遺伝子組み換えイネ2005年前半の動き(英語版作成、公開)
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日本国内での遺伝子組み換えイネの開発は、政府系研究機関を中心に進められています。2005年3月にまとめられた新しい「食料・農業・
農村基本計画」の工程表の中に、「花粉症予防イネ」を例として、遺伝子組み換え作物の研究と商品化を明記しており、
国策としてすすめる意向を強く示しています。一方、今回の基本計画にあわせて作成された消費者、生産者、
行政等向けのそれぞれのパンフレットを見ていくと、消費者向けには一切遺伝子組み換えの開発について書かれておらず、生産者向けに
「花粉症予防イネ開発」の記述があり、行政機関等向けの詳しいパンフレットには詳細が書かれているなど、
消費者の反発に対して計画そのものをあまり表に出さずにすすめようという意図があらわれています。
昨年大きな問題となった花粉症予防イネの試験栽培は、結果的につくば市の農業生物資源研究所で行われ、
2005年も同所にて栽培されることになり、6月8日に田植えが行われました。
また、新潟県上越市の北陸研究センターにて耐病性イネの隔離ほ場栽培が行われ、周辺農家などの大きな反対を受けています。この耐病性イネは、
「減農薬になる」と宣伝しており、有機農家の怒りを買っています。
北海道では、2005年10月に施行される「遺伝子組み換えの開発の栽培による交雑等の防止条例」が成立していますが、
北海道農業研究センターは2007年より遺伝子組み換えの耐冷性イネの試験栽培を行う方針を発表しています。
海外では、中国の華中農業大学が開発した殺虫性イネの種子が販売され、生産された米が海外に輸出されていたことが報道されました。
日本政府は、
米がインディカ米であることや対象となる湖北省産の米は輸入されていないことなどを理由に日本での流通は確認されていないとしています。
国際稲作研究所(IRRI)は、ベータカロチンの含有量を20倍にした新ゴールデンライスを開発し、4、
5年以内にアジア各国で商業生産できるようする計画を明らかにしました。(日本農業新聞05年6月5日)
イネではありませんが、アメリカで安全性未確認の殺虫性トウモロコシ(Bt10) がアメリカで2001年~2004年にかけて栽培されており、品種はデントコーンで飼料として流通していたことが発覚しました。 日本でも検出されています。港で確認されたものについては、国内に水揚げされないこととなりましたが、すでに流通している分について農水省は 「安全性は問題ない」としています。ちなみにEUでは、3月の発覚をうけて4月に「アメリカ産飼料の安全性が証明されない限り、 アメリカ産飼料の輸入を認めない」とする措置をとっています。
■耐病性イネ 北陸研究センター
2005年、隔離ほ場栽培。品種は、「どんとこい」を利用。
いもち病耐性に白葉枯病などの耐性を加えたもの。05年、 06年に隔離ほ場栽培する。なお、系統は7系統。食品としての安全性については、
現状「食品安全性の審査は受けていないが、(独)食品総合研究所が実施した試験によれば、
2種の導入遺伝子のうちのmALSについては毒性タンパク質と推定されるアミノ酸配列をもっていないことが確認され、
またもう一つの導入遺伝子であるディフェンシンについては毒性タンパク質と推定されるアミノ酸配列およびアレルゲンと推定されているアミノ酸配列を持たず、
人工胃液・人工腸液を用いた消化性試験を行ない、完全に消化されることが確認されている」(栽培実験計画書より)としている。
新潟県の農家と消費者などで6月24日、屋外での栽培実験中止を求める仮処分を新潟地裁高田支部に申請した。
■花粉症予防イネ 農業生物資源研究所
2005年 農業生物資源研究所(茨城県つくば市)にて隔離ほ場栽培を行う。 2006年まで行う予定。食品安全性等については、
「スギ花粉症予防効果ペプチド含有米は、食品安全性承認作物・ 飼料安全性承認作物に該当しません」(栽培実験計画書)としている。また、
2006年度、マウス、ラット、サルを用いた毒性試験、 生殖試験、変異原性試験、抗原性試験を行い、食品安全性について調査し、さらに、
関係機関の倫理委員会をへてヒトへの経口投与での有効性評価試験を行うとしている。
■鉄欠乏耐性イネ(アルカリ土壌耐性イネ) 東京大学大学院
2005年、 隔離ほ場栽培。東北大学大学院農学研究科付属複合生態フィールド教育研究センターが試験場所となる。
2007年まで2年間行われる。
■短幹・耐倒伏イネ 農業生物資源研究所
2005年、茨城県つくば市で隔離ほ場栽培。2006年以降は未定。
■耐冷性イネ 北海道農業研究センター
日本農業新聞、北海道新聞05年6月9日付けによると、農業生物研究機構北海道農業研究センターは、2007年より野外試験を行う方針を示した。
また、特許申請も行う。2006年までは温室内での閉鎖試験を行う。
[ 2005年09月17日 | レポート ]