノバは、日本たばこ産業(株)とイギリス・アストラゼネカの合弁会社で静岡県豊田町にあります。

参考

■社団法人農林水産先端技術産業振興センター・農林水産先端技術研究所 http://web.staff.or.jp/
■農業生物資源研究所 http://ss.abr.affrc.go.jp/
■Rice Genome Research Program (RGP) http://www.staff.or.jp/
■農業研究センター http://ss.narc.affrc.go.jp/

 

遺伝子組み換え情報

[ 2000年06月03日 レポート ]

「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」では、遺伝子組み換え作物がどのような食品に使われているか、 その実態を広く消費者に伝えるために検査運動を行っています。今までにコーンスナック、ベビーフード、パパイヤ、 トマト製品などの検査を検査会社ジェネチックID社(本社アメリカ)に依頼し、その結果を公表してきました。 1回目のコーンスナックでは我国で未承認の遺伝子組み換えトウモロコシが検出され、 ガイドラインによる審査が全くチェック機能を果たしていないことがわかりました。
 今回は間接摂取だから問題ないと農水省が言っている畜産の餌について調べてみました。鶏の餌3種、牛(酪農)の餌3種を検査しました。 分析の結果6検体に組み換えのトウモロコシ、大豆、綿、ナタネが入っていることがわかりました。 特にトウモロコシについては混入率を調べましたところ、鶏用は高い割合で入っていて10~30%、牛用はホクレン、中部飼料が10%弱、 雪印は1%程度でした。
 同時にトウモロコシの品種特定をしましたところ、鶏の餌からは8~9種類もの組み換えトウモロコシが検出されました。 その中に未承認の殺虫性トウモロコシが含まれていたのです。1つはデカルプ社の「DBT418」、もう一つはアグレボ社の「CBH351」です。 DBT418は厚生省で食品用として認められているのですが、餌用として農水省で認められていないと言う変な品種です。 これは今回検査した3種類の鶏の餌に入っていました。また牛の飼料の一つ雪印にも入っていましたが、ごく微量でした。 雪印の場合遺伝子組み換えのトウモロコシの混入率が1%と低くかなり分別に配慮して輸入されているのですが、 厳しく管理しているにもかかわらず未承認のものが入ってしまうことが問題です。
 もう一つのCBH351は、鶏の餌『鹿島飼料LM18』から検出されましたが、この組み換えトウモロコシの殺虫タンパクは耐熱性が強く、 消化器系で分解されにくいためアレルギーをおこす可能性が高いと、アメリカ環境保護庁が問題としているものです。 これは厚生省でも農水省でも認められていません。
 家畜の飼料、特に私たちが毎日食べている卵を産む鶏の餌に沢山の組み換え作物が入っていること、 その中に安全性が確認されていないものが入っていることがこの検査によって示されました。キャンペーンでは、 この検査結果をもって農水省の畜産局流通飼料課に、未承認の組み換え作物が入らないような体制・システムをとってもらうよう要請をしました。
 法的取り締まりはやれないこと、日本で確認したものは相手国に知らせている、安全確認したものをとお願いしている、また、 安いものが大量に入ってくるこのシステムが日本の畜産を支えているからこの仕組みを変えることはできないということが畜産局の見解です。
 日本の農水省でありながら、 飼料の自給といった展望ももたずほとんどの飼料をアメリカに依存していることをよしとした見解にがっかりしたのですが、 飼料にも表示をという運動を進めていくと共に飼料の自給運動も取り組んでいく必要があります。
各地域での畜産の状況教えてください。(小野南海子 提携米ネットワーク理事)

 


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