【注目】 ゴールデンライス(ビタミンA強化米、黄色米)
ゴールデンライス(ビタミンA強化米、黄色米)
IRRI(国際稲研究所)、ロックフェラー財団の支援、EU委員会研究グループ(責任者ベイヤー氏)、スイス連邦技術研究所、 スイス植物科学研究所のインゴ・ポトリクス研究員、スイス工科大学、オリノバ、モンサント、シンジェンタ(旧アストラゼネカ)、 バイエル
遺伝子組み換え開発企業は、特許権の無償使用を国際稲研究所(フィリピン)に与え、飢餓、
貧困地域での栄養改善米としてゴールデンライスの品種開発、普及を図るとしている。栄養改善(ビタミンA不足による健康障害、失明などを防ぐ)
目的での企業・研究者の行動は、一見、反論ができないようにも考えられる。しかし、そもそも飢餓問題、栄養不足問題は、生産不足問題ではなく、
食糧の流通配分が機能していない点にある。かつて、飢餓・栄養不足を防ぐとして爆発的な拡大をみせた「緑の革命」を見てみれば、
ゴールデンライスを手放しで歓迎することはできない。
「緑の革命」は超多収量米をもたらしたが、それは、機械化、化学肥料多用、農薬多用を前提としたものであった。その結果、
資本力のない小さな農場、家族的農場は厳しい経済状態に追い込まれ、結果として貧富の差を増大させた。「緑の革命」により飢餓・
栄養不足は減っていない。
ビタミンAは化学合成できる、あるいは、別の手段を講じられるのに、遺伝子組み換えのゴールデンライスでなければならない理由はなんであろうか。
そこに、遺伝子組み換え作物を、市場、消費者に受け入れさせるという隠れた目的を感じざるを得ない。
オリノバは、機能性食品として日本、北米をマーケットにしたゴールデンライスの商品化をめざすという報道もある。
ゴールデンライスが誰のためのものなのか、真剣に考える必要があろう。
時事情報
- 国際稲作研究所(IRRI)は、ベータカロチンの含有量を20倍にした新ゴールデンライスを開発し、4、 5年以内にアジア各国で商業生産できるようする計画を明らかにしました。(日本農業新聞05年6月5日)
- ラッパ水仙の遺伝子とバクテリアの遺伝子を組み込み、ベータカロチンをコメの中に作り出すことに成功、国際稲研究所を通じ、 無償提供するとしている。(99.8.4産経)
- 鉄分強化は、インゲン豆からのタンパク質フェリチンの遺伝子を組み込んだもの。従来の2倍の鉄分という。(99.8.4毎日・ 99.8.6朝日)
- スイス植物科学研究所のインゴ・ポトリクス研究員らの報告がサイエンス誌に掲載。(00.1.21日本工業、日本農業、 化学工業日報)
- ベータカロチンを保有する黄色米の開発に成功したと発表。3~5年後の実用化を予想。ベータカロチンが内胚乳に含まれるため、 コメの色は黄色いが味に違いはないという。(99.8.7日本農業・毎日・99.8.9化学工業日報)
- アストラゼネカは、スイス連邦技術研究所が開発したゴールデンライスの生産技術を中国、インド、フィリピンなどの途上国に無償供与する。 (00.5.16日経新聞)
- アストラゼネカは、オリノバを通じてゴールデンライスの商品化に乗り出す。ベータカロチンの酸化防止作用に着目、心臓病、ガン、 老化予防の機能性食品として販売する。日本、北米をマーケットに品種改良などに取り組む。(00.5.17日経産業)
- モンサントは、ゴールデンライス関連特許を無償供与すると発表。(00.8.5日経)
- 国際稲研究所、ロックフェラー財団、シンジェンタ(旧ゼネカ)がゴールデンライスの利用法研究に着手。すでにシンジェンタ、 バイエル、 オリノバ、モンサントら5社は遺伝子組み換え技術ライセンスをIRRIに無償提供している。 IRRIは地方品種で組み換えを行う。 研究成果達成は4年ほどの予定。(01.1.26日本農業、01.1.31日本食糧)
- ゴールデンライス種子がフィリピンIRRIに到着。インドの研究所にも到着する予定。品種改良をはじめる。 (01.3.26日経)
- シンジェンダ ジャパン ホームページにあるリリース情報
- 国際稲研究所、「ゴールデンライス」のテストを開始 (01.01.22付のものの翻訳)
[ 2005年06月27日 | GMイネ品種情報 ]